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【完結】妹の代わりに血も涙もないと噂の男爵の元へ嫁ぎましたが、何やら旦那様の様子がおかしい  作者: 七瀬菜々
番外編

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0:プロローグ

 警報の鐘が鳴り響き、爆発音と共に真っ赤な炎が屋根よりも高く燃え上がる。

 晴れていたはずの空は黒煙で覆われ、煉瓦の家屋は大きな音を立てて崩れ落ちる。

 混沌とした中を悲鳴をあげて逃げ惑う人々。飛び散る鮮血。

 そっちでは血は赤いのか、と上官が醜悪に嗤う。


 仲間を守るためにここまできたのに、なぜ壊しているのだろう。

 死んでいく彼らは、同胞ではなかったのか。

 自分の中に半分流れる彼らと同じ血が、警鐘を鳴らす。


 これ以上進んではいけないと。 

 引き返せと。

 そうでなければ後悔する、と。


 ああ、これは何という名の地獄だろうか。 


 瓦礫の下、動けずに助けを求める男の声が。

 死んだ母親に返事を求める幼子の泣き声が。

 最期を覚悟して愛を紡ぐ彼の声が。

 彼を亡くした彼女の叫びが。



 全部。全部全部全部全部、ずっと。




 頭の奥深くにこびりついて、消えてくれない。


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