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公務員が異世界に転生したら、ただの役立たずでした  作者: M
7章:特訓の鬼

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 お風呂タイーム!

 いつもの兵舎大浴場は他の隊員が使用中なので、今回は将軍府内部にあるシャワーだけのお風呂へ。それでも、地獄の特訓で汚れた体を洗い流すのはとても気持ちが良い。


 コロンがデッキブラシコロンで私の背中をゴシゴシと洗い流す。


「マンガン様が転生された時、わたしが侍女を担当しておりました。」 

「そうなんですね。お茶とか料理を教えてくれた転生者(※第二話・第五話参照)って、もしかしてマンガン様のことですか?」

「はい。」


 見た目美女のマンガンと見た目少女のコロンが、同じキッチンで料理の試行錯誤をしているだなんて、見た目は楽しそうだ。見た目だけ(・・・・・)は…。

 だが、あのマンガンの事だ。恐らく実際は死ぬほど過酷に違いない。コロンだからこそ、マンガンの要望に応えられたんじゃないだろうか。


「…それは、きっと大変だったでしょうね。」

「新しい料理に挑戦するのは楽しいですよ。」


 コロンはあっけらかんと言う。

 私も寿司とかラーメンとかお願いしたら、作ってもらえるんだろうか。


「もし、食べたい料理があったら言ってくださいね。」

「え?あああ、ぜひお願いします。」


 心を読まれたっ!?

 そんなに物欲しそうな顔してたかな?


「今晩は、マンガン様のレシピであるラーメンというのをご用意してます。」

「ホントですか!?嬉しいです。」


 …本当に魔法か何かで、私の心の中を覗いてないよな。


「ラーメンお好きみたいですね。良かったです。」


 体を洗い終え、シャワーで泡と一緒に疲れを流す。

 ラーメン食べられるなら、リラのお触りタイムも頑張れるはず。


***


 将軍の居室につくと、リラ将軍が待ってましたとばかりに私の体を触ってくる。


「うひゃ~キタキター!!きんにくぅ〜っ!」


  ペチ、ペチペチ。


 ところが、私の筋肉を叩いたリラは超絶不満顔になる。


「なんなの、この筋肉の硬さはっ?パンパンじゃないの!」


 半日激しく動いたから、体のあちこちが張ってる。シャワー浴びたくらいじゃ、ほぐれない。


「すみません、今日は特に厳しい特訓だったので…。」

「弾力性があって締まった張りのある筋肉が良いのに〜。これじゃあ硬すぎる!」

「じゃあ、お触りタイムは中止ですか?」

「ダメ、やる。」


 残念だ。

 お触りタイム無しにラーメンとはいかないようだ。


「特訓が不要な職務に配置換えしてくれたら、こんな事にはならないかと思います。」


 だが、リラは腕組みをして、私の希望を打ち砕く言葉を放つ。


「筋肉を育てるのに強い負荷は必要だし、仕方ないな〜。」


 だめか。何とかならんか。


「それでも限度がありますよ。今日みたいな実戦に近い訓練が続くと、体がガチガチになってしまいます。」


 ほら、リラ様も柔らかい筋肉を楽しむ事ができませんし、私には後方での雑用が合っていると思います。

 コロンさんからもそう言ってあげてください。


「ガチガチになった筋肉は、(ほぐ)せば大丈夫です。」


 コロンがにこやかに言う。


「そうね、しっかり解さないとね。キナ、フリヴニャ、ベッドの準備して!」


 リラの二人の侍女が、それぞれに走っていく。


 侍女二人の名前を初めて知った。キナさんとフリヴニャさんって言うのか。不思議な響きの名前だな。

 …じゃなくて、解す?どゆこと?


「コロンさん、これは何事ですか?」


 コロンは答えず、困惑する私をよそに、リラと侍女達は何らかの準備を進めていく。

 あっという間に、ベッド二つを連結させた臨時のオーガ用ベッドが運ばれてくる。きっと侍女二人のベッドなんだろう。


「ここに座りなさい。」


 リラの言うとおりにするが、私の重さにミシミシとベッドが悲鳴をあげる。慌てて背の高い方の侍女フリヴニャが、ベッドに耐久強化の魔法を掛ける。


「これで良いですか?」

「さあ、はじめましょ。」


 リラがそう言ってベッドに上がり、私の後ろに回る。

 私の右腕を上に挙げさせ、頭の後ろへ持って行く。そしてリラは私の拳を掴むと引っ張った。


「ふんぬっ!」


 ああ、これ。ストレッチやってくれようとしているのか。でもリラ様じゃあ力不足で、屈強な兵士二人分の筋力を持つ私の筋肉のどこも伸びません。


「ぬぅう!」


 どれだけリラが変顔で力を入れても、私の凝り固まった肩関節周りはびくともしない。フリヴニャがこっそりリラに筋力増強魔法を掛けるが焼け石に水。

 むしろ、リラが色々な体勢で腕を引っ張ろうとするものだから、リラの柔らかい所が色々と当たってしまい、私は気を使って余計な力が入ってしまう。


「だめかぁ。キナ、ロープ出して。」


 リラはロープを受け取ると、私の手首に結び付ける。


「コロンも手伝って!」


 今度は四人でロープを引っ張る。


「あ(いて)てててててっ!」

 

 脇腹から二の腕に掛けての(すじ)がぐぐぐっと伸びる。

 効いてる効いてる。痛気持ちいい。


 反対の腕も同様に。

 それから首、肩、腰と、いろいろな所の筋肉を引っ張られる。


「うふふふふ、これ楽しい。」


 リラはノリノリで私の体のあちこちを引っ張る。


 ああ、これ気持ちいい。

 激しい運動の後のストレッチって、こんなに気持ちいいものなのか。

 おふぅ。

 なんか、変な声が出そうになる。


 リラも手応えを感じているのか、ストレッチをする腕に力が入る。


「さあ、うつ伏せになりなさい。ふふふふふふふ。」


 リラ様、ちょっとSっ気が出てませんか?


 言われたとおりうつ伏せになると、私の腰の上にリラが立つ。

 かかとに係る重みが、腰のツボを刺激する。オーガの体の大きさには、リラくらいの体重が丁度良いのだろう。

 我慢できず、気持ちよさで声が出てしまう。


「うっ、ううううぅぅふぅ。」


 侍女達も脚や腕の上に立ち、グシグシと踏む。

 ああ、コーカ式のマッサージ最高だ。体中が解されていく。

 だが、女の人に体を踏まれて気持ち良くなってるだなんて、これじゃあ変態じゃないか…。


***


 私がマッサージで寝落ちしている間に、筋肉お触りタイムまで終わっていた。このまま翌朝まで寝ていたかったが、ここで朝を迎えるわけにもいかない。


「筋肉を解すのも楽しいわね。新しい筋肉の可能性を学んだわ。」


 リラが何か恐ろしい事を口走っている気がするが、マッサージが最高に気持ち良かったので、気にしないことにする。


 リラの部屋をあとにする。

 さあ、お待ちかねのラーメンだ!


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