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××のした人生最大の失敗  作者: ジョリポン
2/7

みくちゃん

最近、みくちゃんの様子が変だ。

週明けから少し違和感はあったけど、日に日に弱っていっている気がする。

よし、今日はいつもよりテンション上げて盛り上げてみよう!

 

待ち合わせ場所が見えてくる。もう全員揃ってるみたい。よし、いくぞ!

 

 

「みくちゃん!!! おっは 「ひぃぃ!!!」 よ……あれ?」

 

 

みくちゃんがしゃがんで丸まってる。凄く怯えた様子でガタガタ震えている。

 

 

「ご、ごめん! みくちゃん! 驚かせちゃった!?」

「みく、だ、大丈夫!?」

「あ……ご、ごめん……結里ちゃん……な、なんでもないの。少し、驚いちゃった……」

「少しっていうか……」

 

 

明らかに普通じゃない。小さい頃からよく一緒に過ごしてきたけど、ここまで怯えているのは初めてだ。

 

 

「あの」

「ご、ごめん! 結里ちゃん芽衣ちゃん楽人くん! 私先に行ってるね!」

「み、みくちゃん!?」

 

 

そう言ってみくちゃんは走って行ってしまった。

 

 

「2人とも、みくちゃんに何があったのか知らないかい?」

「ううん、分からない……」

「私も……」

「うーん……困ったな……」

 

 

どうやら楽人くんも分からないみたい。一体どうしてしまったんだろう……

 

 

「何か分かったら教えて。僕も何か分かったら言うから。じゃあまた」

 

 

そう言って楽人くんも行ってしまった。

 

 

「……結里……」

「だ、大丈夫だよ! 学校に着いたらまた聞いてみよう?」

「そう……だね……」

 

 

学校に着くとみくちゃんの席に姿はなかった。ただ席を立ってるだけかと思って待ってみるけど授業が始まっても席は空いたままだ。

休憩になってから先生に聞いてみると朝から保健室に行ってたらしく、今日はもう早退したことが分かった。

 

 

 

 

 

その日から、みくちゃんは学校に来なくなった。

 

 

 

 

 

毎朝楽人くんはみくちゃんの家に寄っているみたいだけど出てきてくれないみたい。

 

 

それから数日。

楽人くんも待ち合わせ場所に来なくなった。

 

 

 

「さすがにこのままだといけないよ! 無理矢理にでも迎えに行って、何があったのか聞き出して、そしてみんなで解決しよう!!」

「でも……いや、そうだね。どんな事であっても私たちなら乗り越えられる。今までもそうだったもんね」

 

 

ということで、朝からみくちゃんの家まで迎えに行く事にした私たち。

みくちゃんの家が見えてきた頃……

 

 

「……みくちゃん?」

 

 

曲がり角にみくちゃんらしき影が見えた。

 

 

「行こう芽衣ちゃん!」

「うん!」

 

 

そうして後を追っていくとみくちゃんが一軒の家に入っていくところが見えた。

 

 

「あれ……?この家って……」

「うん、確かこの家は……」

 

 

そう、私たちの記憶が正しければこの家は……

 

 

 

 

楽人くんの家だ。

 

 

 

 

どうして? なんで朝から楽人くんの家に?? 何か分かったら互いに連絡しようって約束したのに?

 

 

「結里、あの小窓から中が見える」

 

 

いや、そんなまさか、ありえない。楽人くんがそんな事。嫌な思考を隅に追いやる。きっと楽人くんはみくちゃんを励ます為に家に呼んだだけに違いない。昔から仲良しなんだし、とても優しいし、彼のおかげで私もみんなと同じ高校に入れた。大丈夫。問題ない。連絡をくれてないのもきっと何か理由があっての事に違いない。

 

芽衣ちゃんと小窓から中を覗く。

薄暗い室内にみくちゃんらしき人影と、楽人くんらしき人影が僅かに見える。

 

楽人くんらしき人影が何かを取り出す。

 

みくちゃんらしき人影が腕を差し出す。

 

そして…………

 

 

 

 

 

 

 

あまりの衝撃に地面に座り込む。力が入らない。

 

 

芽衣ちゃんはどこかに電話をかけている。

 

 

少ししてサイレンが近づいてきた。

警察だ。

 

 

芽衣ちゃんが事情を話す。

 

 

警察と一緒に私たちも突入する。

 

 

 

私たちは一直線にみくちゃんに駆け寄る。

 

 

強くみくちゃんの事を抱きしめる。

 

 

「待って!! 違うの!! 楽人くんは!! 離して!! 楽人くん!! 楽人くん!!!!」

 

 

「ごめんね、みくちゃん」

 

 

捕まる楽人くん。

 

 

「楽人くん……私たち……信じてたのに……」

 

 

 

「……最低……!!」

 

 

 

 

 

こうして私たちの日常は、終わりを迎えた。

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