第42話
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「これがダンジョンかぁー、ずいぶん人がいるんだなぁ。」
街から2時間かかってしまったが、なんとかたどり着いた。俺たちの身体能力なら30分も走れば着くと思っていたのだが、地図が見れなかったのもあり、迷いに迷って結局この時間かかってしまった。ダンジョンから魔物が溢れたときのために、街からダンジョンまでの道はきれいに整備されていない。道無き道を進んできたので、迷ってしまうのは仕方がない、と思いたい。
ダンジョンの周辺は出店のようなものが出来ており、冒険者風の人たちがその出店で色々買っている。食料、ダンジョンマップ、武器、防具の整備等、冒険者相手の商売になりそうなものは一通り揃っているようだ。
このダンジョンはそこそこ大きいらしく、ダンジョン都市ほどとはいかないまでも、それなりに稼げるところらしいので、人が集まってきているそうだ。ここの最高到達階層は地下30階。Aランク冒険者パーティが先日更新したばかりとのことだ。10階層ごとに魔物の強さが変わるらしく、ほとんどのパーティは10階層のボスで足止めを食らうか、ボスを倒せても11階層から出てくる、魔法を使う魔物の対応が出来ずに階層攻略が進まないらしい。そんな状況であってもそこそこ稼げるのだから、魔物の素材や、まれに出現する宝箱から出てくるダンジョン産のアイテムには魅力があるのだろう。
ダンジョン入口には騎士のような格好をした人が立っていて、受付をしているらしい。一回の入場料は1人銅貨5枚取られるそうだ。安いとはいえ何度も利用すればそれなりにかかるから、一回の入場でそれなりに成果を持ち帰りたいものである。10階層クリアすると2つの転移魔法陣があるので、それを使って下の階層へ行くか、この場所に戻ってくるか選べるらしい。どういう仕組みなのかわからないが、こちらから転移魔法陣に乗っても、クリアしていない階層には行けないらしい。クリアしていれば10階層ごとに進めるというので、一回の入場で10階層づつ攻略していくのが良いかもしれない。
というわけで、今回は10階層まで攻略してみようと思う。10階層のボスはオークジェネラルというオークの強化版らしいので、このメンバーなら負けはしないだろう。
まずはソナー2を使い周辺を調査。これでダンジョンの中まで分かるようなら、ダンジョンマップはいらない。結果から言えばダンジョン周辺の人の気配は分かるが、ダンジョン内の様子はわからない。
やはりダンジョンマップ買っておく方が安全かもしれない。
ん?マップかぁ。マップは魔法で作れないかな?あれ、今までソナーは自分の魔力を放出していたけど、周辺には魔力が満ちているんだからその魔力を感じ取れれば、ひょっとして、、、。
みんなは出店で何を買うかを相談している。もちろん、俺もその話に加わっている。だが脳トレの効果かみんなと話しているのに、マップが作れないかと考えている自分がいる。同時に2つのことが考えられるようになっている。話しながら魔法創生出来ないかやってみる。
周辺の魔力を感じる。ぼんやりとマユの周りにある魔力を感じ取ることができる。拳に魔力を纏えば攻撃力が上がる、目に魔力を集めたら視力が良くなって、魔力が見えないだろうか?魔力が見えるようになれば、感じるよりも目で見て判断できる分、いいかもしれない。目に魔力を集め視力を強化、魔力を視ることが出来るか出してみよう。
集中、集中。
その状態で隣にいるマユを視てみるとマユの体を覆う魔力が見えた。
おぉー、これはすごい。魔力が覆っている部分とそうでない部分が分かれて視えるので、ソナー2をのように立体に視える。ナナを視てみる。
「うわぁー!」
声を上げてしまった。ナナを取り囲む魔力の量が尋常じゃない。あれ?でも俺はナナより魔力量多いんだから、もっとすごいってこと?これ魔力が見える人がいたら俺が化け物に見えるのではないだろうか?
