DAYS6 -人物用語紹介-
『二見零示』
フタミが思い出した本当の名前。
"救う為の覚悟"を心に決めた青年。
大規模スリープに入る前は進化の力を信仰していたが、記憶を失った後の環境の変化により、進化について疑問を抱くようになり、記憶を取り戻した後も所長の目論見を潰す為に尽力したが、多大な犠牲に強く心を痛めた。
黒の薬液により理性や自身の形態の操作が不安定になっていたが、ヨミの愛やゼロの遺伝子を体内に取り込んだ事により安定化。
それによって今まで扱っていた力の赤や感覚の青といった力を自由に扱える上、どれだけ時間が立っても理性の消滅が起きる事が無い、ある意味死なずの化け物と化した。
ヨミ――葛原栞という少女を愛した。
覚悟を心に秘めた仲間達を救う為、九十四回目のパラレルワールドへと足を踏み入れる。
『葛原栞』
ヨミがノッカー化を完全に免れた後、最後に教えてもらった本当の名前。
"諦めない覚悟"を心に秘めた少女
愛銃のピースメーカーこと『ぴーちゃん』は、最後までその銃弾と共に仲間を助け続けた。
進化促進薬が入っている銃弾を、進化の際限が無くなったフタミに撃ち込むことによって、フタミ自身が更なる力を手に入れることに貢献した。
ノッカー化しかけていたが、ノッカー化の治療薬『光の白』を打ち込まれた事により、隔離施設で唯一の人間としての生き残りになる。
二見零示というおにーさんが好きだった。
二見零示という男性を、愛した。
『九条七希』
ナナミが覚えていた本当の名前。
"守るための覚悟"を心に秘めた少女
元々は四十代前半の、髭が似合うニヒルな男性で、居住フロアの施設職員だったが、部屋番としては欠番になっていた人体改造専用の部屋に入る事により、その部屋の主となる。そうして彼は彼女となり、大規模スリープが起こった時から被験者の生命を助ける為に奔走し続けた。
自分の身体が改造に耐えられる回数がもう殆ど無い事を知り、自分を犠牲にコンテナ部屋のノッカー達と対峙する。そのほとんどを殲滅する事は出来たが、特殊進化例ノッカーによりその身は破壊された。
彼女が最後に見た物は、氷壁に映った彼女自身の死そのものだった。彼女を追いかけ続けたあの部屋が、どんな物体をその部屋に配置したのかは、誰も知らない。
それで最後に彼女が見た自分の顔は、心から笑っていた。
思わず呟いた「楽しかった」という言葉は、真実以外の何物でも無い。
『雪代垂』
"向き合う為の覚悟"を心に秘めた少女
その身体中に宿るノッカーとしての兄の力と、その両腕に宿る雷を操るはずだった姉の力を武器に、戦いに身を投じる。
フタミとは、互い殺し合ったという事実や、兄や姉を殺したという罪を一生背負いあっていくと誓った。
ナナミが戻らないという事実が、仲間の危機に繋がってしまう可能性を案じ、ヨミの武器を取りに居住フロアに戻った際に、ヨミと別れる。
その後、ナナミが倒し切る事が出来なかった特殊進化例ノッカーと対峙し、人間としての自我をノッカーに委ねる程に自身を犠牲にした結果、特殊進化例ノッカーを撃破、その後、自分自身の理性が無くなる前に、コンテナの中で自らの生命を絶つ。
『萩原郁花』
死の間際にフタミに教えてもらったゼロの本当の名前。
"戦う為の覚悟"を心に秘めた少女
対象の目を見る事により、生体情報が把握出来るデバイスを持ち、本物の所長を確認する役割についていたが、巨大なノッカーに仲間達が気を取られている間に所長に拉致される。
医療フロアの廊下を移動している最中に自分の場所を知らせるように熱線で合図を残し、フタミとヨミが助けに来るが、その時点でもう既に満身創痍だった。
自分の死を悟った後、フタミと接吻を交わし、自分の血液をフタミに飲ませ、それによりフタミは理性を保てるようになり、更なる進化への耐性を得た。
その後、所長に自分の遺伝子情報を取られないようにする為に所長の血がついた短刀を舐め、ノッカー化する。
ノッカー化しても尚残ったままの自分の遺伝子を早々に破壊する為に"対ノッカー用銃弾"をヨミに撃ち込んでもらい、そのままノッカーとしてフタミに頭を撫でられながら息を引き取る。
『雛崎奏』
"勝つ為の覚悟"を心に秘めた少女。
その達観は冷淡さを感じる程であったが、親友と称する萩原郁花の死には、静かに心を痛めていた。
ノッカーの完成例として、施設から出てしまうと問題になることを危惧し、施設に残る事を決意する。
ヨミにはいつか此処から出してもらうという小さな約束をした。
いつまでも、彼女は施設の中でその寿命が尽きるまで、小さな希望を胸に待っている。それに、何かやるべき事もあるようだった。
フタミの為に次の世界へのゲートを開く。
『所長』
"見返す為の覚悟"を心に秘めた狂人
エボル現象の特効薬の特許を石動家に奪われ、善行一心で動いていたその人生を踏みにじられた所長の感情を受け取り、世界への復讐を決意する。世界の憎しみがそのまま狂ったノッカーとしての動機になった。
幾度となく、新たな世界を生み出し、完璧なノッカーとしての自分を作る事を続けていた。複数の世界で萩原郁花を喰らったこともあり、ノッカーとして二見零示を喰らったこともあるが、両方を食い切れた事はついぞ無かった。
目覚めた二見零示がヨミの愛によってノッカーとしての壊れずに成長した九十三回目の世界での実験は、所長にとってもチャンスだった。
自分がまともだった頃に、力を求めていた自分の息子を見ていた事と、自分の息子を喰らった為か、自分自身の事を二見零示なのだと混同していた。
九十三回目の世界で、初めて敗北を喫した。
『特殊進化例ノッカー』
軟体ノッカーが複数のノッカーを取り込んだ事により異常な進化を遂げたノッカー。
進化のスピードが早く、理性は無いが知性の発達も早い為、驚異と考えたナナミによってコンテナ部屋で足止めされた。
その攻撃力と再生力、知能でナナミとシズリを死に追いやる事になるが、ナナミの命懸けの守りによりコンテナ部屋から出る事は叶わず、シズリの命懸けの行動により、フタミ達の元に辿り着く事はなかった。
もし、たどり着いていたならば、彼らに生は無かったかもしれない。
『九十三番目の世界』
幾度となく繰り返されてきたパラレルワールドのうちの一つ。偶然の産物として生まれた、使い切りの装置により作られるゲートを通る事で、過去に戻るのと同時に新たな世界を生成する。
九十三番目の世界はフタミ達にとっての現実だが、幾度と無く全滅の世界があった。だが、所長もまた隔離されており、ついぞ九十三回目の世界で息を引き取った。
しかし、フタミが失敗しない世界を創る為に向かった九十四回目の世界では、所長は変わらず生きている。




