同時刻 ビル六階 倉庫室
ミサイル到着まで残り二時間を切り、邑達は何とか倉庫に着くと、そこは何も無く邑達は辺りを見渡していると、倉庫の奥から足音が聞こえた。
全員がその足音の方へサブマシンガンを向け、邑が叫んだ。
「誰だ?」
「懐かしい声だね~ヘル・イーグル」
そう言うと倉庫の奥から出てきたのは、デス・スコルピオンの精鋭部隊隊長、ニクル・ゴーワンであった。
「!ニクル……ニクル・ゴーワン将軍!」
ニクル・ゴーワン、かつてブラット・ヴァースの引き金を引いた人物で、邑達の宿敵でもあったが、大戦中に邑が殺した人物だった。
ニクルは葉巻を咥えながら言った。
「……来るのが遅かったな。もう将軍ではないんでね。将軍はつけないでくれるかな?」
「そんな事より!貴様等はここで何をしている!貴様は俺が殺したはずだ!」
「何をしている?そんなの簡単なことだよ。今見せてやる」
ニクルは指を鳴らすと、倉庫の床が消え、ある物が写し出された。
「我々の開発室と研究所だ。判るかね?我々が作っている物が」
その開発室には、春野達が見た兵器に研究所には、人間が入るぐらいの大きい水溶液容器の中には大量のアンドロイドや何かの薬品を作っている区間もあり、そして一際大きい容器には数種類のコードに繋がった物があった。
それを見た邑は息を飲んだ。
「リストからもしやと思ったが……人体実験に『A/N』精製……そして兵器開発か!!」
「ここでは、最強の戦士に最強の兵器を作り上げているんだよ」
ニクルの言葉にクリスが怒鳴った。
「何が最強の戦士だ!!人間を弄んでいるだけだろうが!」
クリスの言葉に邑は、ニクルに言った。
「そんな物を作ってどうする気だ!」
「決まっているだろ、第二のブラット・ヴァースだよ」
「なに!」
「血で血を争い、大地は幾万の血で染まり、真紅の印が出来るのだ!」
両腕を広げて、演説するかのように話しているニクルに我慢が出来なかったのか、天空がサブマシンガンで撃った。
「天空!!」
「ハッハハハッ、いいぞ!ロック・ザ・ファントム!だが、そんなオモチャで私は倒せん!」
サブマシンガンの弾は、ニクルには当らなかった。
「殺す!!」
天空は今にも飛び掛りそうだったが、瞹とクリスが止めた。
「止めろ!天空!」
「落ち着いて!」
二人が落ち着かせ、邑は言った。
「お前……その身体どうした?何か憑依して生き返ったのか?」
「フフッ……正解だ。確かにお前に殺された。だがまだ脳が生きていてね。死ぬ直前に魔物と取引したのさ!あの方の復活の為にな!!」
「何人の血を犠牲にした!」
「さぁな。ここまで来るのに苦労してね、忘れたよ。そういえばお前達の仲間の血や魂を貰ったよ!ハハハッ!!」
その言葉に邑は殺気をニクルに向けてぶつけた。
「心地の良い殺気だ。お前達も血の礎になって貰うか。それとだな、お前達の仲間は死にかけているぞ」
「なっ!!」
邑達は驚くと、ニクルはそれを気にせず指を鳴らした。
「さぁ、それぞれ死の場所に行け!」
パチッーーン!
その音と共に邑・クリス・瞹・天空はその場から消えて行った。