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科学の知識で異世界旅  作者: 察知
プリズン山

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壁画

ラオトとウィンディの二人は、暗闇の中を迷わずどんどんと進んでいく考古学者ドワーフの後に付いていった、しばらく歩いていると、3人が歩いている通路が先ほどまでの書物庫の雰囲気からガラリと変わり、石でできた遺跡のような作りになり始めた

「凄い、、、書物庫の奥にこんな場所があるなんて」

「もうすぐ着くぞ、先客が居るが気にしないでくれ」

「先客?それって、、、」

ラオトの予想は当たり、考古学者ドワーフに案内された広間には見覚えのある人影が立っていた

「アレス!」

アレスは広場の壁に掛けられている松明の近くで本を読んでいたが、ラオトの声が聞こえると直ぐに本を閉じ、ラオト達の方へ視線を向けた

「ラオト?それにウィンディも居るではないか」

「何じゃ、あんた達知り合いじゃったのか」

「あぁ、俺達一緒に冒険しているんだ」

「そうじゃったか、考古学に興味のある者が二人もおるなんて、なかなか珍しい冒険者パーティじゃのう」

「なんと!もしやラオトも興味があるのか?」

「俺の興味のある物が考古学に関係があるらしい」

「興味ある物?それは一体なんだ」

ラオトは手に持っている虫眼鏡らしき道具をアレスに渡した

「ほう、中々奇妙な形をしているな」

「それはワシの使っていた魔道具じゃ、そいつを見たその若者が何やら興味深そうにしておったのでな、そいつと関係のある壁画があるここに連れてきたのじゃ」

「壁画?」

「ラオト気づいてなかったの?ほらあそこ」

スティアが指を刺した壁の方向を見ると、暗闇の中に薄らと何かの模様が見えた、その模様をよく見てみると人や家のような模様になっている事に気がついた

「うわ、何だこれ!」

「何じゃ、気づいておらんかったのか?」

「あぁ、ただの変な模様かと思ってた、、、」

ラオトは壁画に近寄り模様をよく確かめた、その壁画に描かれていた町は見たことのない古い建物が沢山並べられていたが、その特殊な作りや黒い石でできていることから、すぐにヴェルンドの昔の姿だという事が分かった

「これは、、、ヴェルンドの昔の姿か?」

「おぉ!なかなか感が鋭いのう、そうじゃ、この壁画に描かれているのは約1000年ほど前のヴェルンドの町並みと言われておるのじゃ」

「へぇ、昔のヴェルンドはこんな感じだったのね、今よりもだいぶ家が小さいね」

「この時代はまだ建築革命が起こってないからのう、この時代はこの町以外の町も、みんな建物が小さかったのじゃ」

「建築革命?」

「あれ、ラオト知らないの?」

「あぁ、知らないな」

「そうか、それなら考古学の専門家であるワシが教えてやろう」

考古学者ドワーフは壁画に近づき、その後ラオトの方を向き軽く咳払いをした

「オホン、建築革命とはじゃな、およそ600年ほど前に起きた出来事でな、とある街で画期的な建築技術が発明され、その技術は瞬く間に世界中に広がり、様々な国や街の建築技術が飛躍的に進歩した出来事じゃ、この出来事が起こる前は、この壁画に描かれているように石や木を積み重ねただけの家じゃったが、建築革命が起こってからは、より強固で巨大な建物が造られるようになったのじゃ」

「ちなみにだが、我は建築革命前の建物を見た事があるのだ、その時代の建物は今とは違い、何の装飾もなくただ石や木を積み上げただけのつまらない建物ばかりだったな」

「まぁ、そういう時代だったのじゃ」

「へぇ、そんな事があったんだな、ところでこの壁画って本当にこの道具と関係があるのか?一見関係なさそうだけど、、、」

「そうじゃそうじゃ、お主はそれが気になっておるんじゃよな、その魔道具に関する壁画はあそこにあるんじゃ」

考古学者ドワーフは、1000年前のヴェルンドが描かれた壁画の少し上を指差した

「うーん、暗くてよく見えないな」

「そうなんじゃ、そこで誰か明かりを点けてはくれぬか?」

「え?」

「何じゃ?冒険者パーティなら一人ぐらいは明かりを点ける役がいるじゃろ」

「あ、、、」

「あ、、、」

「ふむ、、、」

3人は、ここに居るメンバーでは明かりをつけられない事に気づき唖然とした

「どうしたのじゃ?」

「、、、えっと、ここに居る3人以外にもあと2人仲間がいて、、、」

「、、、その2人なら明かりを点けられるんだ」

「、、、つまり、お主らではあそこを照らす事はできないのか」

「そうなるな、、、」

4人は一旦壁画の前に集まり、これからどうするか話し合った

「困ったのう、これではあそこの部分を見る事ができないのう」

「うーん、誰かが2人を連れてくるとか?」

「私は、、、ちょっと遠慮するね」

「俺も道がわからないし、、、アレスはどうだ?」

「我もあまり自信はないな」

「となると、、、」

ラオトら3人は横に座っている考古学者ドワーフの方を向いた

「ワシか?ワシが行ってもいいが、お仲間の特徴を教えてはくれぬか?」

「えーっと、1人は大きな槍を背負ったケンタウロスで、もう1人は金髪の天使だ」

「分かった、それでは行ってくる」

考古学者ドワーフが出発しようとした時、ラオト達がきた道から、物凄い足音を立てて、誰ががこちらに近づいてきている音が聞こえた

「誰かくる!」

考古学者ドワーフは物陰に隠れ、他の3人は各々武器を構えた、足音はどんどんと大きくなり、ついに大きな叫び声と共に足音の正体が姿を現した

「うおぉぉぉぉ!!」

「うわぁぁぁぁ!!」

叫び声と共に、見慣れた2人が広場へ飛び出した








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