第5話
「まずはこれを見てくれ。」
父さんは真新しいステータスカードをセバスに差し出す。恭しく受け取るとセバスは目が飛び出るのでは無いかと言うほどに驚愕の表情をする。
何事かとメアリーはセバスの手元を覗き見る。
これまたマンガのように三角メガネがずり落ちて、目が飛び出るかのようなリアクション。
「ブフッ」
耐えられず吹き出してしまった。
そんな俺を母さんはジト目で見ている。
いかん、いかん、人ごとではないんだ。
気を取り直して表情を作る。
セバスは一歩二歩と後ずさりながら背骨がグニャッとなったのかと思うように床にヘタリ込む。こんなセバス見たことない。
数秒遅れて、全く同じ動きをメアリーがしたもんだから
「ブフッ」
またやってしまった。
母さんの目が怖い。
「はぁ〜っ。ハーちゃんはまだ5歳だもんね。これがどんなにすごいことかわかってないんだね。」
「仕方ないだろう。ハートランドは初めてステータスカードを見ただろうし、意味もよくわかってないんじゃないか?」
母さんと父さんはそんなこと言ってる。この世界では5歳でも実年齢?というか人生35年目の自分の方が長く生きてる。それがどんなにすごいことかもわかってる。この世界の常識はまだ知らないことだらけだけど、事情は察せる。
ハートランド・バーナー
年齢 5歳
職業 女神の寵児
HP ×××/×××
MP ×××/×××
属性
女神権限により表示不可
スキル
女神権限により表示不可
ね?これってだいぶヤバイよね?
こんなの晒された日には、祭り上げられて大変なことになっちゃうのは、目に見えている。
ちなみに俺自身にはちゃんと属性もスキルも見えるが、他の人には表示されなくなる仕様のようだ。さすが女神、だけどこれって見えない分、余計に厄介かも。ちなみにこれが俺が見えるステータスカード。
ハートランド・バーナー
年齢 5歳
職業 女神の寵児
HP 500/500
MP 5000/5000
属性
火魔法 レベル0
風魔法 レベル0
水魔法 レベル0
土魔法 レベル0
光魔法 レベル0
闇魔法 レベル0
無属性魔法 レベル0
スキル
無詠唱 レベル0
魔法創生 レベル0
即死耐性 レベル10
物理耐性 レベル5
痛覚耐性 レベル5
魔法耐性 レベル0
幻惑耐性 レベル3
身体能力強化促進 レベル2
まあ、すごいチートだよね。何がすごいって魔法だけじゃなくてスキルもチート。即死耐性なんて何もしてないのにレベル10だし。
ちなみにレベルは
1〜3初心者
4〜5中級者
6〜8上級者
9 超越者
10 神級者
と呼ばれるらしい。魔法にしてもスキルにしても使わない限りレベルが上がることはないということみたいだが、いくつかレベルが上がっているのが不思議だ。
『転生ってある意味死んでるから即死耐性付いてるんだよ!』
女神様またもや登場。ってか直接話しかけられるんなら、洗礼式の時、なんで母さんに乗り移ったんだろう?
『それはねー、初登場シーンには演出が必要でしょ?あとはせっかく2人の出会いなんだから、思い出に残るようにしたいじゃない?』
なんか嬉しいかも。女神様、そんなに俺のこと、、、。
『か、勘違いしないでよね?あんたなんか好きでもなんでもないんだから!」
ごちそうさまです!俺の言われてみたい台詞ランキング1位いただきました!
『なんか悔しい!本当にそんなんじゃないんだからね!本当に勘違いしないでよ!あたし帰るからあとはしっかりやりなさい!』
女神様は去っていったようだ。心で話しかけても返事はない。でもね〜、勘違いするなって言われても、俺の職業欄見たら、愛されているのがわかる表記があるし、あながちハズレでもないと思う。
そんなこと思ってたのが、顔に出ていたようで、母さまはご立腹だ。
「ハーちゃんはなんでニヤけてるの?今、大事なお話し中だよ!」
そうだった。1人の世界に入ってしまっていたようだ。
「とにかく、このステータスカードは誰にも見られるわけにはいかない。2人に見せるかも迷ったが、今後のことを思えば、2人に知っておいてもらった方が何かと都合が良い。くれぐれも内密に、そしてハートランドの力になってやってくれ。」
父さんは机に頭をぶつけるほど、母さんも同じように深く深く、2人の使用人に頭を下げた。
それを受けてセバスとメアリーも深く深く頭を下げる。静寂が部屋を包む。そんな中1人頭を上げている俺は
(あー、俺って愛されてるなぁ、この人たちのためにも俺はこの世界でしっかり生きていこう)
そう心に誓うハートランドだった。