すみませんでした!!!
ヴェルンドの東側は直接魔王軍の領土と面しているせいか、東側の城壁や門は他の方面のよりも更に堅牢に作られていた。また、門番や見張りの兵士の数も多く、その全員が威圧感のある表情で持ち場についており、ラオト達が入ってきた西側の門のような和やかな雰囲気ではなかった
「えっと、すみません」
ラオトは真剣な表情をした門番のドワーフに、恐る恐る声をかけた
「なんだ、何か用か?」
「私達この先に行きたいんだけど」
「この先だと?お前達、この先がどれだけ危ないのか知らないのか?」
「キオンの城があるんだろ、俺達はそこに用があるんだ」
その言葉を聞いた門番は、一瞬驚いた表情になったが、またすぐに元の顔に戻った
「腕試しでもしに行くつもりか?やめておいた方が良いぞ」
「腕試しじゃなくて、キオンの城を制圧しに行くだけだよ」
先ほどよりも衝撃の理由を聞かされた門番は、またもや驚いた表情になり、今度は真剣な表情には戻らなかった
「制圧しに行くだけ!?お前ら、それがどれだけ大変か分かっているのか?」
「大変?ただ城の中にいる魔王軍を一掃するだけじゃないのか?」
「いやいや、それがどれだけ大変だと、、、まてよ」
門番は、非常に困難な内容を軽々と口にするラオトに対し、とある予想を立てた
「(待てよ、キオンの城制圧という、ヴェルンドの兵士を総動員しても困難な内容を、なぜこんなにも堂々と話せるのだ?」
門番は、自分の前に立つラオトら一行を見つめた
「(魔法使いに剣士、ケンタウロス、それに天使に悪魔か、中々良いメンツが揃っているが、、、もしかして)」
門番は咳払いをすると、また先ほどまでの真面目な表情に戻った
「ゴホン、一つ質問しても良いか」
「あぁ、なんだ」
「その杖と服装を見るに、君は魔法使いだな」
「そうだ」
「それでは、君が使える魔法の中で、一番階級が高い魔法はなんだ」
「えっと、、、ソールだな」
その魔法を聞いた門番は、表情には出さなかったが、心の中は様々な感情が入り乱れていた
「(ソールだと!?!?土属性の最上級魔法じゃないか!やはりそうだ、この冒険者達只者じゃない!)」
門番はラオト達の強さに興奮したが、それと同時に強い焦りも感じていた
「(ヤベェーやっちまった、こんなに凄い人達にタメ口で話しかけちまった、あぁー終わった、俺の人生終わった、これがバレたら俺の出世コースはパーだな、いや、その前に、機嫌を悪くしたこの冒険者達によって消されちまうじゃないか!)」
「えっと、、、」
「(それだけはダメだ!俺はまだまだ生きていたいんだ!どうすれば良いどうすれば良い、考えろ俺!)」
「おーい」
「(マズい!ソールを使える魔法使い様が俺を呼んでいる!まさか俺は殺されるのか!?、、、クソ!こうなったら一か八かだ!)」
心の中で決心した門番は、ラオト達の目の前で勢いよく土下座した
「すみませんでした!!!」
「え?」
「え?」
「え?」
急に門番に土下座をされたラオト、ウィンディ、ホルスは非常に戸惑った、一方で、門番の心境を見ていたスティアとアレスは必死に笑いを堪えていた
「急にどうしたんだ?」
「分からない、私達何かしたっけ?」
「おい、なんで急に謝るんだ?」
「申し訳ございませんでした!!どうか命だけは、命だけはお助けください!!」
3人の言葉は、必死に命乞いをする門番には届かなかった。しかし、門番の心境をよく分かっていたスティアは、早く町から出るために、上手く門番の心境を利用した
「そうでしょ、あなたも死にたくはないでしょ」
「はい!!どうか命だけは!!」
「それじゃあ、、、」
スティアは門番に近づくと、耳元で何やら話し始めた
「分かった?」
「はい!!お任せください!」
そう言うと、門番は持ち場を離れ、どこかへ走って行ってしまった
「よし、通りましょ」
「、、、なんだったんだ?」
状況が全く理解できていないラオト達だったが、ひとまず、門番のいなくなった門をくぐり、町の外へ出た




