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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第19話

アクセス増えて嬉しいです。本日2話目です。

学園のクラス分けはSからEまであり、成績上位者から順にSから配属される。Eクラスが一番成績の悪いクラスってことになり、卒業までこのクラスだと成人してからの保証がほぼない。


先生からの提案で落胆していると、先生がフォローしてくれた。


「ごめんなさい、ちゃんと説明しないとわからないわよね。勘違いしないで欲しいんだけど、一般的にEクラスは落ちこぼれみたいに言われているけど、そうじゃないの。SクラスからDまでは筆記テストの優秀者で魔力量の高い人から選抜してるの。逆に言えば筆記テストがダメだったけど、魔法の才能があると判断された人がEクラスに所属しているの。だからSとEだけクラスの人数が少なく設定されているの。テストが出来なくて魔法の才能もなしとされたらそもそもこの学園には入れないわ。」


なんだ、そういうことだったのか。てっきり落ちこぼれと判断されたのかと思った。安堵の表情を浮かべる俺を見て先生が話を続ける。


「でもね、Eクラスが落ちこぼれって思われているのには訳があるの。それはね、Eクラス出身の人で大成した人がいないからなの。」


やっぱり落ちこぼれなんじゃん。溜息を吐く。先生は続ける。


「Eクラスの人は特殊な能力保持者や、膨大な魔力量とか、一つの能力に特化した人たちの集まりなの。だから同じような授業をしても一向に成績は伸びないから、主に自主的に勉強することになるの。もちろん担任の先生もサポートするけど、あくまでサポート。当たり前のことしかアドバイスしてあげられないの。王国はこのことをずっと危惧して学園側にも抗議されているんだけど、なにぶん全ての魔法に精通した人なんていないから、すごく難しいの。だから能力を伸ばしきれず模擬戦でも勝ち残れなかったりするからそういう風に見られてしまうの。」


そして真剣な顔でボクを見つめ、手を取り、、、ってそれはもういいか。ともかく真剣に


「でもね、あなたなら出来ると思うのよ。属性魔法を使えた経験があり、テストの成績も学年トップ、さらには誰も使いこなせていない無属性魔法の持ち主。クラスメイトの悩みにも特殊な能力者としての悩みにも答えられると思うの。だから、引き受けて欲しいの。Eクラスの担任を!」


「えーっ!!」


あれ?今、担任って言ったよね?生徒としてのクラス替えじゃなくて担任?えっ?どういうこと?

そんなのあり?


「ちょっと先生!いくらなんでもハーちゃんに担任の先生をやれだなんて、そんなの、、、。」


「ユーリ、これは真面目に言ってるの。生徒としてSからEに行くのは落ちこぼれと思われて、彼の将来にはマイナス。でも現段階の彼の能力では模擬戦には勝てない。魔法が使えない状態では絶対に。そうすると次の模擬戦では確実にクラス落ちする。それにね、、、ハートランドくん?」


「は、はい!」


母さんと話してたのに急に話がこっちに振られたので、びっくりして思いのほか大きな声が出てしまった。


「ふふふ。そんなに驚かないでよ。君の能力からすれば大したことではないのだと思うけど、今日の授業聞いてて何かプラスになったことあった?あなたには退屈だったんじゃない?」


ギクっ!やっぱりバレてたか。


「あ、あの〜その〜、、、。」


「そうよね。あなたには簡単すぎる授業だと思うし。でもね、1年生の間はあんな感じの授業がずっと続くのよ?実技以外の座学はね。でもあなたにとっては無駄な時間でしかない。それならEクラスで自分がやりたいこと、クラスの生徒がやりたいことを自由にやった方がいいと思うのよ。座学もあなたがクラスに必要だと思ったらやればいいし、必要ないと思うならやらなくてもいい。あなたとクラスメイトの能力を上げることだけ考えてやってくれたらいいわ。あなたならそれが出来ると思ってるんだけど、どうかしら?」


ゾクゾクした。たしかにその条件なら無属性魔法を極めていくことが出来るかもしれない。ただし、クラスメイトの能力を上げるという責任も伴うが。あまりにも好条件、俺にとってはすぐに飛びつきたいような条件だ。だが、10歳の子にそんなこと言うなんて、、、。


