++プロローグ++
キンコンカンコンとチャイムが鳴り、放課後を迎えた。
「奈々子、一緒に帰ろうぜ」
そう言って来たのは、現在奈々子が交際中の久瀬 泰一。身長は奈々子より高く、奈々子の頭が彼の胸の辺りである。
奈々子はその久瀬に、
「良いよ」
と、答えると支度をした。
「じゃあ、私こっちだから。また明日ね」
奈々子はそう言って、交差点で久瀬と別れ、横断歩道を渡った。
すると、一台のワゴンが信号を無視し、奈々子に向かって突っ込んで来た。
「奈々子、危ない!」
だが、久瀬の言葉虚しく、奈々子が気付いて振り向いた時には、既にワゴンは目の前に迫っていた。
奈々子はどうして良いのか分からず、呆然と立ち尽くした。
ドカンッ!──奈々子はワゴンに跳ねられ、宙を舞った。
奈々子を跳ねたワゴンは、止まる事無く走り去って行った。
その後、奈々子は近くの病院に運ばれた。
容態は、意識不明の重態だ。
夕方、一人の男が人通りの少ない道を歩いていると、ボブ○ップの様な体格のスキンヘッドと肩が接触した。
「何処見てんだコラッ!?」
「すみません」
男はムスッとした顔で謝った。
「何だてめぇ?謝って済むと思ってんのか?」
スキンヘッドはそう言って、男に果物ナイフを突き付けた。
「殺してやる」
グサッ!──男の腹に果物ナイフが突き刺さった。
「あ……あ……」
と、男は自分の腹を見下ろした。
スキンヘッドは思いっ切りナイフを引っこ抜いた。
ベシャッ!──男の血が激しく飛び散った。
男はそのまま倒れ、息絶えた。