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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第85話

9月末は何かと忙しくて、更新もままならなくてすみません。上期の終わりなので、ご勘弁を。今回はやや短めです。

「ガリアーノ将軍、本陣をお任せします。我々は遊軍として爵位持ちの魔人討伐に当たります。本陣で敵の注意を引きつけてください。」


俺たちは今、元フォレスト王国に向かうためにアストラムの南西の港町サウスゲートへ向かっている。元フォレスト王国はこの大陸から海を渡ったところにあるので、こうして港に向かっているわけだ。


そして今はいわゆる野営中だ。そして主だったメンバーだけをテントに集めて会議中をしている最中である。

兵士たちは必死に設営に当たり、警備もしてくれているのだが、声が漏れるとまずいので、念のため魔法で覆っている。


海を渡るための船は各国がサウスゲートに向けて用意してくれているが、大量の軍艦を配備するとなると、現在の港では手狭だ。


俺たちが先に行って増設のお手伝いをするのだ。これだけ優秀な魔法使いが揃っているんだ、なんとかなるだろう。


おっと、話が逸れてしまった。作戦の話に戻そう。


本陣と多くの兵士はガリアーノ将軍に任せ、俺を含むアストラム4隊は爵位持ちの魔人がいるとされる拠点にこっそり忍び込み、指揮官たる魔人をそれぞれ撃破していく予定だ。


敵である魔人は王都を中心にして、東西南北それぞれの土地に新たに城を築き、魔人による統治をしているようだ。


この情報は俺がピスケスの洞窟で撃破し、今は俺の奴隷として元フォレスト王国に潜ませている元子爵の地位にいた魔人、ミハエル・ノスフェラトゥから流されたものだ。


さらにミハエルによると統治を任されたものは伯爵位以上ということだから、なかなかの強敵だ。ミハエルに比べてどれだけ強いのかがわからないから、はじめは慎重にいくべきか?


「うーん、もうちょい情報が欲しいな。どの隊をどこにぶつけるべきか?敵の強さがどれくらいなのか?もう少し調べたほうがいいかな?」


俺が何気無く言った言葉に反応したのはメイサ。


「あんな魔人よりもわたしのほうが役に立つ。ハルキ、私が行ってくる!」


メイサの鼻息が妙に荒い。たしかに隠密行動はメイサの得意分野だけど、どうしたものか?


「なら、私もついていくわ。私とメイサなら安全に偵察できるわ。」


「ちょっと待ってよ!2人が行くなら私たちの隊で行けばいいじゃない?4人で行けば不測の事態にも対応できるだろうし。」


メイサとフィーネはオーロラ隊だ。これにコスモを加えればなんとかなるかな?


「いやいや、ちょっと待ってくださいよ!危険なところなんですよね?俺は行くなんて言ってないっすよ!」


「えっ?コスモは一緒に来てくれないの?私、コスモと一緒に行きたいな。」


さすがオーロラ。伊達に先生やってるわけではないようだ。コスモの性格をよく分かってる。上目遣いでこんな風に言われたらコスモは・・・


「一緒にイキたい・・・?!」


あれ?何か発音がおかしくない?脳内変換されてる?!いずれにしてもオーロラの言葉はコスモの心に響いたようだ。


「俺もオーロラ先生とイキたいっす!メイサやフィーネとも!」


「よかった!一緒に行こうね!」


「イクっす!イキまくりっす!」


何やら勘違いしてそうだから、あとでお話ししておこう。彼女たちに手を出したらどう言う目に遭うかをじっくりと。


コスモは一般的には珍しい召喚術師だ。ただし、使役するには召喚した対象に魔力を供給する必要がある。さらに言えば魔力量によって召喚出来る対象は変わるので、自身よりも極端に強い魔物を使役することは出来ない。ただ、俺が鍛えたことによってそれなりの魔力量を持つコスモならSランクの魔物でさえも使役出来る。


俺も一度、コスモに教えてもらって呼び出してみたのだが、とんでもないものが出てきてしまった。あれはよほどのことがない限り呼び出すことはないだろう。


「大丈夫だと思うけど、あまり深追いするなよ?オーロラ、みんなのこと頼んだぞ。」


「メイサ、お前を信じているが、相手の力は未知数だ。危ないと思ったらすぐに帰還しろ。いいな?これは俺からの命令だ。」


「ハルキ、わかってる。でも情報持ってちゃんと戻って来たらご褒美ちょうだいね!わたしはハルキの・・・」


「おい、それ以上はやめろっ!なんかフラグになりそうじゃないか!」


「ん?フラグ?フラグって何?」


こんなところでフラグなんて立てられたくない。ギリギリ間に合っただろうか?




「じゃあ、行ってくるわね!」


オーロラ隊は軽い調子で本陣から出て行った。

本当に何も無いと良いけどな。


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