顔に出ていたんだろうか?先生がふふっと笑って俺に耳打ちしてくる。


「(あなた、転生者なんでしょ?あれだけの神気を直接浴びて生きてるなんて、それしか考えられない。何百年に一回はそう言う人がいるってことはエルフでは知られた話よ。もっとも普通の人間は知らないだろうけどね!だからユーリたちにも内緒にしてあげる)」


ぐはぁーっ!ダメだ、この人には敵わない、全部お見通しのようである。


「Eクラス、やらせてください。」


俺にはそう言うしか選択肢がないように思えた。手のひらで転がされていたようだ。


「おいっ!そんな簡単に決めていいことか?もっとちゃんと考えてから返事しても、、、。」


父さんはいつも俺のことを考えてくれる優しい人だ。母さんも心配そうにこちらを見ている。

あー、俺はこの人たちが誇れる息子になろう。転生者だけど、俺は2人の子供だ。


「父さん、母さん、心配してくれてありがとう。ボクはEクラスでがんばって2人が誇れる魔法使いになるよ!だから心配じゃなくて応援してくれると嬉しいな。」


「ハーちゃん、、、。」


母さんは涙を流していた。そんな母さんに寄り添うように父さんが肩を抱く。


「あ、あの〜、ハートランド様がEクラスに行くなら私もEクラスにしてもらえないでしょうか?」


マキが恐る恐ると言った感じでシエラ先生に尋ねる。


シエラ先生はいい笑顔で


「ダメよ!」


泣き崩れるマキ。でもまあ、仕方ないよね。あなたはサカタ家の将来を期待された特殊な眼を持ち、なんて言ったって光魔法の使い手だ。勝手にEクラスにするなんて出来るはずがないのだ。


こうして俺は入学から3日でクラス担任をすることになった。




担任を引き受けて、安堵の表情をしたシエラ先生と、この世の終わりのような顔をしていたマキを馬車で学園まで送る。先生たちも学園内に生徒とは別の建物に部屋があるらしい。マキは敷地内の寮で、俺にも部屋が割り当てられているが、式で倒れたことと、今日の家庭訪問もあったため、今日は実家に泊まり、準備が出来次第入寮することになっている。なので今は実家の自室に1人である。


さっきの話に出て来た身体強化を試そうと思う。

身体強化は魔力を体内で操作する。今までのように放出するのとはわけが違う。


体内の魔力を感じ取って手のひらに集めて放出、これが属性魔法の基本。放出せずに止めればいいのか?でもそれだと普段の状態と変わらない。魔法はイメージだ。前世の記憶を頼りにそれに近いものを探す。アニメで身体強化っていうとやっぱりあれかな?髪の毛が金色になるやつ、スーパー○○○人。あれをイメージしてみよう。


「魔法創生!」


まずは体内の魔力を感じ取って全身にまとわせるように薄く放出して体の周りに膜を張るようなイメージ。うーん、でもこれだとただ魔法で体守ってるだけのような気もするし、なんか違う。身体強化っていうくらいだから身体能力の強化だから筋肉に作用させてみるか。筋肉は筋繊維が切れてそれが回復してより強くなっていくことで増えるんだっけか?でも切りすぎちゃって痛くなるは嫌だなぁ。うーん、あ、そうだ。筋繊維が切れて太くなることで筋力が増えるなら、筋繊維をそれぞれ魔力で太くしていったらいけるかもしれない。


体内の魔力を全身の筋繊維に纏わせ太くしていくイメージ。


ボコ、ボコ、ボコ!


筋肉が盛り上がっていくのがわかる。でもこのままじゃスーパーにはなれない。身体の表面にも薄くて硬い膜を張る、言わば見えない鎧を纏わせるイメージ、魔力に色ってつけられるかな?属性魔法は勝手に色がついてるけど、やっぱりスーパーなら金色だよね。


ボワッ!


おお〜、なんかそれっぽくなった。透明の膜も油断させるって意味ではいいだろうけど、やっぱり見た目派手にした方が、脅しにもなるし、何よりカッコいい!


ただ、やっぱり魔力は結構持ってかれるな、ちょっと気持ち悪くなって来た。あー、これさえなければもっと魔法の練習できるんだけどな。何かで補給できないだろうか?


