第7話
基本的に属性は6つ、しかも光と闇はレア、無属性なんて聞いたこともないらしい。
やっちまったなぁ、そういえばそんなこと言われてたっけ。
この世界で言う全属性持ちとは、火、風、水、土、光、闇の6属性を指す。そのうち、光と闇はレアで、光と闇を両方持っている人はこの世界でも数人。全属性持ちは歴史上でも数人しかいないらしい。
そして、無属性。これは聞いたことすらないと言っていることから、スキルの魔法創生があることで発現した属性ではないかと考えてみる。
『正解よー♡』
久しぶりに女神様からの通信?神託?
『魔法の才能欲しかったんでしょう?これなら誰にも負けない大魔法使いになれるわよー、このままいけばだけどね〜。』
ん?なんか不穏な一言が。
このままいけば?ん?ダメなパターンもあるのかな?女神アウロラにとってハルキは特別なのか?俺はどうなんだろう?
「女神様、一つ聞いていいですか?
このままいけばってどう言うことですか?」
『んー、知りたい?知ることで幸せになることも、不幸せになることもあるけど、聞きたいかな?』
女神様はこちらを迷わせることを言う。でも知らなければミスをするかもしれないし、事故を未然に防げるかもしれない。
「女神様、ボクは知りたいです。不幸せになるとしても事前に知っておけば防げるかもしれないので」
『ハルキくん、わかったよ。君の想いは本気なんだね!うん、わかった。教えちゃう』
なんか女神様のテンションが高くなったように感じる。
『じゃあ、思い切って言っちゃうね!
私以外の人を好きになったらダメだよ!チート減らしちゃうよ!』
『あはっ言っちゃった♡』
見たこともない女神に愛の告白をされ、気が向かなければチートがなくなると言う。あまりに理不尽な物言いに俺は立ち尽くすのであった。
女神様の衝撃の告白から数年、俺は母さん以外の女性に愛情を注ぐことなく過ごした。
女盛り?のメイド3人娘はもとより、魅惑的な女性に視線がいかないように常に警戒し、自分はまだ子供だと言い聞かせ、前世の記憶を極力出さないように過ごした。
そしていよいよ波乱万丈の学園生活を明日から迎えるという時が迫った。
入学するのは国立フェリス魔術学園。
魔法使いを目指す誰もが希望し、ある程度の貴族の地位がないと入れない学園。
洗礼式で素晴らしい成績、魔法属性を備えたものは平民であっても受講できるそれは、まさにエリートのみが入学を許可される学園である。
それぞれが期待を抱き、入学するのを心待ちにするところではあったが、全寮制であり、休み期間も少ないところであることから、ハートランドにとっては、自分の能力をさらけ出すかもしれない学園はある種の監獄に近いものを感じた。
世界最高峰の魔法使いとなりつつあるハートランドは10歳となっていた。