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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第80話

いつもお読みいただきありがとうございます。


前話あらすじ


家族会議の後、念話で皆に出国する旨を伝えたハルキ。その後、部屋にハイドとミツキが訪れる。ハイドの決意を知り気持ちを新たにしたハルキであった。

次の日、食卓にみんなで集まり朝食を食べているとナナからの念話が入った。


(ハルキ?聞こえるかしら?あなたたちを受け入れる準備はできたわ。ただ、まだ片付けなくちゃいけないことが残っているから、しばらくは王城で暮らしてもらおう思うんだけど、どうかしら?)


俺は声に出してみんなに要件を伝えていく。


「アストラムで俺たちを受け入れる準備ができたみたいだけど、しばらくは王城で暮らしてくれってことなんだけど、みんなどうする?」


賛成5票、反対9票。賛成したのは俺、フィーネ、メイサ、ハイド、ミツキ。反対は父さん母さん、アイリスに家の使用人たちだ。


「いくら仲がいいとは言ってもこの人数で王城に住まわせてもらうのは、流石に申し訳ないだろう?」


反対派の意見を父さんがまとめて言ってくる。


「いや、でも、まあ、このままここにいれば、間違いなくまた王国からの使者が来るし、王城に住む住まないに関わらず、アストラムに行ってたほうがいいと思うんだけど。」


賛成派の意見として俺が父さんたちに伝える。この間もこのやり取りが聞こえるようにナナとは念話を続けてる。


(うーん、片付けなくちゃいけないのはその問題なのよね〜。家ごと引っ越してくるだろうから渡そうと思っていた領土があるの。でもそれをある程度綺麗にしてからと思ってたんだけど、それが間に合ってないのよね?)


はぁ?領土を渡す?何を言っているんだ、この女王様は?


(あ、心配しなくても、元々王家の直轄地だから問題ないわ。)


いや、そう言う意味じゃないんだけど。俺はみんなにナナが俺たち用に領土を用意しているらしいことを伝える。


「いやいやいやっ!無理!無理だから!うちは騎士爵だから領土なんて持ったことないしっ!」


父さんは思った以上にうろたえている。


(うーん、困ったわね?ハルキのお父様に爵位と領土を用意してたんだけど・・・。あ、ねぇ?ハルキ、あなたがやりなさいよ。あなたなら多分できると思うわ。うん、いいかも、そしたらマユと結婚するときも周りの反対もないだろうし。うん、それがいいわ。なんで気づかなかったのかしら。)


おーい、帰ってこーい!ナナは俺に爵位と領土を渡すことを考えて、まるでそれがとてもいいことのように勝手に納得し出した。


「ナナが父さんがやらないなら俺に領主やれって言ってるんだけど、俺なんかには無理だよな?まだ俺15歳だぞ?また暴走し出してるみたいだ。」


とんでもないことを言い出したナナのことを笑い話のようにみんなに話したのだが・・・。


「それいいじゃない!うん、それいいと思うわ!」


まさかの母さんからの賛成。父さんが出来ないって言ったのに俺ならいいって、母さんも感覚がおかしいようだ。


「お兄様が領主・・・。確かにそれなら・・・。」


なぜかアイリスも賛成のような意見を出し始めた。いやいや、無理だろう?第一、俺は魔人殲滅のための貴重な戦力だと思うんだ、自分で言うのもなんだけど。


「「賛成!賛成!」」


フィーネとメイサも賛成のようだ。周りを見ると皆もうなづいている。


「坊っちゃま。この話、ぜひお受けください。我々も精一杯サポートさせていただきますので。」


使用人代表としてセバスが述べると、その後ろに勢ぞろいした我が家の使用人たちがこちらを見て、その後綺麗に頭を下げた。


俺は最後の希望と思って父さんを見るとなんとも微妙な顔をしていた。


この家の当主を差し置いて家族と使用人たちが俺が領主をやることに賛成しているのだ。そりゃ微妙な顔にもなるよな。


「ねぇ、やっぱり父さんがやってくれないかな?」


そんな微妙な顔をしている父さんに声をかけたのだが、父さんは首を振ってその案を却下した。


「ハートランド、正直俺にはお前ほどの才能はないからサポートはしてやれるが、領主は無理だ。それにこれだけみんなに期待されているんだ。やってみたらいいんじゃないか?あ、でもそこはどれくらいの規模の領地なんだ?領主経験のないお前に渡す領土だ。その辺はナナ様も考えてくださってるんじゃないのか?」


父さんに後押しされて、ちょっとやってもいいかな?って思い始めてきた。それに確かにどれくらいの規模なのかわからないと責任の重さが違う。ここはやはり聞いておくべきだろう。


(ナナ、やるやらないは別としてその領地はどれくらいの規模なんだ?)


(広さはそれなりにあるわよ。ほら、合宿で使う予定だった森があったじゃない?たどり着けなかったけど。ふふふっ。)


くっ!忘れかけてたことを思い出させやがって。でもあの時のナナの罪悪感は冗談として言えるくらいには癒えたようでそれは良かった。


しかし、森かぁ。綺麗にするってそう言うことか。じゃあ、今は住人もいないってことだろうか?


(あ、そうそう。森だからって誰も住んでないわけじゃないのよ?エルフとドワーフが住んでるんだけど、仲は悪いし、魔物も出るしで、やりたがる領主がいないのよ。だからあなたならうってつけじゃない?強さといい種族を気にしないことといい、シエラ先生とも仲がいいし。あ、でも先生はダークエルフだからちょっと違うのかしら?まあ、知り合いはいるだろうからその辺は先生に聞いてみて!じゃあ、そう言うことで準備進めちゃうわね!)


(お、おい!ちょっと待て!やるなんて言ってないぞ!)


確実に聞こえているはずなのに返事はなかった。この強引さがある意味ナナの魅力なんだろう。諦めるしかなさそうだ。


みんなに領地の事情を話し、俺がやらざるを得ない感じになってることを伝えると、みんなが思いの外喜んでくれた。


こんなことになるとは思わなかったが、ナナの国にお世話になるんだ。多少のお手伝いはしてやらなくちゃな。とりあえず、シエラ先生に森のこと聞いてみるか。あ、ナカジもひょっとしたら情報あるかもしれないから聞いてみようっと。


魔人討伐に加え、領地経営、世界会議の開催と差し迫った問題は多々あるが、一つ一つ解決していこう。時間はないのだから。

仕事との両立はなかなか大変ですね。この両立をこなして毎日更新されている作家さんを尊敬します。近づけるように頑張りますので、応援(ブックマークや評価)が励みになりますのでよろしくお願いいたします。

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