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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第93話

なかなか投稿できなくてすみません。

「なあ?お前たちは何者だ?」


「それはこちらのセリフだ!お前は魔人が?」



上空から北の城へと向かっていたハルキだったが、地上で自分を追ってくる集団を見かけた。無視しても良かったのだが、なんだかわからないが、関わらなければいけない気がして地上へと降りて接触してみることにした。


冒頭のセリフは地上に降り立ったハルキが、集団と接触したときの一幕である。

何者だと聞いてみれば、魔人呼ばわりされ、わけがわからない。とりあえず先頭にいた、いかにも隊長然とした獣人に話しかけたのだが、その取り巻きのような奴が答える始末。


「お前には聞いてないんだよ!ちょっと黙ってろっ!」


軽く威圧を込めて睨んでやると、「っ!ぐっ」といった声を出して後ずさった。


「貴殿のことを教えていただきたい。俺は王国騎士団長のアルベルト・ノーマンだ。」


俺の威圧を直接ではないとはいえ食らったであろうに、平気な顔をしている男は王国騎士団長と名乗った。

真黒い耳と真黒い尻尾、屈強な体型は似つかなかったが、どこかの誰かを思い出すようなものを感じた。


「へぇー、騎士団長か。フォレスト王国はまだ続いていると思っていいのか?それともお前たちは魔人供の手先なのか?」


軽く煽ってやると、その男の後ろに連なる者たちが食ってかかってきそうだったが、団長であるアルベルトがひと睨みして黙らせていた。


「あ、そうそう名前だっけ。俺はハルキだ。大陸を飛んでこちらにやってきた世界最強の魔法使いだ。」


ちょっとイキリ過ぎかな?と自分でも思うところはあるのだが、口が勝手に喋ってしまうのだから仕方ない。


まだ、敵が味方かはっきり区別がつく前に全部を話すのもどうかと思ったが、なんとなくこいつらは大丈夫な気がして探りを入れていくことにした。


「魔人供の手先の騎士団長さん、だっけ?それとも旧王族の騎士団長さんだったっけ?あなたはどっちなんだ?」


正直向こうも俺が魔人の手先かもしれない中で、答えづらい質問だったと思うが、彼は即答した。


「我らは旧王族からの騎士団だ!」


「魔人の手先ではないと?」


「我らはある方がお戻りになるのを待っている。それまでは民を魔人どもに殺されないように、馬鹿な真似をしないようにまとめておかなければならない。」


「俺が魔人供の手の者だったら、今の発言は問題だと思うんだが?」


「先程から『魔人供』や『手先』と言っているではないか?明らかに自分の味方に使う言葉ではない。それに・・・」


そう言って彼は「何故だか懐かしい匂いがする」と言って笑顔を見せた。


「はうっ!あふぅ!」


彼の近くにいた女騎士が身悶えていたが、まあ、どこにでもこういう女性はいるもんだと自分を納得させておいた。


「そっか。じゃあお前たちが待っている『ある方』っていうのはハイドで間違えないか?」


「っ!な、何故その名を?!ま、まさか近くにいらっしゃるのか?」


先程までの余裕の表情から一転、慌てふためく彼の姿を見るとどうにも憎めないものを感じる。ハイドのことを待っている人がいたことに俺は嬉しくなってついつい色々話してしまった。


「ハイド様だけでなくミツキ様も助けていただきありがとうございます。本当に良かった。ハルキ様、我らに出来ることなら何でもお命じください。ただ、魔人は恐ろしく強大です。ハイド様とミツキ様のお二人はまだ後方で安全な場所で・・・」


少し、長く話しすぎたようだ。俺たち以外の気配を持った集団がここに近づいてきている。十中八九、魔人供だろう。


「魔人供がこちらに気づいたようだな。どうする?殺しておくか?」


「ハルキ様!ここは穏便にいった方が・・・」


先程の女騎士が俺に忠告しようとしていたが・・・。


「えっ?なに?」


声をかけられた時にはすでに魔法は発動させてしまっていた。


魔力探知によってレーダーの様に頭の中に展開されたマップを元に、対象の敵に無属性の魔力を圧縮させた指弾を叩き込んでしまっていた。


やってしまったものは仕方がないので、諦めて証拠隠滅の手伝いのために、騎士団の者たちに付いてきてもらった。


10人ほどの魔人が、自分たちの知らない間に倒されている光景を見て、唖然としている騎士団とその団長。


「ま、こいつらは雑魚っぽかったから、大丈夫だよな?」


俺の問いかけに、誰も答えてくれなかったが、久しぶりに穏やかな気持ちでいられたこの時間を大切に思うのだった。

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