「人のこと見て、叫ぶとか失礼じゃない?」
ナナ様のお怒りを受けてしまった。魔力がさらに膨れ上がっている。ただ、これはなかなか使えそうだ。相手の魔力量が視て力量を判断できるし、魔法を使えば魔力の変化で分かる。おぉー、なんかいいこと発見してしまった。
「ちょっと!今度はニヤけるとか本当に失礼!」
いかん、とりあえずなだめておこう。魔力を使うだけだから、身体強化に近いんだからムラトにもやらせてみよう。
ナナにちょっと実験をしているから、ムラトで試すからとなだめて、ムラトに耳打ちしてやり方を教える。これでもしムラトも使えるようになれば、先頭でかなり有利になる。
「うわー!!な、なんだこれ?!」
ムラトは俺を視て俺以上に大声を上げてしまい、周囲の注目を浴びてしまう。
俺たちは人が少ないところに移動し、魔力が視えるかの実験をしたことをナナとマユに教えた。
だが、俺とムラトでは見え方が違うようで、ムラトは人を覆っている魔力は視えるようだが、大気中にある魔力はハッキリ見えないらしい。イメージがしづらいからかもしれない。俺には大気中に漂う魔力が視えているので、そういうことなんだろう。試しにナナとマユにもやらせてみた。
「・・・化け物。。。」
ナナは俺を視てそう言った。
「えーと、ナナさん、その一言だけっていうのは流石に傷つくんですが、、、。」
「あー、そうね。ごめんなさい。魔力はあると思っていたけど、まさかそんなに溢れ出てるなんて思わなかったから。」
ナナに強烈なボディブローのような精神的ダメージを食らったが、マユにも出来るか促してみる。
「えっと、体の魔力を感じて目に集めるんだよね?で、ハルキくんをみるっと、、、。」
「ど、どう?なんか見える?」
「うーん、見えないみたい。」
「えっと、俺の周りにモヤのようなものって見えない?俺の周りにあると思って見てみて。」
「あっ!これ見えてるのかな?なんか白っぽいものにハルキくんが包まれている気がする。」
「そう!それが魔力だよ!他の人も見てみて、あとは何もないところにもうすーく白っぽくみえないかかも見てみて。」
「あ、うん、視えるよ。うすーく白っぽいやつ。」
どうやらマユには大気中のものも視えるらしい。
ムラトやナナも俺の発言に合わせてやっているようだが、視えないようだ。
「あ、でも、ハルキくんの周りは何だかんだ光って視えるよ。それでその周りを白っぽいもので包まれているみたい。」
「ん?光ってる?」
ムラトやナナも視てみるが光ってるようには視えないらしい。俺も目を凝らして自分の腕を視てみる。
「眩しいっ!なんだこれ?」
今まで視えなかったのに、マユの発言から俺をみると確かに光っている。周りを見回しても他に光ってる人は見当たらない。今のところ、俺とマユだけだし他の人がいたら検証するか。
あれ?そういえば以前俺のことを光ってるって言った人がいたような?まあ、そのうち思い出すか。
まあ、でも空間魔法を使うマユだからこそ大気中の魔力を認識できたのかもしれない。これがきっかけで、マユの魔法の幅も広がるかもしれないから、よしとしよう。ちなみに同じ要領で、足や腕に魔力を集めて身体強化を教えてみたが、多少は強化されたが、身体強化と呼べるほどのものではなかった。これはまだ練習が必要なようだ。
さて、魔力が視えるようになった俺は、それと並行して先ほど試していたマップが作れないか試していく。大気中の魔力を探っていくと森の木々や岩にもごく少量ではあるが魔力があるのが分かる。これを利用していけば、うまくいきそうな気がする。
「(魔法創生)」
心の中で念じて組み上げていく。
人や魔物、植物、無機物、わかりづらいので色分けしていく、人は青、魔物や獣と言った人以外の生き物は赤、植物は緑、無機物は白といった具合で分けていく。だいぶ良い感じのイメージだ、ん?人の形をした赤があるなぁ?これは何だろう?んーまー後でいいか、だいぶ形になってきた。この辺りの地形なんかもわかるし、どこにどれくらいの人がいるかもわかる。こんなもんだろう。
『マップ』
この魔法の名前はこれがいいだろう。あとはこれがダンジョンでも使えるかどうかだな。
とりあえず、食べ物と飲み物、それと念のためにテントを2つ購入し、マユに収納してもらう。俺のアイテムBOXは素材管理用にしておこう。なるべく分けておいたほうがいいもんな。準備を整えた俺たちは騎士然とした人に入場料を払い一階層に降り立った。さて、新しい魔法を試してみるか。
『マップ』
よくわからない場所もあるが、十分機能するようだ。あとは細かい部分を確認していこう。さっきの赤い人型も他の人間に混じってダンジョン内にいるようだ。直接みれば何かわかるかもしれない。警戒だけは怠らないようにして、まずはあいつの近くにいる魔物。おそらくゴブリンだろう。あいつを避けるように逃げて来る奴らから狩っていこう。
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