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科学の知識で異世界旅  作者: 察知
仲間との旅路

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13/18

「カサカサ」した夜

ラオトはふわふわの芝生の上で寝ているせいか案外ぐっすりと寝れていた、しかし、芝生にしては妙に弾力があり、それに温かい、異変に気付いたラオトは咄嗟に目を開けた、するとそこは見慣れた我が家だった、ウィンディやホルス、それに魔法も夢だったのか?そう思っていた時、誰かが勢いよくラオトの部屋の扉を開け、聞き慣れた声で話し始めた

「ラオト、虫が出たの!追い出して!」

顔を見る前に下の階へ降りて行ってしまったが、どうやら俺のお母さんだったようだ、そういえば、お父さんがいない時の虫取り当番は俺だったな、そう思いつつ、下の階へ向かった

「ここ!この下!」

そう叫び、ソファーの下を指差すお母さんを見て安心した、良かった、いつもの日常だな、あれは夢だったのか、随分とリアルな夢だったな、そんなことを思いつつ、ティッシュを一枚片手にソファーの下を覗いた

「、、、え」

そこには真っ赤な目をし、手のひらサイズはあるであろう、大きな蜘蛛がいた、その蜘蛛はラオトに気がついた瞬間、ラオトの方に向かい飛びかかってきた

「うわぁぁぁ!!」

その瞬間、ラオトの目が覚めた

「お、起きたかラオト、ちょうど良い、少し手伝ってくれないか」

起きたばかりで寝ぼけているラオトは目を擦りながら返事した

「あぁ、何だ、」

「使って欲しい魔法があるんだ」

「使って欲しい魔法?」

ラオトは眠気を覚まし、立ち上がり周りを見渡した、目の前に広がるのは、焚き火が消え真っ暗な草原、槍を構えるホルス、ぐっすりと気持ち良さそうに寝るウィンディ、そして目を背けたくなるほどの、大量の黒い何かが3人を囲んでいた

「えーっと。これって、、、」

それを聞いたホルスは、小さなボールぐらいの大きさの火球を作り出しら空に浮かべ辺りを明るくした

「うわぁぁぁぁぁ!!」

夢の中で見た通りの赤い目をした大きな蜘蛛数百匹がこちらを睨みながら3人を囲んでいた

「コイツら、どうするんだ!」

ラオトは蜘蛛の多さにパニックになりながらも、ホルスへ尋ねた

「ラオト、タルパは使えるな、そいつを使ってウィンディと一緒に地下に隠れろ、コイツらは俺が倒す

「え、ホルス一人で?俺もウィンディも戦えるぞ」

「コイツら相手に土属性は相性が悪い、埋めても掘って出てくるし、棘を出しても小さすぎて当たらないからな、それとウィンディは寝かしておいてやれ、コイツらのことが相当嫌いな様だし」

すると、ホルスはドヤ顔をし、自信ありげに話し始めた

「それに、こういう大群の敵は俺が一番得意なタイプだ、俺の攻撃にお前達を巻き込みたくないからな、ラオト、頼んだぜ」

ラオトは流石に一人は危険だと思ったが、ホルスの自信満々の背中を見て。ホルスに任せる事にした

「あぁ分かったよ、気をつけるんだぞ」

そう言い、ラオトは寝ているウィンディの側へ行き、ウィンディが起きないように静かに地面を下げ、地下へ隠れた、それを確認したホルスはニヤリと笑い、ひっそりと呟いた

「よっしゃ、久々に暴れられるな!」

その瞬間、敵意を察知した蜘蛛達が一斉にホルスに向かい突撃してきた

「うおぉぉぉ!」

蜘蛛達の突撃と同時に、ホルスも雄叫びを上げながら蜘蛛へ向かい突撃した

「食いやがれ!アポリプト!!」

ホルスは手に持っていた大槍を目の前の蜘蛛達の集団へ向けて思いっきり振り払った、それを食らった蜘蛛達は四方八方へ大きく吹っ飛ばされ、中には真っ二つになっているものもいた、その後も数分戦い続け、ついに蜘蛛の大群を殲滅する事に成功した

