いざ出発!
5人はクレフと別れた後もぶらぶらとこの街を出歩いていた、飲食店へ寄ったり、装備を見直したり、ちょっとしたお土産などを買ったり、そんな事をしているうちにあっという間に日が暮れてしまった
「もうすぐ夜だね、早いなぁ」
「あぁ、今日は久々に充実した日だったな」
「我も中々面白いものが見れて満足だ、思い出すだけで笑ってしまいそうになる、あの堕天使の顔よ」
「うるさいわねぇ、この覗き見悪魔!」
「明日から本格的に戦闘が増えるから、今のうちに休んでおかなきゃね」
「そうだな」
5人は宿へ戻り、各々出発へ向けて準備した
「ホルス、あの瓶まだ持ってるか?」
「あのオレンジの液体が入っているやつか?」
「そう、それだ、せっかくバックを手に入れたんだし、自分のものは自分で持たなきゃな」
「そうか、分かった」
ホルスはラオトへ謎の液体の入った瓶を渡した
「ありがとうな」
「やっぱり自分でバックを待つのも良いよね」
ウィンディは羨ましそうにラオトのバックを眺めた
「ウィンディはバック買わないのか?」
「私は鎧が邪魔でバックやリュックを背負えないんだよね、だから大事なもの以外はホルスに任せているの」
「まぁ、それが俺達ケンタウロスの役目だからな」
「そうだね、頼りにしてるよ!」
「おう!」
準備を整えた5人はレストランで食事をとり、今日も一つしかないベット争奪戦が始まった
「俺は昨日寝たから今日は譲るよ」
「なら、我と堕天使の一騎打ちだな」
「アンタには絶対に負けないわ!」
二人は長い意気込みを終えた後、対抗心を燃え上がらせながら勝負を始めた
「じゃん!」
「けん!」
「ポン!!」
最初はお互い引き分けとなり、お互い気を整えた後、再度勝負が始まった
「じゃん!!」
「けん!!」
「ポン!!!」
3人が見守る中勝者は決した、今にもアレスを殴り飛ばしてしまいそうな程、勢いよくグーを出したスティアに対し、アレスは冷静かつ慎重にパーを出した
「ハッハッハ!我の勝ちだな!」
「ズルよ!今後出ししたでしょ!!」
「ハッ!みっともないぞ堕天使よ、天使なら天使らしく素直に負けを認めたらどうだ」
スティアは物凄く反論したそうにしていたが、その気持ちを抑え、一旦冷静になった
「、、、そうよね、どれだけウザくて傲慢でうるさくて自己中で自信過剰で無礼で嘘つきで弱くて、たった一回勝っただけで喜ぶような哀れな悪魔も、慈悲深く許してあげなきゃね、なんて言ったって私は天使だもの」
「凄い数の悪口だな」
「まあいい、どちらにせよ今日ベットで寝るのは我だ」
アレスは早速ベットに寝転がった
「何という快適さ!やはり寝るのはベットに限るな」
アレスはそのままスティアの方を向きドヤ顔をした
「はぁ、この街に来てから1日もベットで寝れていないという哀れな堕天使よ、残念だったな!」
「、、、、チッ」
スティアはアレスに煽られ、思わず舌打ちをしてしまった
「それじゃあ就寝だな」
ラオトが部屋の電気を消すと、5人は各々の寝床へ向かった、ラオトは寝心地がとても不評な干し草に少し心配していたが、いざ横になってみると、ラオトの服が鋭い干し草から肌を守ってくれており、頭をのぞけば案外寝心地は悪くなかった、しかしそれ以上にラオトを寝かせない要因があった
「はぁ、何でジャンケンで負けたの、、、」
それは横に居るスティアの独り言がうるさく、集中して眠りに着けなかった
「ブツブツブツブツ、、、」
「、、、えっと、スティア?」
「ブツブツブツブツ、、、」
スティアはアレスに負けたのがよほど悔しかったのか、ラオトの声が一切聞こえていない様子だった
「ブツブツブツブツ、、、」
「、、、」
スティアの独り言のせいでラオトもまともに寝る事が出来なかった、スティアがようやく眠りについた数時間後に、ようやくラオトも寝る事が出来た
ようやく寝る事が出来たスティアとラオトだったが、寝始めてすぐに朝がやってきてしまった
「、、、朝か」
一番に起きたホルスは、寝ているみんなを起こしに向かった、その時、ラオトとスティアの寝ている方向から声が聞こえたため、ホルスはラオトとスティアの寝ている方へ向かった
「、、、ブツブツブツブツ」
「、、、うぅ」
スティアは寝ながらもブツブツ言い続け、隣にいたラオトは手で耳を抑えながら項垂れていた
「、、、こっちは大変そうだな」
ホルスは二人を起こすと、二人はすぐに飛び起きた
「、、、悪夢を見ていたわ」
「、、、俺も」
その後他の二人も起こし、準備を整え、部屋を清掃した後、5人はクラトとの待ち合わせ場所である門の前へ向かった、そこには既にクラトがおり、約束通り物資を持ってきていた
「おはよう所君、昨日はよく眠れたかね」
「あぁ、バッチリだ」
「最高の朝である!」
「私も!」
絶好調で朝を迎えた3人に対し、ラオトとスティアはまるでゾンビのようにげっそりしていた
「、、、あぁ」
「、、、今日は君達か」
変わり果てた二人を見たクラトは少し取り乱したが、すぐに本題へ話を戻した
「君達に言われた通り、水と回復薬の補充、それと地図を用意した、それからこれを」
クラトはスティアに一枚の紙を渡した
「これから君達が行くプリズン山脈は非常に険しい地形だ、そこで君がここに書かれている魔法を覚えて、みんなをサポートするのだ」
クラトが渡した紙には、標高が高いところでも息苦しくならない魔法やスタミナが上がる魔法、滑りにくくなる魔法など、登山を手助けしてくれる魔法数個の名前と用途、使用方法が書かれていた
「君が疲れているのは重々承知だ、だが、この魔法を使うか使わないかでは難易度が天と地の差だ、君達の旅をより円滑に進めるためにも、君には是非覚えてもらいたい」
「、、、分かったわ」
スティアはひとまず紙をホルスのリュックへしまった
「それと、この物資は旅に使ってくれ」
クラトは様々な物資をホルスに持たせた
「よし、これで準備は完了だな」
「そうだね」
いよいよ出発しようとする5人に向かい、クラトは最後に一言別れの言葉を告げた
「君達の旅の成功を願っている」
「あぁ、クラトさん達も戦争頑張れよ!」
クラトは静かに頷き、獣人の国を出発した5人を見えなくなるまで見送った
天使と悪魔の生活
天使と悪魔は、人間の強い想いと大量の魔力によって構成されているため基本的に実態はない、そのため物を持ったり食べたりは出来ない、その代わりに強い魔力を持っている為、物を浮かしたりする事で、物を持ったり運んだり出来る、しかし浮かせられるのは物だけで、人間を浮かす事は出来ない
悪魔と天使は特にお腹が空いたりはしないが、飲酒店などで注文できる悪魔と天使用の食事目当てで飲食店に入る事がある




