表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風の子と魔法の旅路 ~風のことばを探して~  作者: ましろゆきな
第七章、風の塔

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/57

第五十七話、風の塔より、風の空へ

 風の塔の試練をすべて終えた(そう)は、セレスティナ、アルヴと共に最上階から広がる空を見下ろしていた。塔の上に吹き抜ける風は、以前とは違う。どこかやわらかく、穏やかで、しかし深く力強い。


 その風が(そう)の周囲に渦を巻き、静かに語りかける。


 ――おまえの声は、もう風と交わっている。

 ――この空に、おまえの道は続いている。


 (そう)は微笑み、振り返る。ともに試練に望んだ仲間たち――冷静な理の魔法使いセレスティナと、衝動を生きる雷の魔法使いアルヴ。

 そして、風の塔の各層で出会った風の民、選定者、霊たちの残響が、背中を押している。


「行こう。まだ見ぬ世界へ。」


 塔を後にするその足取りは、もはや試される者のものではない。風の魔法使いとして、自らの声で世界と交わり、歩む者のものだった。


 塔の入り口で、彼らを待っていたのは、あの軽薄で底知れぬ流浪人。

「よ、無事で何より。さて、次はどこに行く? 空の果てか、それとも風の底か?」


 (そう)はその問いに、迷いなく答える。


「風が、行けと言う方へ。」


 塔の扉が閉じ、風は再び塔を包む。しかしそこに残ったのは、確かな変化の痕跡。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