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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第39話

ギルドに向かう俺たち4人。そしてナナの護衛たち。目立ちすぎる。


「なあ、ナナ、ムラトと一緒に待っててくれないか?これじゃあ目立ち過ぎて困る。」


俺はそう言ってナナが引き連れている護衛を見る。


「イヤよ。またいなくなっちゃうかも知れないじゃない。」


ナナはなんだか子供っぽくなってる気がする。ムラトに視線を合わせると、目をつぶって首を振っている。困っているように見えるが、心なしか嬉しそうにしているように見える。


「じゃあせめて、護衛をなんとかしてくれ。俺とムラトがいればなんとかなるだろう?」


「そうね、わかったわ。じゃあ私たち4人だけで行きましょ。」


ナナはそう言って護衛達に指示を出し、宿屋で待機させるようだ。俺が冒険者登録するだけなのにみんな付いてくるとか本当に困ったものである。まあ、心配してくれているのはわかるけどね。



ギルドは町の中心にある大きな建物で、近くの森で魔物が出るということもあり、それなりの規模を誇っていた。


冒険者の数もこの辺りでは多く、危険もあるが稼ぎも大きくなる仕事のため、各地から集まってきているとのことだ。


今回は冒険者登録とマユとのパーティ登録。そしてどんな依頼があるかの視察だ。依頼は朝一が一番多く貼り出される。今日は朝からバタバタしてしまったこともあり、割りのいいものはなくなってしまっている可能性が高いが、視察だからまあ、だいたい分かればいいだろう。


ギルドで仕事のしたことのあるマユが扉を開け案内してくれる。俺はその後を一緒に歩いて行くが、マユに声をかける冒険者が多い。


「マユリちゃん、またパーティ組もうね!」


「一緒にいる男どもは誰?」


「う、美しい。後ろにいる人はマユリちゃんの知り合い?」


マユは人気者のようだ。それが俺たちを連れているもんだから、俺やムラト、ナナに対する質問まで飛んでくる。


それをマユは軽くあしらって、受付まで進む。やっかみのような視線を感じるが無視だ。



受付には黒ベースに白いレースが施された給仕服ような格好の若い女性が立っていた。

ふくよかな胸と茶色の髪と目の色が特徴的だ。獣の耳もないし、尖った耳もないので、おそらくふつうの人族だろう。


「ミレーユ、冒険者登録したい人がいるんだけど、お願いできる?」


「後ろの3人とも?」


「この人だけなん・・・」


「そうよ。3人ともお願いね!」



マユが俺だけ登録と言おうとしたら、ナナが話に割り込んできた。


「いやいや、ムラトはいいとしてもナナは駄目だろう?」


俺がナナを説得しにかかるがナナはなかなか引いてくれない。


「(ナナは一国の女王だろ?さすがに冒険者登録なんて出来ないだろう?お前説得しろよ!)」


と周りに聞こえないようにムラトに耳打ちするのだが、「無理」の一言で一蹴される。

いや、無理じゃなくて、問題になるだろうよ。

どうにかしろ!


「ナナ、君には大切な仕事があるだろう?それをほっぽり出して冒険者やるのはマズイんじゃないか?」


ムラトに頼らず自分で説得を試みる。


「大丈夫よ。そっちの方は手を打ってあるから。ずっとは無理だけど、先生が国に帰るまでくらいなら大丈夫。」


「(それに、冒険者になっておく方が色々やりやすいこともあるから。)」


後半は耳打ちしてこっそり言ってきた。いい匂いがするとか思ってないのに、マユとムラトの視線が痛い。本当に思ってないよ、、、ちょっとしか。


マユは早々に諦めたらしく、登録用の用紙を3枚と引き換えに銀貨3枚を払っていた。

お金の説明が抜けていたので、記載しておくと


銅貨1枚が100円


銅貨100枚で銀貨1枚で1万円


銀貨100枚で金貨1枚で100万円


金貨10枚で白金貨1枚で1千万円


前世で考えるとこんな感じだ。



記入するのは名前と年齢、魔法属性だ。


俺は



名前 ハルキ


年齢 15歳


魔法属性 無属性



と記入した。


その紙と引き換えにミレーユはギルドカードと呼ばれる金属のプレートを渡してきた。


「そちらのプレートに血を一滴垂らしてください。それで登録完了です。」


言われた通りにナイフを使い指先を刺そうとするが、魔力が邪魔して刺さらない。仕方ないので意識して指先から魔力を移動させ、チクっと刺す。

なんとかギルドカードに血を垂らせた。


「ねえ、今のなんか変じゃなかった?はじめナイフが刺さらなかったような?」


「気のせいじゃない?」


ミレーユはマユにそう同意を求めたようだが、うまくごまかしてくれたようだ。


後でマユを始めムラトやナナにも説明しておかないとな。


ギルドカードはその素材によってランク分けされるそうで、俺は登録したてのEランク、銅のプレートだ。なんだか学園のクラス分けと同じEランクってことで嬉しくなってしまった。

