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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第50話

いつもアクセスありがとうございます。ようやく50話まで来ました。これも読んでいただける皆様のおかげです。ブックマークや評価をしていただけると励みになりますので、ぜひよろしくお願いします。

翌朝、俺たちはまたダンジョンに向かった。今回は20階層までの攻略を一応の目標としている。ある程度の情報は、昨日の夜にコスモとタケルから聞けたので、少し余裕がある。


「えーと、ナカジはいるかな?」


コスモに教えてもらったナカジがいるという店の前で、俺たちはナカジを探す。槌を振るう音が響いているそこは、他の冒険者もよく足を運んでいるらしく、一際人が多く感じた。

店先に並べられた武器や防具は、陽の光に反射しているのかキラキラ輝いているように見える。素人目に見ても質が良いものが並べられているのがわかる。


ナカジに似た体格の店員、彼もドワーフだと思われるその人に、ナカジのことを聞いてみた。


「ここにナカジってやつがいると聞いたんだが、今いるか?」


「あぁ、ナカジなら奥で作業している。作業中は悪いが話しかけることはできない。後にしてくれないか?」


うん、あっさり断られてしまった。まあ、仕事の邪魔しても悪いもんね。無理言っても駄目だろう。帰りにでももう一度、顔出すか。


せっかく来たのに残念だが、致し方ない。ダンジョン産の素材でも集めてからまた来る方が良いだろう。その方が、ナカジも喜んでくれるかもしれない。まあ、最高到達階層のパーティの一員のお眼鏡に叶うものがあるかどうかは怪しいところだけどな。


また来るとだけ伝えて、俺たちはダンジョン入り口に向かう。あ、そういえばやり忘れてたことがあったっけ。歩きながらやっておくか。


ダンジョン入り口の人に入場料を払って、10階層に繋がる魔法陣に向かう。


「おい!そっちは10階層クリアしてないと通れないぞ!」


この前の人と違うから、俺たちがクリアしてるのを知らないのかもしれない。


「あー、大丈夫だ。俺たちはクリアしてるから。」


俺たちは見た目に派手なものは身につけていないし、ぱっと見簡素な装備に見えるから、駆け出し冒険者のように見えるのだろう。まあ、実際、駆け出しなのは間違いないが、実力は多分、この周辺にいる冒険者の中では圧倒的だろう。

今日俺たちが20階層をクリアして出てきたら、どんな顔するのか、ちょっと楽しみになって来た。


魔法陣を抜け、11階層に降りる階段を進む。

「マップ」を展開し最短でクリアを目指す。


「確か11階層で出てくるのはファイヤーラットだっけ?どれくらいの威力なのかわからないから一応ゴーレム出しといてもらっていい?」


フィーネに尋ねると、嬉しそうに同意してくれた。ちなみにファイヤーラットは火を吐くネズミだ。大きさはカピバラくらいある大型のネズミで尻尾の先端に炎を纏っている。口から吐く炎がメイン攻撃であるみたいだが、尻尾を使った変則的な動きにも注意が必要とのことだ。魔法対策してないパーティには少ししんどい敵らしい。


マップ上にうじゃうじゃいるが、まずは1匹でいるやつから試していこう。対策ができてないうちに、複数で襲って来られると厄介だ。


「じゃあ、とりあえず行ってみますか?あの十字路を右に行くと、はぐれているのか1匹で行動しているやつがいるから、そいつから片付けていこう!」


先頭はフィーネのゴーレム、続いてムラト、ナナ、フィーネ、マユ、俺の順だ。後ろからの不意打ち対策に、一応俺が最後方にいる形をとってる。魔法メインのマユとフィーネは俺の前にいるが、他意はない。


「なあ、ゴーレムはどの程度戦えるんだ?肉弾戦はそこそこ出来るのか?」


フィーネのゴーレムの性能はいまいちわからない。擬態はすごいものがあるが、魔法はゴーレムが使ってるように見せて、フィーネが使っていたみたいだから、肉弾戦が主体なんだろうか?


「うーん、もう少し形を変えれば接近戦でもそれなりに戦えると思うけど、今は私をモデルにした形だから、強くはないと思う。」


「えぇ〜、それじゃあ壁役にもならないじゃん。もっと硬いやつに変えられないか?」


「うーん、出来なくもないけど、こういうことが出来なくなっちゃうよ?」


先頭を歩いていたフィーネのゴーレムが消え、俺の目の前に現れた。そして、フィーネとゴーレムが右腕と左腕にしがみつく。


「どう?私に挟まれてる感じは?」


ゴーレムなのに、なんでこんなに柔らかいんだよ〜。いや、そうじゃなくて、ダンジョンでこれする意味ある?


