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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第14話

いつも読んでいただき、ありがとうございます!ポイント評価、ブックマークしてくれると励みになります。ありがとうございます!

翌朝、目を覚ました俺は早速昨日覚えたソナーを復習して使ってみる。


「ソナー」


昨晩は魔法を作る過程で一つ一つイメージしながらやったが、魔法名を唱えたらどうなるのか?

実験を兼ねてやってみた。


すると昨日よりも格段にイメージがしやすくなった。魔法として確定したからなのか、魔法名を唱えたからなのか?


昨日は部屋の外までだったので、もう少し範囲を広げてみる。


「キーー〜〜ーーー〜ーン」


範囲を父さんの部屋の方まで広げてみると、部屋の扉を出たところに2人組、父さんの部屋に1人いるのがわかった。


よしよし。気を良くした俺は、さらにその人物が誰なのかを探るために平面に広げていた魔力を立体的になるように広げていく。


うーん、心なしか気持ち悪くなってきた。魔力が大きく減っているようだ。父さんの部屋までを諦め、部屋の前までに留めてみる。


魚群探知機さながらに、なんとなく大きさの違いがわかってきた。いや、この場合、見えてきたと言った方が良いかもしれない。なんとなく頭に人の形が映るのだ。サーモグラフィーで見てるような感じといえば伝わるだろうか?


その2人組のシルエットから女性2名だというのがわかる。うーん、我が家は女性が多いからなぁ。しかも女神様のこともあってなるべく母さんとメアリー以外は関わってないから、メイド3姉妹に至ってはしばらく顔を合わせていない。シルエットがわかっても誰がどういうシルエットかわからないんじゃ特定のしようがない。少なくとも母さんとメアリーではないことはわかるので、3姉妹の誰かだろう。

セバスの時のように、そっと扉に近づき勢いよく扉を開ける。


「きゃぁっ!」


可愛らしい声だなぁ。

もう女神様からの干渉はない。


「おはよう、久しぶりだね!えっとー、、、」


「おはようございます。ハートランド坊っちゃま。私はアイサでございます。」


「アイサだったのか。名前は覚えているよ。でも同じ屋敷にいたのにここ何年も顔合わせてなかったから、、、ごめんね。」


メイド3姉妹の長女、アイサは綺麗なお辞儀の後、ニコッと微笑んで「お気になさらないでください。」と言ってくれた。

綺麗なブロンドの髪を後ろで束ね、身長は160センチくらい、目が大きくつり目が特徴的で相当な美人さんだ。うちでメイドをやってるのが不思議である。しかも、細身ではあるけれど、出るとこは出ている。シルエットの特徴を覚えていかなくちゃならないからなんだけど、女性の体を弄るように見るのははっきり言って罪悪感が半端無い。

そんな視線にも気付いているだろうに、気付かないふりをしてくれている。アイサ、ごめんね。心の中で謝罪する。

もう1人も同じメイド服姿、そして同じ色の髪だが、こちらはサイドテールにしている。


「坊っちゃま、私のことは覚えていただけてますか〜?」


「えっと〜、リーサ?」


アイサよりもだいぶ幼く見えたので、当てずっぽうで言ってみる。


「うわぁ〜、坊っちゃま、嬉しいです!正解です〜!」


満面の笑みを浮かべて、飛び跳ねている。

そんなリーサを刺すような視線で見ているアイサの目がちょっと怖い。


リーサは同じ姉妹でありながら少し垂れた目と、母さんにも引けを取らない立派なお胸を持っていらっしゃる。それが飛び跳ねているもんだから、目のやり場に困る。身長は150センチくらいと小柄なのに、立派な巨乳の持ち主。これがいわゆるロリ巨乳ってやつか?


「もう、坊ちゃんはエッチですね〜!そんなに見ないでくださいよ〜。」


と両腕で胸を隠すようにして、さらには身をよじりながら、楽しそうにこちらをからかうように言う。ちらっとアイサを見ると、こめかみに青筋のようなものが浮かんできている。


「リーサ、ここは私に任せて、あなたは坊っちゃまの食事の用意をお願いね!」


引きつった笑顔のアイサはリーサに指示を出す。


「はーい。じゃあ坊っちゃま、また後でお話しさせてください。失礼します〜!」


と言って去っていった。


「坊っちゃま、申し訳ございません。しっかり教育しておきますので、何卒お許しください。」


「いやいや、何も怒ってないから大丈夫。ボクも久し振りに2人に会えて嬉しかったし、その〜、ジロジロ見ちゃったし、あの〜、ごめんなさい。」


部屋の扉の前で2人して頭を下げて、おかしなことになっている。そんな状況が面白かったのかアイサが思わずといった感じで笑う。


「坊っちゃま、ありがとうございます。式の後に倒れられたと伺っていたので、心配しておりました。ただ、ここ数年、私たち3姉妹は坊っちゃまに避けられてると思っておりましたので、なるべく顔を合わせないようにとお声をかけるのをためらっておりました。リーサもずいぶん気に病んでいたんですが、今日の坊っちゃまの態度を見て嬉しくなってつい、はしゃいでしまったんだと思います。」