うーん、まあとりあえずこれで身体強化は出来たはず。あとは明日、どれくらい動けるようになったかを学園で試してみるか。


これの魔法名はどうしようかな?身体強化じゃ面白くないし、、、


「ブースト」


これにしておくか。


あー、でも意外と魔力持っていかれるなぁ。


実は普通獣人が使う身体強化は部分的にであって全身ではない。むしろ全身に使うとなると多大な魔力を消費し、身体強化されても普通は動けない。魔力切れを起こすからである。

だが、ハートランドは事あるごとにソナーを使って大量の魔力を消費し魔力が回復するとまた使うということを繰り返していたため、魔力量が少しづつ増えていっていた。その結果、全身に身体強化をかけてもこうして普通に考えて動ける程度には保てていた。ただ、そのことにハートランドは気付かない。この時点で既に身体強化の極致に至る魔法を作ってしまったことを。


はぁー、だるいなぁ。一旦魔法解除するか。

うーん、やっぱり回復方法が欲しいよな。なんか補給できたり、もっと早く回復することってできないかな?


ん?補給?早く回復?


魔力が減ると空気中から魔力を吸収することで回復していくと聞いた。であるなら、空気中の魔力を強制的に吸収できれば、魔力の回復が早まるのではないか?でもそれが出来たら魔法薬いらずになるけど、吸収するなんてことは属性付きの魔法じゃできないし、無属性だよね、きっと。


よし、魔力が心許ないけど、やってみるか。うまくいけば回復できるし。


「魔法創生!」


本日2回目の魔法創生。うまくいくかわからないが出来なければまた今度やればいいし。


体内の魔力ではなく空気中の魔力に意識を持っていく。うまく集中できない。ソナーの要領でちょっとだけ魔力を出し感じ取れないかやってみる。


あれ?今、手のひらから魔力を放出してるけど、手のひらのどこから放出されているんだろう?空気中に魔力があるなら、その吹き出し口から空気ごと取り込めないだろうか?いや、空気ごと取り込んで危なくないのだろうか?

まあ、とりあえず放出している手のひらに集中し、自分の魔力を意識してみる。ちびちびと放出しているから分かりづらいが、毛穴?みたいなところからすごく細い魔力の糸がでているのが感じ取れた。

なるほど、こんな感じで魔力は出ていっているのか。じゃあその毛穴から少しづつ慎重に空気を取り込んでみる。苦しくなったらすぐやめよう。前世の注射では空気が入らないように空気抜きしてから注射されてたし、異世界だからって大丈夫とは限らないもんな。

空気ごと取り込んで魔力が感じ取れたらそれだけを吸収して余計なものは放出していくか。

イメージを膨らませていく。放出した自分の魔力を体に戻していくイメージ、放出分がなくなったら空気ごと取り込んで魔力以外のものは放出していくイメージ。


おっ、ちょっと楽になって来たかも。取り込めてるのかもしれない。お、お、おぉー。


見事に魔力の吸収に成功する。魔法創生という圧倒的チートのなせる技である。


よし、魔法名は、、、。


「ドレイン」


だな。これで回復できるなら、いっぱい魔法使っても減って来たら回復できるし、繰り返していれば魔力量も増えるかもしれない。これはかなりチートな魔法だな。やばい、楽しくなって来た。回復しすぎたかな?


このドレインを覚えたことにより、ハートランドは飛躍的に魔力量を増やすことになる。そしてこのことが、のちに大魔法使いと呼ばれた彼の人生を大きく変える出来事となった。

しかしまだ、この時のハートランドは気付かない。自分がどれだけすごい魔法を作ったのかを。





ハートランド・バーナー

年齢 10歳

職業 学生兼教師←new!


「×××の探求者」


HP 500/500

MP 2500/2500←UP!

属性

無属性魔法 レベル2←new!

・ソナー レベル2

・ブースト レベル1←new!

・ドレイン レベル1←new!


スキル

無詠唱 レベル2←new!

魔法創生 レベル2←new!

精神耐性 レベル2←new!

バーナー流剣術 レベル5

直感 レベル2←new!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 圧倒的チートを失い、 新しい力を構築する。 一般的につまんない学園編が楽しくなりそうな予感。
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