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存在
「金曜日の22時半前に俺の家で何を話そうっていうんだ」
「特にないわ」
「帰れよ」
「嘘よちゃんとあるわ」
「ほう」
「昨年の春に母校に赴任した先生が、1度も関わりを持たなかった私を何故知っていたの?」
「平凡な公立中学校にそこそこ名の知れた会社の社長令嬢がいたら、学校はそれなりの対応をしなくちゃならないからな。入った時にお前の事は強く言われた」
「なのに今となってはお前呼ばわりなのね」
「今の俺にはもう関係ないからな」
「これからは姫と呼ぶ事を許してしんずるわ」
「帰れ」
「嘘よ帰らないわ」
「頼むから帰れよ」