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転生魔法使いの愛のある生活  作者: チムチム
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第100話

今年最後の投稿します。

マユとアイリスが話しているのを見ていたはずが、いつのまにか意識が飛んでいた。気付いた時には俺の腕にいたマユが急に倒れこむものだから思わず大声で叫んでしまった。


「アイリス!何があった?」


アイリスは恐る恐る俺に告げた。


「お兄様、戻りましたか?」


戻りましたか?か、俺はどうやらカースにやられていたようだ。今まではきちんと覚えていたのに、記憶まで持っていかれたらしい。早急に対処するべきだろう。


俺はマユが倒れた原因が魔力切れによるものだったと安堵し、マユの魔力を回復させていく。


「ハルキくん、良かった〜。いつものハルキくんだ。」


目を覚ましたマユはか細い声でそう言った。


「ごめんな、マユ。こんなことはもう二度とないようにしたいから、倒れた後で大変だと思うけど、オーロラの言う儀式に参加してもらえるか?」


俺の腕の中でコクンとうなづいたマユを確認し、オーロラに指示を出す。


「オーロラ!準備を!」



みんながオーロラの指示した場所に移動する。

先ほど足りなかった風属性の場所にアイリスが配置される。アイリスへの説明は俺がマユを看病している間にシエラがしてくれていたようだ。


俺は中央のオーロラの前で片膝をついて腕を胸の前で交差させる。いわゆる祈りのポーズだ。


「みんな準備はいいかな?」



オーロラの言葉に配置された面々は無言でうなづく。



「我、愛と純潔の女神、アウロラが望む、かの者に我が愛の加護を、創生神に愛されし彼に博愛を、アウロラの加護を持ってかの者の呪いを祓いたまえ。」



オーロラの言葉に呼応するように俺の体は光に包まれる。


「創生神に愛されしこの身体は御身のため、我願うはアウロラの加護、我が御霊を持って切に願う。」


オーロラに指示された言葉を紡ぐと、俺の身体を白き光が覆う。彼女が言うように俺は創生神の加護を受けていたようだ。


闇の魔方陣にマユを配置したが、苦しそうにしているが、なんとか大丈夫なようだ。


「転生者ハルキよ、そちの願いは我が受け取った。ただし、加護を与えるにしてもそれなりの代償があるぞ?それは聞いているか?」


 突如、威厳のある腹の底に響くような声が頭に響く。俺だけかと思ったが、この魔法陣にいる彼女たちの耳にも届いているようだ。みんな一様に辺りを見回している。


「アウロラ、そちはきちんと説明したか?」


オーロラは許取っている。絶対何か隠している。


「はぁー、しょうがないやつじゃの。ハルキよ、難しい事言ってもわからんじゃろうか、、簡潔に言うぞ。お前は死んだら神になる。まあ、最初はワシの眷属神じゃな。」


「なっ!なぁにー!」


どうやら俺は死後、神になるそうだ。アウロラの加護自体を受けても神になることはないそうだ。今回、特例的にアウロラに力を与えた創世神を呼び出したことになんらかの理由づけをしなくちゃいけないらしい。神の世界も大変だ。


 オーロラは死後のことだからと隠していたみたいだが、オーロラも神で、なおかつ創世神の眷属神のようなものだ。死後も俺と一緒に居たいと願っていたのかもしれない。


「オーロラ先生、どういうことですか?自分だけ、ずっとハルキくんと一緒にいようってそういうことですか?」


 聞いたこともない野太い声で、彼女を非難するマユ。それにたじろぐオーロラ。


「ごめん!でも今世はみんな一緒にお嫁さんになるんだからいいじゃない?あれ?ダメ?」


「「「「ダメーーーーっ!」」」」


 一斉に否定されたオーロラだったが、今世の行い次第では他のものにもチャンスをくれるという緩い提案をした創世神によってなんとか場は収まった。


 色々あったが、加護を得て、大罪が取り除かれさらにはそれに対する耐性を得た俺は、ひとまずの不安の種を取り除けた。


『ハルキ、それとな・・・』


 みんなには聴かれないように俺にだけ、創世神様が語った言葉。肝に銘じておこう。




 マユに魔力回復を行いながら、看病していると不意に妙な気配を感じた。


「ちょっとまずいかな?未来のお父さんだし・・・」


 俺の呟きを聞き取ったマユは不安そうに俺をみる。


「大丈夫。ちょっと待っててね!みんなはのんびり来てね!」


 フォレスト王国の緊張を他所に、ハルキの快進撃が始まる。


来年もよろしくお願いします。

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