2XX9年05月19日 / 雨天
2XX9年05月19日 / 雨天
死にたいほど、憂鬱な気分だ。 俺は今、ものすごく気持ち悪い。
せっかくの誕生日だというのに、 今日に限ってものすごく気持ち悪い。
なぜ、なぜ、誕生日であるにもかかわらず、 こんなにも気持ち悪いのか??
――それを問い質したらキリがないが、 強いて言えば、恵梨の進化に行き詰ったから…である。
なぜ、天才であるはずの俺の才能が行き詰るのか? そんなことがあっていいのだろうか?
だが、それは“実は俺が天才じゃなかったから”とか、そういうオチで終わるものではない。
ただ、“天才にもできないことはある”……きっと、そういうことだ。 そういうことにしといてくれ。
で、現状報告をしておくと、 ただ今、恵梨は非常に健康。異常はナシ。 そして、俺に一途でいる。
まぁ、要するに“ラブラブ過ぎて困ってる”っていう感じだ。 見せつけて悪いな、照れちまうぜ★
だが、俺は恵梨に完璧を求めている。 それ故、恵梨を完璧な恵梨にしたいわけであるが、できない。
なぜなら、それは今の恵梨には欠点がないから。 ――じゃあ、それは完璧なんじゃないかって? 甘いよ。
チョコよりも、イチゴよりも、何よりも、その考えは甘いよ。 完璧なんて物はそう簡単な代物じゃないんだ。
行きついた先が完璧だって? いやっ、そんなのは、完璧なんかじゃない。 ただの行き止まりだ。
完璧というのは壁を完全に乗り越え、その向こうの超越した存在。 だから、行き止まりを過ぎなきゃ意味なんてない。
要するに、行き止まった先にあるのは、ただの不完全。 俺はその先を求めてるってことだ。
まだまだ、先は長い。 けれど、俺にできないことなんてないんだ。 やると決めたからにはやってやる。




