第28話
本日2話目です
どうやら魔力を流し込むだけではダメだったらしい。シエラ先生があられもない姿になっている。
別の方法を考える必要がありそうだ。
・・・それにしても、俺を見る先生の目がヤバイ。身体が大人だったら、耐えきれずに抱きついてしまったかもしれん。魅惑的すぎて耐えられる自信がない。ナナの魅了魔法よりも強力だ。
「せ、先生、とりあえず落ち着きましょうか。別の方法考えましょう。」
やらかした俺がいうのもなんだが、立ち直ってもらわなければ困る。先生の新たな扉を開いてしまったように思えるが、気にしちゃダメだ。気にしたら負けだ。
30分くらい経っただろうか?ようやく正気に戻ってきて、なにやら恥ずかしそうにモジモジし出した。
「ちょ、ちょっと着替えてきてもいいかしら?」
「え、えー構いませんよ。待ってますね!」
顔を赤らめながら先生が部屋を出て行く。
普段の先生と違いなんかかわいいと思ってしまった。
研究室で1人で待っている間に、別の方法を考える。俺の魔力を流し込むのは色々問題がありそうなので、自ら取り込めるように、それを促進させればどうだろうか?
いや、待てよ?単純に空気中の魔力濃度が高ければいいんじゃないか?魔力濃度が高い場所にいた獣が魔力を吸いすぎて魔物化するんであれば可能性あるよな?で、あとは前世であった酸素カプセルみたいにちょっとだけ気圧を上げることで、取り込みやすくしてあげれば、いけるのではないか?
先生戻ってきたら相談してみよう。
とりあえず自分で実験してみて、どれくらいの魔力濃度がいいか探らないとな。
そうこうしているうちに先生が戻ってきた。俺は魔力の回復量と魔力濃度が関係するのではないかという仮説を先生に相談した。
結論から言えば、ダンジョンや魔の森といった魔力濃度が濃いところでは魔力の回復は早まるらしい。気圧についてはまだこの世界では解明されてないようで、先生も知らないということだった。
では早速実験開始!
と思ったら先生が魔力を消費させてからその回復量を測りたいとのことだったので、魔力障壁を研究室内に張り、魔力が漏れないようにした。
そして、さらにサイレントドーム。まだ魔力が減った感じがしない。
「先生、身体強化をちょっと魔力多めで使って消費してもいいですか?」
「え、多めって言われても普通ならそんなに消費しないと思うけど。あー、君のは特殊だったわね。いいんじゃないかしら?」
「(ブースト)」
全身を魔力で覆い、筋肉をいつもよりも太くするつもりで、、、。
ボコボコッボコ
筋肉が盛り上がっていく。なんとか半分くらい消費できたかな?
「先生、これくらいで、、、。」
先生はまた、腰を抜かしたかのように床に座り込んでいる。
「き、君はその状態でムラトと模擬戦したの?」
「いえ、ムラトには今の10分の1くらいですよ。まあ、思った以上に早かったので、焦ってもう少しだけ魔力こめちゃいましたけど。ただ、今は魔力を消費させるために魔力を込めているので、多分今までで一番魔力を使った身体強化ですね!」
「ハートランドくん、人間相手にその魔力量での身体強化はダメよ。軽く触れただけで、相手を壊してしまうわ。それはあなたを恐れさせるだけ。強さの次元が違う。これは先生と約束してちょうだい。それに、、、。」
「今のあなたの姿、自分で見た?」
腕をみる、、、えっ?
足をみる、、、うわっ!
身体全体は、、、はぁ〜。
見事な筋肉ダルマ。もう別人である。
ある意味、化け物だ。
身長は変わらないしね。
「わかったようね。だから約束して!」
「はい、わかりました。もうしません。でも、絶対とは約束できません。ボクの周りの人を守るためだったらボクは化け物になってでも守りたい。」
「うん、それでいいわ。むやみにその力を使うことを止めてくれればいい。私がそばにいてあげるから。あなたがその力を使わずに済むように、ずっとサポートしてあげるわ。」
ん?なんか後半色っぽいこと言ってない?心なしか先生の目が妖しく光ってるし。なんかプロポーズのようにも聞こえなくもない。うかつに返事すると危ない気がする。
「返事は?」
「返事?さっきしたと思いますけど。」
「もう、バカ!わかってるくせに恥かかせる気?」
「あ、やっぱりそういう意味でしたか。でもそれはまだ待って欲しいです。ボクはまだ10歳なんで。」
「(・・・本当はもう大人なくせに。)」
小声で言ってたけど、ブーストしてるから聞こえちゃうんだよね。聞こえなかったことにしておこう。
ブーストを解除して実験を再開する。
(魔法創生)
対象者の周りを一辺が2mの板で囲むイメージ、そしてその中に魔力を集めるイメージ、蓋をしてさらにそこから気圧を上げるために軽く空気を抜くイメージ。
うん、なんとか出来たかな?まだ改良の余地はありだけど、魔力で満たされた部屋を作ることができた。ただ、気圧の関係でちょっと耳鳴りがするし、ちょっと耳も痛い。耳抜きを教えてからでないと他の人には使えないかもしれない。つば飲み込むか、コップに水を入れて持たせるとか。
肝心の回復量だけど、、、。
流石にドレインの方が効率もスピードも早いけど、一般的な人の魔力量ならこれくらいでも回復は早くなるだろう。
害はなさそうだからだれかに試してもらおう。
あ、名前どうしようかな?
とりあえず
「魔力回復促進」とかそんなんでいいか。
魔法名唱えなければいいんだし。
「出来たようね。害はなさそうだし、私が試させてもらってもいい?」
心なしか嬉しそうな顔をしているが、今回は先生では意味がない。
「いえ、先生じゃ魔力量が多そうなんで、他の人に頼みます。」
ものすごーく残念そうだ。
「あ、先生には俺の魔力を流し込んだ方が回復速そうなんですけど、どうですか?」
ちょっと意地悪なこと言ってみる。
「・・・ばかっ」
あれあれあれ?顔赤くして上目遣いで、まんざらでもない顔してる。
やっぱり新しい扉を開けてしまったのかもしれない。これはある意味、拷問とかに使えるかもしれない。女性限定の。痛いのはかわいそうだしね。
ハートランド・バーナー
年齢 10歳
職業 学生兼教師
「×××の探求者」
HP 500/500
MP 3000/4000
属性
無属性魔法 レベル2
・ソナー2 レベル2
・ブースト レベル1
・ドレイン レベル3
・サイレントドーム レベル1
・魔力回復促進 レベル1←new!
スキル
無詠唱 レベル2
魔法創生 レベル3
精神耐性 レベル2
バーナー流剣術 レベル5
直感 レベル2
思考 レベル1




