フィクションの二人
子供用の本すら理解できなかったラオトは、とりあえず他のみんなにオススメを聞いてみる事にした、まずは一番近くのファンタジー小説エリアにいるホルスの元へ向かった、ホルスは気になる本を一冊棚から抜き取り、その場で立ち読みしていた
「おーい、ホルス」
その声に気づいたホルスは、一旦本を読むのを中断し、ラオトの方へ振り向いた
「お、どうしたんだ?ラオトもこういうのに興味があるのか?」
「いや、そういうわけじゃなくて、ここにどんな本があるのか分からないから、みんなにオススメを聞こうと思って」
「なんだ、そういう事か、ちょっと待ってろ」
ホルスは近くの棚から一冊の本を取りだし、ラオトへ渡した
「結構分厚いな、これはどういう本なんだ?」
「こいつは俺オススメの戦闘小説「桃の三兄弟」だ、とある桃農家で育った3人が、賊狩りでの功績をきっかけに、どんどん成り上がっていく話だ」
ホルスはそのままの勢いで、この小説の良いところを熱弁した
「この小説の良いところは、なんといってもその戦闘描写だ!男と男の熱い戦い、張り巡らされる策略、窮地を切り抜ける主人公達!そして最後は、、、おっとこれはネタバレだな、ともかく、俺はこの小説がオススメだな」
「へぇ、結構面白そうだな、けどかなり長そうだな」
「まぁな、俺でも一日1時間読み続けても一年かかったからな」
「そんなにかかるのか!」
「そうだな、まぁ俺みたいに冒険の合間の暇つぶしにはちょうど良いぞ」
「それもそうだな、、。それじゃあ試しにこれ買うか」
「おぉ!買ってくれるのか!感想を共有できる仲間が増えて嬉しいぜ」
ホルスは仲間ができて嬉しそうな様子だった
「それじゃあ、その本を持ってあのドワーフの所へ行くんだ、カウリィを払えば売ってくれるぞ」
「分かった」
ラオトはホルスに教えられた通り、本を持って店主のドワーフの元へ向かった
「すみません、これ欲しいんですが」
「お、桃の三兄弟じゃないか、そいつは俺も好きなんだ」
「俺の仲間にオススメされたんです」
「へぇ、そのお仲間、なかなかセンスが良いな、1000カウリィだ」
ラオトは店主に1000カウリィを支払った
「まいど」
既に一冊買ってしまったラオトだが、せっかくなら他の3人のオススメも聞いておきたいと思い、今度は別のファンタジー小説エリアに居るスティアの元へ向かった。そこにいたスティアは小説を見ながらゲラゲラと笑っていた
「何やってんのよこの悪魔、アハハ!」
「おーい、スティア」
「!!!」
スティアは声が聞こえた瞬間、咄嗟に手に持っていた本を棚へ隠したが、その声の主がラオトと気づくと、「ふぅ」とため息を吐き、もう一度その本を取り出した
「あれ、ラオトじゃん、どうしたの?」
「凄い笑っていたけど、どんな本を読んでいるんだ?」
スティアは辺りをキョロキョロと見回し、アレスがいない事を確認すると、持っていた本をラオトに渡した
「悪魔没落記?」
「そう、悪魔族がどんどんと落ちこぼれていく話よ」
「へぇ、この本って面白いのか?」
「もちろん!いつも傲慢で憎たらしい悪魔達が、天使や人類によってどんどんと落ちぶれていくさまを見るのは、最っ高に面白いわよ」
「そ、そうなのか」
ラオトは、スティアの面白がる理由に若干引いていた
「私が特に面白いと思ったところはここ!この悪魔の指揮官が天使に追い詰められ、みっともない小物っぷりを晒しているところとか、他にも、この悪魔達の作戦が失敗するところとか、、、」
スティアの話が長くなる雰囲気を察したラオトは、スティアに別れを告げ、急いで逃げ出した
「悪い、俺見たい本があったんだ、そこに行ってくる」
「そっか、、、今度、あの悪魔がいない時に、内容を教えてあげるね」
「あぁ、楽しみだな、、、」
スティアと分かれたラオトは、次に図鑑コーナーに居たウィンディの元へ向かった




