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タイトルバック*サービス開始
「飽きた。もうやめるわ、俺」
俺がそう言うと、ファミリーの全員が持っていたものを落とした。カラコロンと物が転がる音がアジトに響き、硬直した空気をあえて無視して俺はアジトを出ようとする。
「ま、待てよ!!」
三か月間チームを組んでいたカンチキが、肩をつかんだ。【殺意】を俺に向けて威圧しているつもりらしい。
「痛いじゃないか、カンチキ。それにさっきからお前のその子供だましの【殺意】がウザくてしょうがねー。離せ、三下以下のチンピラが」
俺は振り向くこともせず、カンチキに【殺気】を放った。その瞬間、ファミリー全員が【状態異常:混乱】【状態異常:硬直】を発症した。
「「「「「「「「「……!!!!!!!」」」」」」」」」
数分後
「これで終わりかな」
VRメットを脱ぎ、一息をついた青年はデバイスからCD-Rを抜き取ると真っ二つにした。
「さて、次はどんなふうに遊ぼうかな……」
カバンから取り出した別のCDをデバイスに入れ、VRメットを再び被った彼は楽しそうに笑った。
新作です。