十分な戦力
深夜になり外を出歩く者は1人もいない静寂した夜、スティアとアレスがようやく寝静まった頃、一行の泊まる部屋の窓に小さな十災魔神、ソポスがやって来ていた
「ふぅ、やっと着いたぞ、この部屋だな」
ソポスは窓をよじ登り、部屋の中に居る5人の姿をよく観察した
「元から厄介だった3人に加え、さらに厄介なのが2人増えてしまったな」
ソポスは手に持っていた豆粒ほどの水晶に向かい話しかけた
「悪魔の国と友好を結び、悪魔に対抗する手段を殆どを破棄してしまったが、まさか悪魔の国に所属しない悪魔がまだ居たとは」
ソポスが水晶に話しかけると、水晶からひょうきんな声が発せられた
「でも脅威になる悪魔はそいつだけネ、そいつさえ倒してしまえば問題無いアル」
「簡単に言ってくれるな、お前も戦場で見ただろ、この悪魔のオーラを」
「確かにその悪魔のオーラは凄かったネ、それじゃあ改めて間近で見て、作戦はどうするネ?」
「この悪魔を相手に戦っても、有効打が無いこちら側が一方的にやられるだけだ、今はこの一行が居なくなるのを待ち、悪魔がこの街を出た後にもう一度戦線を押し上げる事にする」
「分かったネ、押し上げはこのプラクスに任せるヨロシ」
「あぁ、頼んだぞ」
ソポスは部下の鳥の魔人を呼び、戦場へ飛び去っていった
ソポスが来ていた事を知らない3人は、何の緊張感もない、穏やかな朝を迎えた、ホルスが一番最初に起き、眠りが浅かったスティアとアレスもホルスの音に気付き目を覚ました、その後ぐっすり寝ていたウィンディとラオトを起こし、宿のレストランで朝食をとり、その後アクシスギルドの宿営地へ向かった、宿営地にはクラトが待っていた
「おはよう所君、昨日はぐっすりと眠れたか」
「俺はよく眠れたな」
「私もね」
「俺もだな」
「、、、一応寝れたね」
「、、、あぁ、一応だな」
よく寝れた3人とは対照的に、あまり寝れなかったスティアとアレスは暗い表情をしていた、その寝心地の悪さは、いつも言い争いをしている2人が反論せずに共感するほどだった
「、、、そうか、色々大変だったようだな」
クラトもその様子を察し、2人を慰めた
「、、、えっと、今日は何をすれば良いんだ」
「それを君達に話したかったのだ」
クラトは軽く咳払いをし、改めて5人へ話し始めた
「スティア殿のおかげで獣人の国に集まる様々な陣営の兵士を殆ど回復する事ができた、これにより戦線維持がさらに強力になる、さらに昨日アレス殿と一緒に戦場へ向かったのだが、魔王軍の兵が殆どいなかったのだ、つまり形勢が良くなったという事だな」
「そうか、それってつまり」
「そうだ、君達がこの街に来た理由、アクシスギルドの者を選んで連れて行く事が、余裕のある今ならできるという事だ」
「案外早かったな」
「君達の協力のおかげだ、少し待っていてくれ」
クラトは机を持って来て、その上に一枚の紙を広げた
「ここにアクシスギルドの精鋭兵の詳細が載っている、この中から選んでくれ」
5人はその紙をじっくりと見た、しかし、ラオトはとある事を思った
「うーん、俺思ったんだけどさ」
「何を?」
「スティアとアレスはこれからも俺達に着いて来てくれるのか?」
「まぁね、その予定だよ」
「うむ、なかなか複数人での旅も楽しかったからな」
「そうか、それで思ったんだけど、、、この2人が居たらアクシスギルドの人は要らなくない?」
「、、、」
ラオトから発せられた衝撃の発言に、クラト以外の4人が固まった
「、、、実は私もそう思っていたのだ」
「え、そうなんですか?」
「あぁ、初めて君達5人を見た時思ったのだ、既に君達のチームの戦力は凄まじい程に高いと、それに天使と悪魔もおり、対処できない敵が殆どいないともな」
「確かに言われてみれば、このチームってなかなか相性が良いね」
「俺とウィンディが前衛、ラオトとアレスが後衛、スティアが支援、確かに既に完成されているから、これ以上人は要らないかもな、かえってバランスが悪くなっちまうな」
「そういう事だ、みんな、それで良いか」
全員ラオトの意見に賛成なようで、何の反対もなく頷いた
「そういう事だ、俺達はこの5人で行くことにするよ」
「分かった、メンターさんにも伝えておこう」
クラトは紙を鎧の中へしまった
冒険者
目的の為に様々な場所や街を探検する職業、この世界ではメジャーな職業で、様々な取材の冒険者がいる。冒険者というのはあくまで総称で、冒険者の中にも様々な役職があり、その役職によって得意分野や苦手分野、相性のいい属性などがある。冒険者パーティーの人数に応じて必要になる役職が変わり、五人パーティの場合、前衛2人、後衛二人、サポート一人が最適と言われている




