エピローグ
「えーーーっっ!! またみくちゃん帰っちゃったの!?」
「もう。最近練習に参加してないけど一体どうするつもりなのかしら」
「でも仕方ないよ。あんな事があったんだから……」
「まぁ……そうだけど……」
放課後、矢岳高校屋上。
みくが今日も帰った事を伝えるとメンバーの後輩3人は黙りこんでしまった。毎日こんな感じのやりとりを繰り返している。
「……大丈夫だよ!! きっとまたそのうち練習に来るようになるよ!!」
結里がみんなを励ます。自分も心配だろうに。
そうして今日もまた練習が始まる。
「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー」
それにしてもいつになったら参加するようになるんだろう。掛け声をかけながら考える。先生が言うにはとっくに状態は安定しているそうだから、あとはみく次第ではあるんだけど……
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夕方、総合病院。
「それでね、今日も結里ちゃんがね……」
カラカラカラ。西日がさす通路、1人の少女が車椅子を押して歩く。
「うん……それはそれは」
車椅子に乗っている────両腕両脚を失い、眼帯をつけた男は穏やかな表情で相槌を打つ。
他の人から見るとなんて不幸な、かわいそうな話だと思われるかもしれません。
でも。
私たちは今、幸せです。
終わりです。ありがとうございました!