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プロトタイプ  作者: 尖角
18/26

2XX9年05月19日 / 雨天

2XX9年05月19日 / 雨天


死にたいほど、憂鬱な気分だ。  俺は今、ものすごく気持ち悪い。



せっかくの誕生日だというのに、 今日に限ってものすごく気持ち悪い。



なぜ、なぜ、誕生日であるにもかかわらず、 こんなにも気持ち悪いのか??


――それを問い質したらキリがないが、 強いて言えば、恵梨の進化に行き詰ったから…である。




なぜ、天才であるはずの俺の才能が行き詰るのか? そんなことがあっていいのだろうか?


だが、それは“実は俺が天才じゃなかったから”とか、そういうオチで終わるものではない。


ただ、“天才にもできないことはある”……きっと、そういうことだ。 そういうことにしといてくれ。






で、現状報告をしておくと、 ただ今、恵梨は非常に健康。異常はナシ。 そして、俺に一途でいる。



まぁ、要するに“ラブラブ過ぎて困ってる”っていう感じだ。  見せつけて悪いな、照れちまうぜ★








だが、俺は恵梨に完璧を求めている。  それ故、恵梨を完璧な恵梨(・・・・・)にしたいわけであるが、できない。


なぜなら、それは今の恵梨には欠点がないから。  ――じゃあ、それは完璧なんじゃないかって?   甘いよ。


チョコよりも、イチゴよりも、何よりも、その考えは甘いよ。   完璧なんて物はそう簡単な代物じゃないんだ。


行きついた先が完璧だって?     いやっ、そんなのは、完璧なんかじゃない。  ただの行き止まりだ。



完璧というのは壁を完全に乗り越え、その向こうの超越した存在。  だから、行き止まりを過ぎなきゃ意味なんてない。



要するに、行き止まった先にあるのは、ただの不完全。    俺はその先を求めてるってことだ。


まだまだ、先は長い。  けれど、俺にできないことなんてないんだ。  やると決めたからにはやってやる。

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