「ふぅ、久々に良い運動になったな、そんじゃ、ラオトを呼ぶか」

ホルスはラオト達が潜った地面の上へ行き、ラオトへ呼びかけた

「おーい、もう終わったから出てこい」

それを聞いたラオトは、まだ寝ているウィンディと共に、地面から出てきた

「終わったんだな、流石だ、ホルス」

「これくらい朝飯前さ」

ホルスが嬉しそうに答える

「それより、ウィンディが起きる前にコイツらを埋めといてくれないか、起きた時に見たら、ビビっちまうからな」

「ああ、そうだな、テルラーレ」

そう言い、ラオトは周りへ散らばった蜘蛛の亡骸を、一つ残らず全て地面へ埋めた

「よし、これで夜のやる事はおしまいだな、そんじゃ

俺は寝るとするか、そんじゃ」

そう言い、ホルスも寝てしまった

「ふぅ、まだ夜も長そうだし、俺ももう少し寝よ」

そして、ラオトも眠りについた


二人が眠り始めて、数十分後、何の物音も立てずに一人の男が飛来した

「なるほど、この男ですか」

その男は黒と赤を基調とした貴族の様な服装をしており、血のように赤黒い目と頭に被ったシルクハットから飛び出たピンと尖った耳、そして、謎のマークの入った黒いマントが特徴的な人物だった

「この騎士が仲間になるのは想定内として、このケンタウロスまで仲間に入るのは予想外でしたね」

「少し起きないようにさせてもらおう、それでは、失礼」

そう言うと、その男はラオトに近づき、鋭い牙でラオトの腕に噛みついた、ラオトは一瞬顔が動いたが、男に気づく事なくスヤスヤと眠り続けた、その後、その男はラオトの身体を隈なく探したが、探していたものは無かったようだ

「ないな、それでは次は」

謎の男は今度はホルスに噛みついた、ホルスもラオト同様、目を覚ます事はなかった

「それでは、こちらを」

そう言い、謎の男はホルスの背中(馬の方)に背負っていた大きなバックをカサカサと漁り始めた、その瞬間、声が響いた

「あなた、魔人ね」

その声に気付いた男はその声の方向に体を向けた、そこには剣を構えたウィンディが立っていた

「おや、起きてしまったのか」

「あなた、相当高位の魔人ね、もしかして幹部?」

それを聞いた魔人は高笑いをしながら答えた

「ハハ!中々勘がいいじゃないか、いかにも、私こそ魔王軍幹部の一人、毒血王のヴァンだ」

「毒血王、、、」

ウィンディは聞いた事のある名前に少し怯んだものの一歩も引かずに構え続けた

「あなた、自分の城を守っているんじゃないの」

「普段はな、しかし我々幹部も獣人共の戦争に駆り出されてしまってな、お前達の元へ寄ったのはそのついでだ」

「それじゃあ私達を始末するためにここへ寄ったのね」

それを聞いたヴァンは顔を顰めた

「いや、そういうわけではない、今回はあくまで、私個人の視察に過ぎない、本当に始末するつもりなら、もうとっくに終わっているよ」

そう言い、ヴァンは怪しい笑みを浮かべた

「まあいい、探していた物はなかった事だし、もうここに用はない、またいつか会える時を楽しみにしているよ」

そう言い、ヴァンはマントの内側に隠していた翼を広げ、はるか彼方へ飛んでいった

「ふぅ」

ウィンディは緊張が解け、その場に座り込んだ

「あれが毒血王ヴァン、、、これから戦うかもしれない相手、、、ってそれよりも」

ウィンディは急いでラオトとホルスの傷口を確認した

「良かった、ただの睡眠魔法ね」

その後、ウィンディはヴァン襲来の興奮が冷めず、少しの間起きていたが、結局眠気に勝てず寝てしまった



















毒血王ヴァン


好きな物、血 毒 宝石

嫌いな物、日光 汚い物

職業、魔王軍幹部

得意属性、特殊な毒


10人いる魔王軍幹部の1人、幹部の中でもかなり高い魔力を持ち、特殊な毒魔法を得意とするコウモリの魔人。

普段は自分の城にある魔法陣を守っているが、魔王の命令により獣人同盟との戦場へ向かっており、その途中で、3人の元へ寄り、とある物を探していた。

名前から分かる通り、「ヴァンパイア」と何か関係があるそうで、、、

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