表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

2.現場

「櫻井さん、お熱計りまーす……っ!?」

 病室に入るなり看護士は驚いた。

 傍には、こんな手紙が置いてある。

『神奈川に行きます

       櫻井』

 看護士はその手紙を取ると慌てて病室を飛び出し、ナースステーションに駆け込んだ。

「そんなに慌ててどうしたの?」

 と、同僚の看護士が聞く。

「さっ、櫻井さんがいないんです!」

「えっ!? トイレにでも行ってるんじゃない?」

 その問いに看護士は、病室にあった置き手紙を出して見せた。

「何よそれ!? 彼女はまだ絶対安静よ!」



 カタンコトン、と音を立て、京急本線けいきゅうほんせんが横浜から神奈川間を走っている。

 奈々子はその電車の座席に座っていた。

「なぁ、病院抜け出して、本当に良かったのか?」

 そう言ったのは、奈々子の隣に座っている久瀬 泰一だ。

「しかし……何で神奈川なんかに?」

「決まってるだろ。俺をこの体にしたスキンヘッドを捕まえる為さ。それに、奈々子このこの為でもある………」

「為って、奈々子は東京で」

 久瀬が言い掛けると、

「あのワゴンが神奈川ナンバーなんだ」

 と、奈々子が掻き消した。

「て事は、寺島さんは奈々子を跳ねたワゴンと、寺島さんを殺したスキンヘッドの為に?」

「他に何がある?」

(何って、何て答えれば良いんだ俺?)

 そうこうしている間に、電車は神奈川駅に到着した。


「で、あんたが殺されたって言うその現場ってのは何処なんだ?」

 そう聞くのは、やはり久瀬だ。

 その久瀬に、奈々子はこう言う。

「考え事してるから黙ってろ」

「どうでも良いがあんた、奈々子の声で男口調はやめてくれねえか?」

何故なにゆえに?」

「何か、奈々子と他の男が入れ替わったみたいで……」

「似た様なもんだろ。文句言うなら有り金置いて帰れ」

「そんな無茶苦茶なっ!?」

「だったら何も言うな。解ったな糞餓鬼」

 その言葉に、久瀬は一瞬キレそうになったが、グッと我慢した。

「おいっ、いつまでそこにいるんだ!?」

 と、久瀬の傍から何時の間にかいなくなっていた奈々子は、少し離れた所で叫んだ。

「ちょっ、ちょっと待てよ!」

 久瀬は慌てて駆け出した。



 神奈川県警捜査一課の取調室では、一人の女性が二人の刑事に話を聞かれていた。

 彼女の名は三塚井みつかい 小百合さゆり。寺島 幹生の彼女である。

「だから、何度も言ってるけど、その日は幹生には会って無いわよ!」

「嘘を吐くな!」

バシンッ!──刑事は机を強く叩き、

「事件当時お前と被害者がもめていたと言う目撃証言があるんだ! お前が殺したんだろ!?」

 と、怒鳴り付けた。

「確にあの日、幹生とは喧嘩したけど、殺してなんかいないわよ!」



 奈々子こと幹生と久瀬は、道幅狭く、人通りが少ない殺風景な道を歩いていた。

「寺島さん、本当にこの道で合ってるのか?」

「ああ、間違い無え。此処はあの日、俺がスキンヘッドに殺された場所だ」

 そう言うと、奈々子は突然走り出した。

「あそこだ!」

「おっ、おい!?」

 と、久瀬は慌てて後を追う。

「でっ!」

 久瀬は急に立ち止まった奈々子の背中に埋まった。

「何だよ。急に止まるなって」

「此処だ」

「あ?」

「俺は此処で刺殺されたんだ」




本編とは関係無いが、2006年12月の18〜19日の早朝にかけて、入浴中に眠ってしまい、溺れて亡くなった祖母が、2,3日前に俺が風呂に入って何となく湯船見たら、普通に寝てるし!

しかも栓抜いてあって、お湯張って無えのに、お湯入ってる!!

残留思念でも見たか!?

それとも・・・。


あ、不定期ですが、これからは後書きに、作者の実体験談を載せていこうと思います。

          以上



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