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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第31話

あれから2ヶ月。


午前中は魔力量アップのため闘技場での訓練、午後はオーロラ先生の魔法講義と俺による読み書きの授業により、Eクラスの実力は確実に伸びていた。このままではSクラスの方がヤバイとシエラ先生はそちらにかかりきりで、うちのクラスに来ることはほとんどなくなった。

これだけ聞くと順調と思われるが、いくつか解決していない問題があった。

それは攻撃手段である。


クラスのみんなは魔力量も増え、魔力効率も高まり、魔法もいくつか覚えた。だが、攻撃魔法となるとオーロラ先生の風魔法くらいで、俺とムラトは身体強化魔法、ナカジは複製魔法、ナナは魅了魔法、そして魔力量が上がったマユリちゃんは空間魔法(短距離転移)と闇魔法による目くらまし、「暗闇」が使えるが攻撃は物理に頼るところが大きい。


そうそう、休んでいたクラスメイト5名のうち2人は貴族でEクラスは恥ずかしいと親御さんから退学の申し出があったそうだ。バカな奴だ。体裁にこだわり本来であれば強くなれたのに、子供がかわいそうである。ほかの3人はコスモ、タケル、サリ、みんな平民で種族的にもみんな普通の人間だ。それぞれ召喚魔法、透過魔法、絵画魔法が使える。


召喚魔法は契約した魔物を召喚できるのだが、魔物に出会うため方法は魔の森、ダンジョン、そして奴隷商からの購入である。どれも子供がすぐにできるものではない。


透過魔法は文字通り透過、相手から見えなくなる魔法だが、魔力量の消費が多いらしく一定時間しか消えることができないため、今のところまだ微妙である。


絵画魔法は描いたものを実体化出来る魔法だが、画力によって能力に差が出るため、魔力量と画力の向上が課題だ。


このEクラスの生徒の魔法はいずれも6大属性に関係なさそうなので、試してみたら魅了、空間、模倣、召喚魔法は使えたが、透過と絵画魔法は使えなかった。何かしら制限があるようだ。


模擬戦を1ヶ月後に控えて、戦闘手段を模索していかなくてはならない。まあ、俺、ムラト、ナナに関しては身体能力の基礎性能が高いので負けないとは思うが。あと、オーロラ先生も魔法に関しては天才的なので、大丈夫だろう。

残りのメンバーをいかに勝たせるようにするべきか、やっぱりあれしかないだろう。



「みんな聞いてくれるかな?模擬戦まであと1ヶ月。そこで合宿を行いたいと思う。」


そう、対決の前には特訓、合宿が定番だよね。問題はどこでやるかなんだけど、、、。



「どこか合宿に最適な場所ないかな?みんなの意見を聞かせてほしい。」


「魔の森とかダンジョンは?」


オーロラ先生が真っ先に意見を言う。


「うーん、魔物との戦闘を行えると言う点はいいんだけど、誰か野宿したことある人いる?」


「はい!はい!はい!あたしあります!この学園来る前にお金なかったからよくやってた!」



ドン引きである。あ、もちろんオーロラ先生ね。



「先生、私、野宿はちょっと。そう言うことなら私の国はどうですか?馬車で3日くらいかかるけど、途中の街で宿も取れるし、魔の森ほど危険はないけど、お城の近くに森もあるので。」


「良さそうだけど、ボク達だけで国を出て、ナナの国とはいえ他国に行ってもいいんだろうか?そこはシエラ先生に相談しないといけないかもね。」


「ほかにどこか候補あるかな?」


危険が少なく、今のこのクラスの力を発揮できるところだと限られてくる。ましてや、ほかのクラスに今の力を見られるわけにはいかない。模擬戦まではできる限り秘密にしておきたいのだ。その点、ナナの国なら色々口止め出来るし、他の生徒に見られる心配はない。あとは許可が下りるかどうかだけだ。許可取りやすいのはシエラ先生についてきてもらうって手段だけどSクラスのこともあるだろうし、、、。最悪Sクラスとの合同?


その時、急に扉が開き


「合宿やるわよ!合宿!」


シエラ先生が興奮気味に入ってきた。


シエラ先生は俺を見てウインクする。


うっ!思わずドキッとしてしまった。


この先生、今のうちらの話聞いてたな。

タイミングが良すぎる。


「で、合宿なんだけどSクラスとの合同でやるわよ!場所はダンジョン都市よ!」


「ちょ、ちょっと勝手に決めないでください!」


「え、だってこのクラスも私が見てるようなもんだから一緒に行かないと色々不都合でしょ?」


こっちの弱みに付け込んで、押し通す気だな。そうはさせない!


「いえ、場所はアストラムでやりたいと思います。ナナの実家ですし、Sクラスにはこのクラスの力を見せたくないので。」



検討はしたが、やっぱり手の内は見せたくない。しかもダンジョン都市なんかで合宿すれば目立ちすぎてしまう。Sクラス以外にも警戒される恐れがある。出来れば万全を期して戦いたい。



「んー、でも合宿するには引率する先生が必要じゃない?」


「ボクとオーロラ先生がいれば大抵のことは対処できます。どうしても大人が必要なのであれば、両親に事情を話して手配してもらいます。」


「くぅーっ!どうしてそんなに私と行くのに反対するのよ!」


「いや、そうじゃなくて、先生はSクラスの担任だから。」


「もーう!じゃあ担任変えてもらう!私もハートランドくんと合宿行きたい!」


「あ、あの先生、だいぶキャラ変わってますけど。。。」



「はっ!ん、今のは忘れなさい!みんなもよ!わかった?!」



背中に魔力のオーラと般若が見える。

自分で墓穴掘って脅しにかかるとは、本当にキャラ壊れてきたな。はあーっ。



学園長に話し、ナナの護衛にアストラムから人を派遣してもらうこと、クラスメイトの両親に許可が取れたものだけと言う条件を出されたが、サリ以外全員クリア。オーロラ先生の目が泳いでいたのは気になるがとにかく許可は下りた。いじけているシエラ先生に軽くフォローを入れて、俺たちは3日後に2週間の合宿遠征に向かうことになった。


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