表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

戦闘開始。邪魔者登場

 

21:30

涼巳(すずみ)が『ASSF(あしーふ)』の司令室で、指揮をしている時、(ゆう)達は身を潜めていた。  

目標周辺ビル内と天海(てんかい)達がいるビルの二階下には“部外者”がおり、天海(てんかい)達“は部外者”の排除と身元確認に向かった。

天海(てんかい)多恵(たえ)は、赤外線ゴーグルを着用して階段を降りた。

前衛は天海(てんかい)で後衛に多恵(たえ)が付き、階段を降り切る付近で天海(てんかい)多恵(たえ)に向かって、『待て』と手信号を送り多恵(たえ)を止めた。

多恵(たえ)は足音を絶てずに、天海(てんかい)の隣へと近づき、天海(てんかい)多恵(たえ)は赤外線ゴーグルを外して二人は手信号で確認をした。

「〈部屋の前に“部外者”が一人。監視役を確認〉」

「〈どんな奴ですか?〉」

「〈ちょっと待って〉」

天海(てんかい)はまた赤外線ゴーグルを付け、階段から部屋の入口を覗いた。

 丁度、後ろ姿が見えており、何か文字が書いてあり、天海(てんかい)はその文字を読んだ。

「(えーと、POLICE?POLICEだって?)」

「〈何て書いてあったのです?〉」

「〈POLICE……警察官だよ〉」

「〈なんで警察官がここに……〉」

「〈判らない。だが、服装は黒の防弾(ぼうだん)チョッキに紺の上下、黒の防弾(ぼうだん)ヘルメットだ。治安部の特殊部隊の服装だ〉」

「〈どうして特殊部隊が……〉」

「〈捕まえよう〉」

「〈……そうね。こちらに誘い込んで、捕まえましょう〉」

「〈了解〉」

天海(てんかい)は近くにあった消火器を蹴飛ばすと、派手な音と共に階段の方へと転がった。

その音に下から声がした。

「何だ!今の音は!?」

「おい、見て来い!」

「了解!」

声がした後、部屋の入口にいた隊員が階段近くまで来た。

「ん?消火器が倒れたのか」

隊員はさらに通路を歩き、二人は隊員が階段付近まで来るのを息を殺しながら待った。

「(後少し、もう少し……今!)」

隊員が階段前に来た瞬間、半身を出して、肘鉄を腹に入れた。

天海(てんかい)に肘鉄を喰らった隊員は、腹を押さえていた所に、多恵(たえ)はダメ押しの蹴りを叩き込み、隊員は声を出す前に気絶した。天海(てんかい)は気絶したのを確認すると、多恵(たえ)に言った。

「このまま部屋に押し込むよ」

「了解」

天海(てんかい)は、隊員を引きずり、淡い光が洩れている部屋の前まで移動しドアの横に天海(てんかい)が付き、ドアの正面に多恵(たえ)が付いて気絶した隊員を抱えた。

天海(てんかい)は少し開いたドアから部屋の中の様子を伺った。

 部屋の中には、三人の隊員が直径30cmぐらいのパナボラ・アンテナの周りに、集まり何か話しており、天海(てんかい)多恵(たえ)に手信号を送った。

「〈部屋の中には三人いる。ECMのパナボラ・アンテナもある〉」

「〈突入しますか?〉」

「〈ああ、この気絶した奴を入れて一気に行こう〉」

「〈はい……行きます!〉」

お互い頷くと、天海(てんかい)はドアを思いっきり開けて、多恵(たえ)は気絶した隊員を押し込んだ。

「!!なんだ!」

「なにがあった!!」

部屋の中にいた隊員達は驚いて取り乱し、二人は一気に部屋に入るなり大声を上げた。

「動くな!手を上げろ!」

天海(てんかい)は、マシンガンを隊員に向けて警告を出したが、三人の内の一人が拳銃を抜こうとしたが、多恵(たえ)が素早くサイレンサー付き拳銃を抜き、相手の拳銃を撃った。

乾いた音と共に隊員が抜いた拳銃に銃弾が命中し、拳銃は吹き飛んだ。

「彼は“動くな”と言ったはずですよ。次、変な行動をしたら……撃ちます」

多恵(たえ)は、銃口を三人の隊員達に向けて脅し、隊員達は驚きと脅威の命中率に大人しく手を上げて、天海(てんかい)達に従った。

 天海(てんかい)は、三人の隊員達をECM装置から離れさせて、隊員達が持っていた手錠をお互い同士に掛けさせ、身動きを取れないようにした。

多恵(たえ)はECM装置に近づき、操作キーで、スイッチやパネルタッチを数回ほど操作すると、低い唸りが鳴りながらECM装置は停止した。

多恵(たえ)は隊員の額に、マシンガンの銃先を当てて言った。

「一言でも大声をだしたら、額に穴が開きますからね」

隊員は必死に頭を縦に振った。

多恵(たえ)天海(てんかい)に合図して、天海(てんかい)もマシンガンを隊員に向け、多恵(たえ)は隊員に質問をした。

「所属は?」

「じ、自分は警視庁治安部の特殊部隊隊員です」

天海(てんかい)多恵(たえ)は顔を見合わせ、多恵(たえ)は質問を続けた。

「では、次の質問です。誰の命令で、ここで、何をしているのですか?」

堀村(ほりむら)警部に、目標ビル周辺にECMを展開するように命令されました」

「何故、ESMを展開するように命令されたのですか?」

「わかりません!ただ、我々はそう命令されただけですから」

多恵(たえ)はここまでだと判り、天海(てんかい)に合図を送った。

二人は、マシンガンのグリップ底で隊員達の首元を強く叩き、隊員は息を吐き出したような声を上げながら、白目をむいて気絶し、部屋を後にしようとしたが目の前に人影が現われ、二人は条件反射でマシンガンを構えた。