ランクによって受けられる依頼のランクも変わるそうで、自分のランクより一つ上までのランクが受けられる。Eランクには主に魔物討伐といった討伐系と呼ばれる依頼はなく、薬草採取や工房の手伝いとか、比較的簡単なものが多い。それを一定の数をこなし、依頼主からの評価が一定以上なら次のランクに上がれるらしい。

この「一定」というのが曲者で、ギルドの判断によるものが大きいのだとか。極端な話、1個しか依頼をこなさなくても評価が最大級に良ければ上がれるし、10個依頼をこなしても評価が悪ければランクアップはない。

ある程度、まともなやつでないと上に上がれないようなシステムになっているらしい。そうでもしないと、素行の悪い奴がギルドランクを上げるのを止められないからだそうだ。


次にギルドカードに表示されるのは


用紙に記入した名前、年齢、魔法属性と犯罪履歴、そして冒険者ランクだ。登録者の魔力をプレートに通せばHP、MP、魔法の種類やスキルなど自分が今、どういう状態なのかを知ることができるらしい。

試しに魔力を通して自分の能力を確認してみる。



ハルキ


年齢 15歳


属性 無属性


犯罪履歴 なし


冒険者ランク E


HP 2500/2500←UP!

MP 20000/20000←UP!


無属性魔法 レベル5←UP!

・ソナー2 レベル3←UP!

・ブースト レベル3←UP!

・ドレイン レベル4←UP!

・サイレントドーム レベル3←UP!

・魔力回復促進 レベル3←UP!

・魔力吸収 レベル1←new!

・指弾 レベル1←new!

・魅了 レベル2←new!

・空間転移 レベル2←new!

・透過 レベル1←new!

・複製 レベル1←new!

・召喚 レベル1←new!


スキル

無詠唱 レベル3←UP!

魔法創生 レベル4←UP!

精神耐性 レベル2

バーナー流剣術 レベル5

直感 レベル2

思考 レベル1



なんだか随分強くなっているが、合宿前の授業でみんなが持ってた特殊魔法を魔法創生で作って覚えていたし、でたらめに魔法を使えるようになっていた。あ、ちなみに合宿に参加できなかったサリの絵画魔法については俺の画力がなかったために、モノにできなかった。残念!

逃げ出してからは魔法を使っていなかったが、先のゴブリン戦で随分と成長していたようである。HPに関しては力仕事が多かったので、体力的に強くなったのかもしれない。


ついでなので、他の人たちのも教えてもらった。



マユリ


年齢15歳


属性 闇属性、無属性


犯罪履歴 なし


冒険者ランク E

HP 1000/1000

MP 3000/3000


闇魔法 レベル2

・暗闇 レベル2

・バインド レベル1


無属性魔法 レベル2

・空間転移 レベル2

・収納 レベル2


スキルについては恥ずかしいといって教えてくれなかった。どんなスキルなのか気になるが、教えてくれるまで、じっくり待とう。恥ずかしがってるマユを見れただけで今は満足だ。



ムラト


年齢15歳


属性 無属性


犯罪履歴 なし


冒険者ランク E

HP 3000/3000

MP 4000/4000


無属性魔法 レベル3

・身体強化 レベル5


スキル

双剣術 レベル5

物理耐性 レベル3

騎士の心 レベル3

一心不乱 レベル3



ムラトに関しては魔法は身体強化のみだが、HPが俺以上、魔力量はマユ以上としっかり鍛錬してきたのが伺える。双剣術はともかく、物理耐性は絶対ナナに殴られすぎてついたものだと思う。他のスキルについてはナナへの愛がスキルの発現に関わっていると思える。ムラト曰く一種の成長補正らしい。



ナナ


年齢15歳


属性 無属性


犯罪履歴 なし


冒険者ランク E

HP 5000/5000

MP 8000/8000


無属性魔法 レベル3

・魅了 レベル3

・威圧 レベル3


スキル

・物理耐性 レベル3

・魔法耐性 レベル3

・毒耐性 レベル2

・幻惑耐性 レベル2

・女王の威厳


ナナは家名を隠して、名前だけで登録した。後々面倒になりそうだし。それにしてもこの方は、はっきり言って強すぎである。ただ、多くの耐性を持っていることからも、昔の俺のように勝手に与えられたものではなく、様々な方法で襲撃を受けた結果だと思うので、少し悲しくもある。ムラトがいるとはいえ、一緒にいる間は俺も気をつけていこうと思う。


とりあえず、全員の登録は済んだ。パーティも仕方なくナナとムラトを加えて登録した。

俺たちは依頼が貼り出してある掲示板に向かい、どんな依頼があるのか確認していたのだが、俺たちに話しかけてきた奴がいた。


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