↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
50/85

リリィーの狂愛

第50話〜リリィーの狂愛〜



目が覚めると、眩しい太陽が顔を出していた。


俺はヨグ・ランスロット、異世界より転生した人間。


この言葉を忘れぬように、心の中で囁いた。


少し腕を動かすと、俺の手には柔らかな感触が伝わってきた。



「ん?」



俺は恐る恐る布団の裾を掴み、一気にめくった。


目に映ったのは、ぐっすりと眠るリペの姿があった。



「うわあああああ!!」



驚いた声を上げたため、リペの耳がピクっと動き、目を擦りながら目覚めたようだった。



「ふわぁ......ジーク、無事だったんだー! よかったー!」



彼女は眠たそうにそう呟くと、俺の命に別状がないと分かり、再び寝に入ってしまう。


しかも俺があぐらをかいているその間に入り、丸まって眠ってしまっていた。


そんな彼女の頭をポンポンと撫でてやった。


すると彼女は無意識に尻尾をゆっくりと振っていた。


やはり獣人というのは、不思議な生物だなと勝手ながら思ってしまう俺。



「でも......ジークはもういないんだよなー」



そうボソッっと告げるが、当然彼女の耳には入っていないだろう。


このままジークとして生きるのもまた面白いかもしれない。


しかし、俺には帰らなきゃいけないところがある。


それに、沙鳴の言っていたことも気がかりだ。



「自分の人生、自分のために......ね〜」



俺はため息をはきながら、自分のしたいことなどを思い浮かべるのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜王都の内側〜



メリーヌのお茶会の帰り、既に辺りは暗くなっており、視界も悪かった。



今日も今日とてヨグ様を探して、情報を待ちわびていましたが、これといったものは見つかりません。


私はゆっくりとした足取りで、夜の暗い道を歩いていました。


そんな時、いつも通りの帰り道であるはずなのに、少し違和感を覚えました。



「誰ですか? ああ、隠れても無駄ですよ。殺気がダダ漏れですからね」



そう私が告げると、暗い道の角から二人の人物が現れました。


彼らの姿や匂いなどからは情報が得られず、まったくもって怪しい人物でした。



「久しいなリリィー」


「貴方はまさかッ......誰ですかね?」


「覚えていないだと!? 俺はお前と血を分けた兄妹だぞ!」



すると、彼らは顔を覆っていた布を取り、その素顔を確認できました。


彼らは血を分けただけ(・・)のただの兄妹《たにん》でしかありません。


今更姿を現すなんて一体何を考えているのでしょうか......。



「まあいい、それよりも俺たちはお前を連れ戻しに来てやったんだ。......感謝しろよ、リリィー」


「えっ、普通に嫌ですが?」


「そうかそうか.......は? お前今嫌だと言ったか?」


「はい!」


「......ふ、ふざけるな!! 俺たちがせっかくここまで来てやったのに嫌だと!? どうせ、お前を買った奴もろくでなしのゴミクズだろ!! そんな奴から助けてやるって言ってやってんだ!! お前は.....」


「黙れ......」



そう冷酷なオーラを放ちながら告げると、彼らも少し驚いていました。


昔の泣き虫だった私とは大違いで、彼らも動揺が隠しきれません。


すると今まで黙っていた姉が、片手に火の玉を作りだします。


今更、私が火の玉如きで、怯えるとでも思っているのでしょうか。



「はぁー、そんなもので脅せるとでも思ったのですか?」


「あんた生意気言うようになったじゃない。でもねこっちは二人で、あんたは一人......しかもあんたは弱いじゃない。それに今はあんたを買った奴もいないんでしょ? まあどの道、そいつは燃やすけど......」



そう声高らかに言い放ち、気持ち悪い笑みを浮かべていました。


同時に私の心の中にあった最後の情けも、地に落ちました。



「はぁー、どいつもこいつも......」


「あ? なんか言って......」



そして次の瞬間、私は力を解放し淡い黄色の炎を周囲に放ちました。


暗かった周囲は一瞬で明るくなり、同時に私の怒りも頂点に達していました。



「ヨグ様を馬鹿にする奴は絶対に許さない」


「なんだよそれ......なんなんだよ、その炎は!」



彼らはリリィーのその炎を見て、怯えるように尻もちを着いていました。


姉は恐怖で顔色が青くなり、兄はどこか悔しそうにしながらも、姉を守るように前で構えていました。



「許さない許さない許さない許さない許さない許さない......許さないッ!!」


「くそ! ふざけんじゃねえよ、泣き虫だったくせに!!!」



兄はそう叫びながら、腰につけていた剣を引き抜き、振り下ろしてきます。


しかし、刃が肉を削ぎ落とすことはなく、私の炎によってその刀身は黒焦げになり塵と化します。



「あり......えない」


「ふふふ、あはははははははははははははは!!!!」


「な、何を笑ってるのよ!」



姉はそう焦ったように言い、火の玉を投げつけてきました。


もちろん火の玉は消え、まったくもって意味をなしませんでした。


私は懐から、非戦闘状態となったミラージュを取り出し、真っ赤な剣先を真上に向けます。


すると、空には大きな魔法陣が浮かび、ミラージュの保有する、固有結界が展開されます。



「な、な、なんだよ! ここは!!」



先程までの王都ではなく、一面レットキラーが咲き誇る平原へと変わっていました。



「ここは魔力で作り出した世界、またの名も固有結界です。ここなら私が全力をだしても、周りに被害がでませんから......」


「固有結界だと!? ありえない......ありえないぞ! 固有結界は個人の魔力で作り出せるものではない!」


「なら今から見してあげますよ。私の力を!」



そう声を上げた私は、更に魔力を解き放ちます。


そして魔力は周囲の全てを覆い尽くし、固有結界の範囲ギリギリまで行き渡っていました。


姉は涙目で絶望し、兄は私に鑑定魔法を使っていました。



「ば、化け物め......狂ってんのかよ」



どうやら、兄は私のステータスを見て絶望してしまったようです。


なぜなら私のステータスは.....。


HP error/error

MP error/error

筋力error

持久力error

耐性力error

知力error

信仰力error

運力error


全て限界突破しているのですから。



「さあ、罪人のように......死ね。 世壊の終わり(ゆめのおわり)」



振り上げた剣を振り下ろすと同時に膨大な魔力による爆発が起こりました。


そして地は爆ぜ、彼らは塵一つ残らず、消え去っていきます。


一瞬の出来事なのに、ゆっくりと時間が過ぎていきました。


そして全てが終わりを迎え、残ったのは私一人だけです。


兄も姉も跡形もなく、灰と化しました。


呆気なく、こんなものかと感じもしましたが、長年の恨みも晴れていきます。


しかし、何故か心にはぽっかりと穴が空いたように、収まりませんでした。



「早く、早く......ヨグ様に、会いたい」



そう願いながらも、あの人から貰ったレットキラーにそっと口付けをした私でした。







どうも皆さんこんにちはこんばんわ永久光です!

毎度のこと今週も更新の時がやってまいりました。


そしてついに50話です!

いつも応援ありがとうございます(_ _)


さてさてこんかいはどうだったでしょうか?

少しでも面白いと思っていただけたら幸いです!


最後に感想とブックマーク、そして評価(☆☆☆☆→★★★★)をしてくれると、大変喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。