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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第30話

俺はムラトを連れて、俺の研究室へ。その間はもちろん無言だ。何も言わずにムラトは付いてくる。


「ここで話そう。ここなら2人だけで話せる。」


「(サイレントドーム)」


「で、話ってなんだ!」


ムラトは今にも噛みつきそうな顔をしている。


「まあ、落ち着け。単刀直入に言う。」


呼吸を整えて大声で叫ぶように


「俺はマユリちゃんを好きになってしまったみたいだ!だから協力してください!」


「・・・はぁーっ?」


「だから、俺はマユリちゃんが好きなんだよ!お前はナナが好きなんだろう?だったらお互い協力しあったほうがいいだろう?」


「ば、お、お前、俺がナナに惚れてるってなんでわかった?!」


「はあーっ?あんたバカーっ?」


弐号機パイロットばりに言ってやる。あの態度で誰も気付いてないと思ってるとはおめでたいやつである。


「ムラト、残念だが、みんな気付いていると思うぞ。お前、感情隠そうとしないもんな。ちょっと俺がナナのことかわいいなって思うだけで、俺のこと睨んでくるし笑」


「つ、つーかお前!普段はボクとか言ってるくせになんで俺とか使ってんだよ。猫被ってやがったのか?」


「今はそんなこと関係ないだろう?で、どうするんだ、協力してくれるのか、しないのか?協力してくれるなら俺もお前がナナとうまくいくように協力してやる。お前が強くなりたいなら力を貸すし、頭よくなりたいなら勉強も教えてやる。どうだ?」


「・・・ほ、本当にナナのことはなんとも思ってないんだな?」


「あー、安心してくれ。ナナはかわいいが俺が好きなのはマユリちゃんだ。」


「ふぅーっ、そうか。ならいい。協力してやるよ。だ、だからお前も協力しろよ。」



がっしりと握手する。


「これからよろしくな!」


「あ、早速だけど、さっきの実験の話なんだけど、マユリちゃんに試す前にやっぱりお前が実験台になってくれない?」


「はあっ?まあ、構わないが、シエラ先生いないけど大丈夫なのか?」「あー、まあ、あとで怒られるかもしれないが、いきなり好きな子に魔法の実験台になってもらうのはちょっとな。ただし、これがうまくいけば、今後お前は飛躍的に強くなる!」


「わかった。やってくれ。俺は強くならなくちゃいけない。ナナを守れる強さが欲しい。お前に負けない力があれば、大抵のやつからは守れそうだしな。」


あー、こいつは本当にナナが好きなんだなぁ。まっすぐなやつだ。こういう奴は嫌いじゃない。むしろ憧れる。たぶん、自分より強いのを本能的に感じ取って、ナナに近づいてきた俺を警戒してたんだろう。ただ、こいつにはもっと誰にも負けないような自信を持って欲しい。余裕がないんだろうな。


「なあ、ムラト。ナナを守れる強さってどれくらいだ?」


「ナナは一国の姫だからな。色々と狙ってくる敵がいるんだよ。まあ、大抵の敵はナナに撃退されてるけどな。」


「え、ナナって強いの?魅了魔法で撃退ってわけじゃないんだろう?」


「あー、あいつは強い。ナナを狙う敵は当然魔法対策してくるが、素の強さで撃退する。何せヴァンパイヤだ、基礎能力は圧倒的だ。悔しいが素手での勝負じゃまだ俺はナナに勝てない。」


「そうか、お前の身体強化も相当だと思うんだが、ナナも身体強化使うのか?」


「いや、使えない。それでもナナは強い。使えたら一生勝てる気がしない。まあ、あいつは戦闘自体が嫌いだし、人を傷つけたくないと思ってる。襲ってきた相手でさえも。だから魅了なんていう戦わなくていい魔法が身についたのかもしれないな。」


「だから、、、あいつに降りかかる火の粉は俺が消す。あいつが戦闘しなくて済むように。」



「おまえ、カッコいいな。よし!おまえを絶対強くしてやる。協力は惜しまない!お互い強くなってやろうぜ!」



「ああ、よろしく頼む。じゃあ早速やってくれ。」



まず、ムラトには身体強化を使って魔力を消費してもらう。魔力障壁もちゃんと展開する。

ちなみにムラトのMPは500くらいらしい。だいたい他の生徒の半分くらい。Sクラスと比べれば4分の1。獣人ならこんなものなのかもしれない。ただ、獣人であるムラトの身体能力は高い。魔力量が上がり、俺と同じように身体強化が使えるようになれば、基本性能の差で負けかねない。まあ、俺は他の魔法も作って負けないようにするが。


よし、やるか。ムラトが魔力切れの症状が見え始めたところで魔法を展開。


そこに座ってればいいから、イスを差し出しムラトに座らせる。


「魔力回復促進」


ムラトの周りを魔力に満ちた箱で囲む。


「ムラト、どうだ?苦しかったりしないか?」


「あ、あーちょっと耳が痛い気がするが耐えられなくはない、だがなんだこれ?凄い勢いで魔力が回復してるのがわかるが、、、

あ、ちょ、も、もういい!もう回復したから!」


すぐに解除する。


「ウソだろ?まだほんの数秒だぞ?そんなんで満タンになったのか?」


ムラトに尋ねると、


「おまえがやったんだろうが?」


「いや、自分でしか実験したことなかったから、どれくらいで回復するかは個人差があるんだ。」


思った以上に早く回復できたようだ。


「ムラト、おそらく今のでおまえの最大魔力量は若干上がったはずだ。試してみよう。さっきと同じように身体強化使ってみてくれ。」


実際に試してみると身体強化の効果時間は長くなっていた。よし、なんとか成功かな?これを繰り返していけば、みんな魔力量はかなり増えるぞ。


ムラトも実感があるようで俺に対する刺々しい態度は改善された。ナナとマユリちゃん、お互いの利益のために。。。



教室に戻ると、俺とムラトが仲良く話しているのを見たシエラ先生以外の面々は目を丸くしていた。そしてムラトへの実験が成功したことを報告すると、やはりシエラ先生には怒られた。


明日からみんなにもこれで魔力量アップしてもらい、3ヶ月後の模擬戦に挑む。ただ1つ、問題があるとすれば


「ハートランド先生に魔力量あげてもらって、オーロラ先生に魔力効率のこと習った、この前効かなかった魅了も先生に通じるかしら?」


なんてことをナナが言うもんだから、またムラトが睨みを利かせてきたのはご愛嬌。俺はマユリちゃんが好きなのだ、いい加減ムラトにはそこを理解してもらいたい。


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