「いや、必要ない。早く元に戻してくれ。それと前衛を勝手に動かすな!」


俺は心を鬼にして、フィーネを叱る。


「ごめんなさい、ダーリン。喜んでもらえると思ったんだけど。」


うーん、見るからに凹んでる。でも大切なことだしな。言うべきことは言わないと何があるかわからない。誰かフォローしてくれないかな?ってチラッとマユを見ると、ニコッとかわいい笑顔をしてくれた。


「フィーネ、ここはダンジョンだから命の危険があるの。確かに私たちの実力ならそうそう負けることはないと思うけど、ハルキくんはパーティリーダーでみんなの命を預かっている立場なのよ。きっとハルキくんはそれを重く受け止めていると思う。だから私はハルキくんの負担を減らしてあげたいと思ってる。フィーネはどう?今の行動はハルキくんの負担を増やすことであって、助けてあげられてない行動に見えるんだけど?」


「うん、みんな本当にごめんなさい。私は間違ってた。ダーリンも迷惑かけてごめんなさい。私これからちゃんとがんばるよ。マユ、やっぱりあなたはいい人ね!ダーリンが好きになるのもわかる。でも負けないからね!」


マユがフォローしてくれてフィーネも真面目にやる気になってくれたし、万々歳だ。さすがマユ、いい女だ。


「ねえ、ダーリン。どういうゴーレムにすればいいかな?壁役っていうとトリスみたいな感じ?」


「いや、トリスじゃ弱そうだからもう少し大きくて頑丈そうな感じにしてくれ。」


トリスには申し訳ないが、盾役にしては線が細かったので、もう少し頑丈そうなのを頼んだ。フィーネは目を瞑り、ゴーレムの形を変えていく。あ、これって魔法創生みたいな感じだな、なんてそれを眺めていた。


新たに形取ったゴーレムはいわゆるオーガと呼ばれる魔物の姿だった。身長2メートルくらいで大楯を構え、頭にはツノが生えている。魔人だけあってイメージもそういったものになるのかもしれない。


「・・・どう、かな?」


恐る恐る聞いてくるフィーネにはちょっと、ほんのちょこっとだけだけど可愛く見えた。


俺はフィーネの頭に手を乗せ撫でてやった。


「っ!・・・♡」


「よし、これでいい。ありがとな。」


フィーネはあからさまに元気になったが、今度はマユがなんだか機嫌が悪くなった。うーん、女心はわからん。




キー!キキーッ!


ファイヤーラットは俺たちに気付くと、こちらへ向かって突進してきた。見た目のイメージよりもだいぶ早い動きだったが、対処できないスピードではない。そしてゴーレムにぶつかるかというところで、飛び上がり炎を飛ばしてくる。


ゴーレムの大楯でそれを防ぎ、その後ろからムラトが斬りかかる。ファイヤーラットの尻尾で迎撃するが、そんなものはムラトには通用しない。左の剣で尻尾を切り裂き、怯んだところを右の剣で一閃。11階層初の戦闘はあっけなく終わった。


ファイヤーラットの体から魔石を取り出し、水で洗い流す。親指程度の大きさのそれは赤く輝いていた。その魔石から魔力を吸い出すと火属性特有の魔力を感じられた。うん、これならいける。


先日の実験と合わせていけば、新たな戦い方ができそうだ。そのためにもこの階層で魔石を大量に集める必要がある。俺はマップに移るファイヤーラットの反応を確認し、殲滅することに決めた。


ゴーレムで足止め、ムラトで殲滅。この繰り返し作業は12階層まで続き、大量の魔石を手に入れた。ファイヤーラットで使えるのは体内にある火袋と呼ばれる部分のみ。名前の通り火属性の素材なので、耐火効果がある素材なんだそうだ。これを開き繋ぎ合わせて防具に貼り付けることで、耐火装備の出来上がりだ。まだ稼ぎの少ない冒険者がこの階層を攻略するため、購入するみたいで、そこそこ需要があるらしい。解体は主に俺が担当した。お陰でスキルも上がっているっぽい。数十匹こなしたあたりから、作業スピードも上がり、今では一体につき30秒程度で作業を終えられる。

いらない部分は通常燃やすか埋めるかしなければ、魔物が集まってしまい、他の冒険者に迷惑をかけることもあるが、ダンジョンに関してはダンジョン自体が吸収してくれるため、そこまで気にする必要がない。ひとまとめにしておいておけば、勝手に無くなる。ダンジョンさまさまだ。


13階層からは別の魔物が現れた。決まった形を持たず、プルプルした見た目で襲いかかってくるあいつだ。RPGゲームで定番の雑魚キャラ、スライムだ。


このスライムなんだが、この世界ではなかなかの強さを誇る。素早い動きと体に宿す酸で、装備を溶かすし、透けて見える核以外の部位は打撃無効。魔法で倒すか、核を刺突するしかない。ムラトの剣は叩き斬ること前提の使用で、刺突に向いていない。


身体強化の拳でもうまく核をずらされて効果がない。ここは俺の指弾と、フィーネの土魔法で攻めていくのが良さそうだ。


「フィーネ、土魔法での攻撃方法教えてくれるか?」


「うーん、スライム相手だったらストーンランスかな?」


ストーンランスはいわば石の槍を飛ばす魔法だ。フィーネはどの程度の数を出せるのかはわからないが、指弾と併用すればそれなりの数のスライム相手でも対応できるだろう。


「じゃあ、俺とフィーネが前に出るから、ナナとムラトは最後尾を頼む。」


後ろから攻撃されてもムラトがいればなんとかなるだろう。


この時の俺の判断が、誤っていたと感じるのに時間はかからなかった。


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