「あ、うん、そうだったんだ。気を遣わせちゃったみたいだね。まあ、ボクも色々事情があって、避けるような態度を取っててごめんね。でもこれからはもう普通に話せるから、もう大丈夫だから、これからよろしくね。あと、メイサにも今度会った時に謝らなくちゃね!」


「お気遣いありがとうございます。メイサは今、使いに出ておりますので、後ほど改めてご挨拶させていただきます。」


「じゃあ、ボクも学園に行く支度しなくちゃいけないからまた後でね!」


「坊っちゃま、お手伝いいたします。」


「いや、大丈夫だよ!あ、避けてるわけじゃなくて、なんか恥ずかしいからさ。自分でやるから大丈夫!」


「そうでございますか。何か有り様がございましたらいつでもお申し付けください。」


部屋の扉を閉めて、ふぅーっと息を吐く。

いやー、緊張したー。あんなにまじまじと見たことなかったけど、うちのメイド、レベル高いなぁ。あー、結構恵まれてたんだなぁ。女神様の加護は無くなっちゃったけど、なんだか楽しく過ごせそうだ。


あ、早く支度しなくちゃ。





真新しい制服に袖を通し、部屋を出るとブロンドの髪をいわゆるツインテールにした美女が立っていた。


「あれ?坊っちゃま?うーん?」


その綺麗な顔を目と鼻の先まで近づけて、観察するように覗き込んでくる。


ドキドキ


「あー、やっぱり坊っちゃまだ。お久しぶりです。覚えてる、よね?」


首を傾げてこちらを伺う。無表情でそんなことやるもんだから、人形のように見えてしまう。


「メ、メイサ、久しぶり。そ、その元気だった?」


「メイサは元気だよ、です。坊っちゃまは倒れたって聞いた。けど、前に見た時と髪の色と瞳の色が違ってたから、ちょっと確認した、です。」


なんかぽわ〜っとした子だな。こんな子だったっけ?それになんか表情も変わらないし、敬語もなんか苦手みたいだ。


3姉妹では1番おとなしい?というか個性的というか、うーん。


「坊っちゃま、元気そうで安心した、です。」


そう言ってほんのり微笑んだ、気がする。


「うん、ありがとう。でもこれから学園行くから、今度またゆっくり話そうね!」


「はい、です。」


そう返事をしてメイサは食堂と反対の方へ歩いていった。身長的にはリーサよりもちょっと高いくらいなんだけど、雰囲気とか喋り方とか一番年下に見えるなぁ。ぽわぽわしてるけど、仕事は大丈夫なんだろうか?


思ってたイメージとかけ離れていたメイサのことを考えつつ、食堂に向かう。


食堂の入り口でボクを待っていたアイリスが小走りにこちらに向かってくる。


「おはよう、アイリス。」


俺はもちろん満面の笑みで挨拶する。


「兄様、おはようございます!」


アイリスも満面の笑みで挨拶を返してくれる。


こんな髪や瞳になったのにも関わらず、だ。


あれ?そういえば、昨日アイリスは俺が父さんの部屋に入った時、この髪見ても驚かなかったなぁ?


「ねえ、アイリス。一つ聞いていいかな?」


「な、なぁに、兄様?」


「昨日の夜、ボクの髪が真っ白になっていたのにアイリスは驚かなかったよね?ビックリしなかった?」


「えっ!?ん、んーっと、、、。」


アイリスは可愛らしく小首傾げている。そんな姿に朝から癒される。


「ビ、ビックリしなかったよ。だって女神様の加護?がなくなっちゃったんでしょ?仕方ないのかなぁって思って。」


あれ?どういうことだ?


「メアリー!」


「おはようございます、坊っちゃま。何かございましたか?」


「昨日の夜、ボクが起きた時、父さんの部屋でメアリーはアイリスを抱えていたよね?」


「ええ、それが何かございましたか?」


「あと、ボクが部屋に入った時、みんなこの髪と瞳を見てビックリしてたよね?」


「はい、私もそうですが、皆様も驚かれていたと記憶してございます。」


「加護が消えたらみんなボクのようになるのかな?」


「申し訳ございません。私は存じ上げません。そもそも加護を持つような方がいることすら存じ上げませんでした。おそらくそれは旦那様も奥方様もセバスも含めて皆同じと思います。」


何か違和感のようなものを感じる。あの時たしかにアイリスは驚いていなかった。だが、そのことを聞くと当たり前のように答えた。その場にいたアイリス以外は皆驚いていたと言うのに。


「アイリスは何かの耐性持ちなのだろうか?

いや、まだ洗礼式をやってない。でもひょっとしたらやる前から耐性がつくこともあるのかもしれない。


いや、待てよ。ひょっとして、、、。

父さんの話の中にたしか、、、。

いや、でもそんなことができるのだろうか?

でも、、、。」


一頻り独り言を続け一つの可能性に思い至った俺は、目の前で冷や汗を滝の様に流すアイリスを見つめた。

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