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科学の知識で異世界旅  作者: 察知
新たな仲間

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30/55

ふかふかベットor干し草

日が暮れ始め、街の街頭に魔法の火が止まり始めた頃、アクシスギルドの宿営地内のベットで横になっていたウィンディが、ようやく目を覚ました

「うーん、あれ、ここは?」

ウィンディは近くの椅子で寝ている兵士を見つけ、ここがどこか聞く為に少し揺さぶった、するとその兵士はウィンディの事をクラトだと勘違いしたのか、すぐに飛び起き敬礼をした

「はい!自分は寝ていたのでは無いですよ!少し考え事を、、、って何だ、アンタか」

「起こしちゃってごめんね、あなたの服装を見るにアクシスギルドの人だよね、という事はここは獣人の国?」

「そうさ、獣人の国の中にあるアクシスギルドの宿営地の中だ」

「もう獣人の国に着いたんだね、そういえば他のみんなはどこに居るの?」

「もう夜だし、多分宿に居るんじゃないか?この宿のはずだ」

兵士は獣人の国の地図を取り出し一軒の宿を指差した

「確か部屋は205号室のはずだ」

「分かった、教えてくれてありがとうね」

「まぁな、これが俺の役目だからな」

ウィンディは兵士にお礼をした後、兵士に教えてもらった宿へ向かった、宿へ入るとそこにはラオトの姿があった

「ウィンディ!良かった、起きたんだな」

「うん、おかげさまでね」

「俺達の部屋はこっちだ、着いてきてくれ」

ラオトに連れられウィンディは205号室へ向かった、ドアを開けると中には気分が良さそうなホルスとスティア、それとは逆に少し落ち込んでいる様子のアレスが待っていた

「おっ、ウィンディも来たな」

「おかえり〜」

「これで全員揃ったな」

「2人とも、何だか気分良さそうだね、私が寝ている間に何かあったの?」

「あぁ、俺は昔からの友人と少し食事したんだ、なかなか楽しかったな」

「私はいろんな陣営の負傷者を回復してまわってたんだよ、みんなからの感謝の嵐でねぇ、それはそれは気持ちよかったなぁ」

「へぇ、そんな事があったんだね、アレスはどうしたの?」

「はぁ、我はアクシスギルドに頼まれ戦場に赴き、魔王軍の討伐を頼まれていたのだが、魔王軍の奴め、我を恐れたのか全く兵を寄越さなかったのだ、おかげで我が受けるはずだった恐怖の感情は全くなく、代わりに救助した兵達の感謝の感情しか貰えなかったのだ」

「それっていいことじゃん」

「まぁな、しかし我が求めているものでは無いのだ」

「プププ、悪魔って可哀想だねぇ、せっかく感謝の感情を貰っても、大した快感にはならないんだからね」

スティアはアレスを嘲笑った

「そんな事より、全員揃った事だしあの問題について話し合おう」

「あの問題?」

「あぁ、あれを見てくれ」

ラオトの指差す先を見たウィンディは、恐ろしい問題の正体を見て驚愕した

「、、、ベットが一つしかないね」

「ここの店員に話を聞いたんだけど、獣人は基本的にベットで寝ないから、あまりベットを置いていないんだってな、それに今は戦争中でこの街に来る冒険者の数も減っているから、さらにベットの数を減らしているらしい」

「なるほどね」

「後はそこにある獣人用の干し草で寝る事になるけど」

「、、、硬そうだね」

「そうか?意外と寝心地良いぞ」

ホルスがそう言いながら部屋の端に置かれた干し草に寝っ転がり、気持ちよさそうにあくびをした

「、、、意外と悪くないのか?」

ラオトも試しに横になってみたが、干し草の硬さ、そしてチクチクとした痛みに耐えきれずに飛び起きた

「やっぱりダメだ、俺には合わないな、そういえば天使と悪魔も痛みとか感じるのか?」

「基本的に物理的な痛みなどは感じぬが、干し草のトゲトゲや硬さによる寝心地の悪さは感じるぞ」

「そうか、それじゃあこの4人で誰がベットでぐっすりと眠るか、アレで勝負だな」

「アレね」

「アレだな」

3人がアレで勝負を始めようとしている時、ふと思いついたウィンディが試しに干し草に寝っ転がってみた、するとラオトとは違い、鎧のおかげで特に痛みなどは感じなかった

「私は鎧があるからこっちで良いよ」

「良いのか?」

「うん、ベットは3人で決めてね」

その言葉をきっかけに、部屋の中には静寂が訪れ、一つしかないベットを狙う3人が部屋の中で互いを睨み合った

「ライバルが1人減ったわね」

「あぁ、これで我が勝つ確率が上がった」

「いや、勝つのはこの俺だ」

3人は勢いよく構え、大きな声でアレの開始の合図をした

「ジャン!!」

「ケン!!」

「ポン!!」

凄まじい迫力の中、3人はそれぞれ手を前へ出した、ラオトはパー、その他の2人はグーを出し、ジャンケンに勝ったのはラオトだった

「よっしゃ!!!」

「えーー!?」

「バカな、、、」

ラオトはガッツポーズをして喜び、負けた2人は地面へ項垂れた

「この悪魔と隣で寝るなんて、絶対に嫌だったのに、、、」

「この堕天使の横で寝るとは、、、何という屈辱」

「フッフッフッ、残念だったな2人とも、前のじゃんけん大会で負け続けたツキがようやく回ってきたな」

勝負も終わり、問題が一段落した一行は宿のレストランへ行き食事をとり、その後、宿についていた温泉に入った後、ラオトはふかふかのベットで、その他の4人は床に敷かれた干し草で横になった、ラオトとホルスはもちろん、鎧を着ていたウィンディもすぐに眠る事ができたが、スティアとアレスはなかなか寝付けずにいた

「うーん、寝れない、、、」

「うるさいぞ堕天使!我だって寝れないのだ、もう少し静かにしろ」

「はぁ?あんたの方こそうるさいわよ、もう少しで眠れそうなんだから、邪魔しないで」

2人は小さな声で言い争う、寝れそうになり黙る、やっぱり寝れずにまた言い争いを始める、というサイクルを数時間繰り返した後、ようやく寝る事ができた



獣人の睡眠事情


獣人は人間やその他の人型の種族と違い、寝る時などにベットを使う事はほぼない、ケンタウロスのような大型の獣人はそもそもベットで横になる事ができず、中型の獣人もベットより干し草の上で丸まる方が好きな者が殆ど、その為獣人の国の宿にはベットはあまりなく、その代わりに干し草が置かれている。因みに宿の店員的にはあまり獣人にベットで寝てほしくないらしく、理由は、「獣人がベットで寝ると、そのベットが毛だらけになっちゃって、清掃が大変」との事

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