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亀
夢を見ていた。
夢の中では私は亀だった。
冷たく心地よい水に身を委ね、ぱくりぱくりと海月を食べる亀だった。
亀の私は腹が膨れるということを知らないかのようにたくさんの海月を頬張っていた。欲の皮の張った私は次の海月、次の海月と体に溜め込むように食べていた。味はよく覚えていないが、いつも食べる海老に似ていた気がする。私は海月を食べたことがないのでよくわからないが。
海月を食べる私は腹がくちくなっているにも関わらず相も変わらず海月を食らっていた。胃が苦しくなり、喉が飲み込むことを拒否していても嚥下し続けた。
すると突然ぱちんっと音がなり、はて今の弾けたような音はどこから来たのかと下を見ると亀だった私の立派に膨れたお腹はぱっくりと裂けていた。目覚めている私なら仰天しただろうがなにせ私は夢の亀だったので、ああ私はここで死ぬのだなと静かに裂けた腹を見ていた。裂け目から溢れ出てくる泡は何故かきらきらと美しく輝いていた。まるで海面下から見上げる波のように。




