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公務員が異世界に転生したら、ただの役立たずでした  作者: M
8章:母、襲来…

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37/200

ⅩⅩⅩⅦ

クーナ目線


拝啓お母様

 お手紙がご無沙汰してしまいましたことを、お許しください。


 実は、クーナは前科一犯となってしまい、半月間の禁錮刑の罰を受けておりました。その間お手紙をしたためることができませんでした。

 でもお母様。決して心配をなさらないでください。罪とは言えないような軽いものです。


 これは薬学の進歩のために必要な犠牲なのです。いえ、犠牲ですらありません。これは逆にチャンスだと考えました。

 禁錮の間は自由に本を読むことができたのです。この半月でオーガに関するあらゆる資料を読みこむことができました。


 今までは毒への耐性という面でしかオーガを見ておりませんでした。しかし、オーガについて知見を深めれば深めるほど、研究対象としてこんなに面白いものはないと思うようになりました。

 同じ人類だというのに、ほとんど研究されていないという事実。未知というものは、研究者にとって魅力の塊です。あくまでも薬学研究の延長としてですが、オーガの研究も進めていくつもりです。


 政情も不安定で心配事が絶えないこの頃ですが、ご自愛のうえお過ごしください。

敬具


追記

 友達ができました。人生二人目の友だちです。

 王都での生活が楽しくなりそうです。


***


拝啓お母様

 季節の変わり目ですが、喉のお加減はいかがでしょうか。


 クーナは、念願のオーガの毛を手に入れることができました。二年近く冒険者ギルドに依頼を出していたのに、一本も手に入らなかったオーガの毛です。それが両手に余るほどの量が手に入ったのです。

 さらに血と爪まで手に入りました。血を手に入れらることになったのは非常に幸運でした。


 自分の研究室を半月も開けてしまっていたせいで腐ってしまっている試料もあり、止まっていた研究ですが、これで飛躍的に進みます。

 早速、数日研究室に籠って試料を分離をしたいところだったのですが、そのまま友達に食事へ誘われました。


 王都に来てからは、研究室内で作れるような簡単なものしか食べていませんでしたが、友達の所では大変なご馳走を頂きました。食後にデザートまであるのです。今までにあのような豪華な料理を食べたことはありません。


 その夜は友達の所に泊めて頂きました。いっぱいお話をして、とても楽しい一夜でした。

 お母様が言って居られたように、友達と言うものは、とても良いものですね。


 友達は研究費用も出してくれるとの事で、こちらの方は全てが順調です。お母様も、ご自愛のうえお過ごしください。

敬具


追記

 是非お母様にも王都の料理を味わって頂きたいと思い、角煮と言う料理の缶詰を合わせて送ります。


***


拝啓お母様

 友達と言うのは女友達です。しかも年下です。

 お母様が心配されるようなことはありません。


 確かに彼女は地位があり、お金持ちですけれど、本当にただの友達です。あの事件にも関わっておられますが、悪い人ではありません。


 取り急ぎ、誤解を解かせていただきます。

 角煮が美味しかったとの事で良かったです。また折りがありましたら何か送らせて頂きます。

敬具


***


拝啓お母様

 友達は本当に女の子です。

 自分の娘を信用してください。


 食事やお金が目的で体を許したとか、そんなはしたない娘ではありません。

 一晩泊まったからと言って、お母様が想像されるようなハレンチな事はしていません。一晩オーガについて語りあっただけです。


 ただの友達です。

 大丈夫です。

 万事が上手く行っています。


 お母様もご自愛ください。

敬具


***


拝啓お母様

 やめてください。

 そんな事で来なくていいです。

 本当に大丈夫だから。

敬具


***


お母様

 恥ずかしいから来ないで。

 絶対に。


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