「!誰だ!」

天海(てんかい)が叫ぶと、多恵(たえ)は驚いていた。

「(私達に気配を気付かれずに来るなんて、只者ではないようね)」

「(気配に気付かないなんて、どうかしたのか僕は……それにこの匂いは……)」

天海(てんかい)多恵(たえ)は、そう思いながら相手を見ると、男で闇を同じ漆黒の服に顔らしき所には赤い光点が見えた。

「待った!俺だ、撃つなよ」

と赤い光点を上に上げながら男は言い二人に近づいてき、二人は男の顔を見て驚いた。

「あ!あなたは!諜報部(ちょうほうぶ)の!」

隠密特殊(おんみつとくしゅ)諜報部隊(ちょうほうぶたい)『アルテミス』の二瓶(にへい) 貴幸(たかゆき)副隊長!」

諜報精鋭部隊『アルテミス』 

鹿野(かの)が率いる諜報部隊(ちょうほうぶたい)の精鋭隊員で、常に死と隣り合わせのため、少人数の隊員で構成されている。

二瓶(にへい) 貴幸(たかゆき)は『アルテミス』の三人いる副隊長の一人である。

口元は、バコをくわえながら笑った。赤い光点はタバコに火だった。

二人の近くに来たため、ようやく二瓶(にへい)の顔が見え、二瓶(にへい)は普通の黒髪に瞳は茶色で、

「よっ、お二人さん」

と挨拶し、二瓶(にへい)は止まっているECM装置を見ながら言った。

「なんだ、ここの装置はお前らが停止させたのか。仕事の手間が省けたよ」

そう言いながらタバコの煙を吐いた。

天海(てんかい)多恵(たえ)はマシンガンを下げ、多恵(たえ)二瓶(にへい)に聞いた。

「何故、あなたがここに?他の方も来ているのですか?」

煙を吐き、タバコの灰を落とした。

「フ―……ああ、来ているよ。俺らあのECM装置を破壊とあんた等に、伝言を伝えるために来た。何でも『救援部隊(きゅうえんぶたい)』だそうだ」

「『救援部隊(きゅうえんぶたい)』?それが伝言?」

「いいや、おたく等の隊長にも言うことだが、先に伝言を伝える。伝言は……」

 それを聞いた二人は、その場で固まり、最初に口を開いたのは天海(てんかい)だった。

「そ・そんな、ここのECMは(ゆう)さんには伝えたが、治安部の隊員が言っていた“後から来る”というのがそれなんて……」

天海(てんかい)に続き多恵(たえ)も、

「そうですよ。しかもその“賭け”も危険過ぎます!」

春野(はるの)司令も苦渋の選択だろう」

二瓶(にへい)は頭を掻きながら言った。

「おっつ、ちょい待て」

二瓶(にへい)は、天海(てんかい)達と同じマイクイヤホンを付けていたらしく、マイクイヤホンに手を掛けて話していたが、天海(てんかい)達のマイクイヤホンには、聞こえていなっかた。周波数を変えているのだろう。話が終わると天海(てんかい)達の方を向いた。

「他のECM装置を破壊した。後、さっき話した“奴等”が近くまで来たらしい」

二瓶(にへい)の言葉に、多恵(たえ)(ゆう)を呼んだ。

ANGEL(えんじぇる)4!ANGEL(えんじぇる)1応答せよ」

『ザザザッ……ザー――――』

無線からは砂嵐のような音しか聞こえ無かった。

「無駄だよ。奴等のECMだ。何でも三~四機程が来るから、蒼野(あおの)隊長も気付くだろう」

天海(てんかい)二瓶(にへい)に聞いた。

二瓶(にへい)さんは、これからどうするつもりですか?」

二瓶(にへい)はタバコを足元に落とし、足裏ですり潰しながら答えた。

「俺か?今から仲間と合流して、蒼野(あおの)隊長がいるビルに向かう。あそこにも強力なECM装置の大元があるから、破壊して蒼野(あおの)隊長と合流し伝言を伝える」

「判りました。自分は“奴等”のECMを壊します」

と言うと二瓶(にへい)天海(てんかい)に言った。

「大丈夫か?ECMがある場所は、乱気流の嵐だぞ?」

「大丈夫です!そのくらい何とかなりますし、奴等が気付いても、自分には良いパートナーもいますから大丈夫です」

天海(てんかい)は言いながら、多恵(たえ)を見た。

多恵(たえ)も頷きながら言った。

天海(てんかい)君なら大丈夫ですよ。私も付いていますから」

二瓶(にへい)は笑いながら言った。

「さすが『A・O・(えーおーえー)』だな。奴等のECM破壊は任せたぞ」

「了解!!」

天海(てんかい)多恵(たえ)は、二瓶(にへい)に敬礼をし、二瓶(にへい)も敬礼を返して身を翻しながら言った。

「頑張れよ!じゃぁな」

二瓶(にへい)は角を曲がって歩いていった。

天海(てんかい)達も後を追い角を曲がったが、誰もいなく階段を降りる足音も聞こえ無かった。

「もう居ない。まぁ諜報部(ちょうほうぶ)の副隊長をやってないか」

「私達でもあの人達の気配を感じ取ることは、出来ませんでしたからね」

天海(てんかい)は苦笑しながら言った。

「そうだね。さて、僕達も配置につこう。奴等に一泡吹かせるために」

「そうですね」

二人はそう言いながら、走って一八階へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