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【鋼の青魔】鋼の肉体を持つ青魔導士~敵の技をラーニングするが、自分を最強の戦士だと勘違い~  作者: ハリネズみ


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第12話:雷魔法の習得!

 下水道の「歴史的な詰まり」を解消した一行は、前回の黄金竜の件と同様、報酬の一部は即座に前払いキャッシュとして支払われ、残金は厳重な警備のもとでアシュレ村へ輸送される運びとなった。


 さらに今回は、特別な信用書クレジットが発行された。

毎月の利用上限はあるものの、一年の間、提携店ならどこでも自由に使用できるという、現代社会でいうところの「法人カード」のような仕組みだ。

「これで村の物資調達もスムーズになるな。ギルドの重鎮も、なかなか気が利くじゃないか」

トオルは満足そうにうなずいた。

 そしてその手続きを待つ間、一行は町の空き地で「今後のキャリア」について、再び熱い議論を交わしていた。


「現状、俺は回復魔法は使えるが、攻撃魔法は使えるのだろうか。エルナ、一般的な攻撃魔法とはどういう仕組みなんだ?」

「私も専門じゃないけど、火起こしくらいならできるわよ。いい? こういうイメージで……【着火イグニート】!」

 エルナの指先に、ぽっと小さな火が灯る。

「なるほど。やってみよう。……着火!」

 トオルが手をかざすが、虚空を風が抜けるだけで、火の粉一つ飛ばない。

「……無反応だな。やはり俺には火の適性がないのかもしれない」

「そうね……トオルに火の適性はないのかも。何でもできたら無敵すぎるものね。十分すぎるくらい規格外なんだから、欲張らなくてもいいんじゃない?」

 エルナの言葉に、トオルも「まあ、ジェネラリストよりスペシャリストを目指すべきか」と納得しかけたが、そこでリノが身を乗り出した。


「待ってダーリン! ダーリンに限って、攻撃魔法の適性がないなんてありえないわ! 確かアージェンには、魔法学の権威と言われたすごいおじいさんが隠居してると聞いたことがあるよ。王都で宮廷魔術師として育成担当をしていたって話だし、教えてもらえるかもしれない!」

「……宮廷魔術師か。外部に技術支援を依頼するのは良い案だな」

「リノ、ちょっと探してくる!」


 リノの機動力により、それはすぐに見つかった。

 一行は町外れの、蔦で覆われ入り口を探すのが難しいほど古びた建物へと向かった。


「ここか……。古びている上に、衛生環境が良好とは言い難い。……【クリーン】!」  トオルが手をかざすと、建物が眩い光に包まれた。

積年の煤汚れやカビが一掃され、ボロボロだった木材こそ直っていないものの、手術室のように磨き上げられた「超清潔な廃屋」へと変貌を遂げる。


「ごめんください」

エルナが恐る恐る声をかけると、奥から腰の曲がった老人が目を白黒させて飛び出してきた。

「な、なんじゃなんじゃ!? 急に家の中の埃が消え去り、清潔な空気で満たされたようだが、一体何事じゃ!?」

そう、彼が、かつて宮廷を支えた伝説の魔術師、ゼフであった。


 トオルたちが事情を話し、「家を清掃したお礼」という名目で、ゼフは渋々ながら魔法広場でいくつかの魔法を披露することになった。

「これでいいか? 老骨には堪えるので、これくらいで勘弁してくれ。……火よ(ファイア)! 水よ(ウォーター)! 風よ(ウィンド)!」

ゼフが次々と基本属性の魔法を試させるが、トオルの手からは相変わらず何も出ない。

「……やはり、適性なしか」

「まあ、そう落ち込むな。誰もが魔法の適性を持っているとは限らない……学習と研鑽を積めば、初級程度の魔法は使えるようにはなる。最後にこれを試してみるか。

……雷よ(サンダー)!」

ゼフの杖から放たれた小さな電気ショック。

トオルはそれを見た瞬間、先日の森でサンダーバードに打たれた「あの感覚」を思い出した。


「……雷、か。優柔不断な鳥の魔物から食らったな。……【サンダー】!」

 直後、空を割るような轟音と共に、巨大な落雷が広場に降り注いだ。

あまりの衝撃波に地面は焦げ、周囲の空気はオゾン臭に満たされる。

「(腰を抜かして)……ば、馬鹿な。今のは初級じゃない、特級の出力だぞ!? お主……適性がないどころか、雷属性においてのみ強力な、いや、異常な適性を秘めておる……!」

「なるほど。これなら遠距離攻撃にも使えそうだ」


 ゼフに丁寧な礼(コンサル料としての食料品)を渡し、建物を後にする。

「エルナ、気づいたぞ。クリーンで建物を綺麗にすれば、町中の熟練者たちから技術指導(OJT)を仰げるんじゃないか!? 最高の物術交換だ!」

「待って! 待ってトオル! それ以上目立つのだけはやめて! せっかく商会との不祥事を秘密裏に調整したのに、そんなことしたら一瞬で有名人になって全部台無しになるわ!」

「……ま、それもそうか。目立ちすぎるのはリスクマネジメントに反するな」


 一行は再び宿舎の酒場で、今後のキャリアについて議論を交わした。

ほどなくして、ギルドから信用書の手配完了の連絡が入り、トオルたちは「この世界での経済的基盤」が完全に確立されたのであった。

次回、13話は2026年2月22日更新です。


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