隣の先生

203号室

「まあ、私の家とシンメトリーな造りの家に住んでるなんて、先生は私の事が好きなんですか。気持ち悪いですよ」

「マンションってのはどこもそういうもんだ。同じような造りにして経費を削減してんだよ」

「そういえば衣服部屋もそうだったわ」

「衣服部屋？」

「203号室も空いていたから、衣服を置くために使わせてもらってるの。狭いけど仕方ないわ」

「もっと広い部屋を１つ借りろよ」

「家の事情よ」

「政治家の『記憶にございません』並みに威力のある言葉だな、それ」