考古学者
ラオトとウィンディが恐る恐る背後を振り向くと、声のした暗闇から「カツン、カツン」と誰かが近づいてくる音が聞こえた
「誰か来る!」
「アレスの声じゃなかったよな、それじゃあ、、、」
二人は急いで武器を構え、正体不明の人物の襲来に備えた、足音がどんどんと大きくなり、ついに目の前の暗闇からローブを着た一人のドワーフが姿を現した、しかしそのドワーフは武器を構える二人を見ると、怖気付いたのか情けない声をあげた
「な、なんじゃ君達、そんな物騒なものをワシに向けるんじゃない!もしや盗賊か?」
「ドワーフ?」
そのドワーフの様子から、敵意がないことを確認し、二人は構えていた武器をしまった、しかしそのドワーフはパニックになっているのか、こちらが武器をしまったことに気づかずに、勝手に盗賊として話を進めていた
「た、頼む、どうか、どうか命だけは!代わりにワシの持っているもんを全て渡すから、どうか帰ってくれ!」
そう言うと、そのドワーフはローブの中にしまっていた様々な物を地面に置き始めた
「ほれ、こんなガラクタで帰ってくれるなら、好きなだけ持っていくといい」
「ちょっと待って!」
ウィンディとラオトは、急いで物を取り出すドワーフを止めようとしたが、ドワーフの取り出した物の中にふと見覚えのある道具を見つけたラオトは、焦るドワーフの前に置かれているその道具を持ち上げた
「これって、、、虫眼鏡?」
ラオトが道具を持ち上げた事に気がついたドワーフは、名残惜しそうにラオトの持っている道具を見つめた
「それはワシのお気に入りだったのだが、、、仕方がないのう」
「いやちょっと待て!俺達は盗賊じゃないって!」
「、、、なんじゃと?」
ようやく二人の言葉に耳を貸したドワーフは、二人が盗賊じゃない事を知ると、その場に座り込み安堵の表情を浮かべた
「何じゃ、そうじゃったのか、それならそうと早く言わんか」
「さっきから止めてたよ!」
ウィンディがドワーフに突っ込みを入れている中、ラオトはその道具をじっと見つめていた
「どうしたんじゃ若いの、そいつが気になるのか?」
「あぁ、そうなんだけど、、、なぁおじさん、これってどこで手に入れたんだ?」
そのドワーフは床に散らばった道具を回収しながら、ラオトにその道具について説明した
「そいつはワシの何代も前の祖父が、この町にきた風変わりな旅人から譲り受けた魔道具じゃ、ほれ、その透明な部分を覗いてみるんじゃ」
ラオトはその道具のピントを覗くと、やはり虫眼鏡同様、目の前の物が大きくみえた
「どうじゃ、凄いじゃろ、そいつの中を覗くと、目の前の物が大きく見えるのじゃ、それがワシの職業と相性抜群でな、いつも持ち歩いているのじゃ」
「そういえば、おじさんは何の職業をしているの?」
「ワシか?ワシはこの町随一の考古学者じゃ」
「考古学者?何でこんな所に考古学者が居るんだ?」
「うーむ、話せば長くなるのう、、、そういえば、お主はその道具が気になっていたじゃろ」
「そうだけど、それが何だ?」
「実はワシがここに来た要件は、その道具にも関係する事なのじゃ」
「何!?」
ラオトは考古学者ドワーフのその一言にすぐさま反応した
「おぉ凄い反応じゃな、もしや興味があるのか?」
「あぁもちろんだ!」
「そうかそうか、それならワシの後についてくるといい」
そう言うと、考古学者ドワーフは自分が来た暗闇の方へ歩いていった
「えっと、、、ついていった方が良いよね」
「あぁ、行こう!」
ラオトは元いた世界の手がかりを見つけられるかもしれないとワクワクしていた、そしてラオトは隣で話についていけていないウィンディを連れて、考古学者ドワーフの後についていった
魔道具
強い魔力が込められており、自身の魔力を消費せずに、その道具に応じた魔法を使うことができる道具。魔力が少なく、魔法をあまり打てない種族に愛用されている。しかし、その便利な効果や、自身が使えない属性の魔法を放てる為、魔法が使える種族にも使われている。
形や効果は様々で、自分の魔力を使わずに不思議な効果を発動できる道具は全て魔道具に分類される。その為、中には魔道具ではなく科学の世界の産物が魔道具として扱われている場合もある




