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文化祭 ②

※投稿ミスしており、③を二個上げてました。

修正してます

「チョコバナナ、もらっていいか?」



 自由時間がきて、俺はエプロンを脱いで、チョコバナナを買いにクラスの屋台にやってきた。ちなみに隣にはゆうきがいる。休憩時間が被っているのでゆうきと一緒に色々と見て回ることになった。



 明日は俺は凛久さんと回る予定だし、ゆうきは片思いの女の子を誘えたから一緒に回るんだそうだ。



 チョコバナナを買いたいと告げれば、店番をしていたクラスメイトがにこやかに笑いながら対応してくれた。クラスの間で俺が甘いものが好きだとはすっかり広まってしまっているのだ。

 ついでにお勧めの甘いものが売ってある場所も聞いた。



 俺は部活には入っていないからクラスの出し物だけだけど、部活に入っている人や個人で出し物をする人とかもいるので、そういう人たちは大忙しらしい。クラスメイトの中にも部活の方が忙しいからとクラスの出し物の方にはあまり参加出来ない人もいるみたいだし。その分、準備を頑張っていたようだが。




「喜一、何処を見に行くんだ?」

「とりあえず料理部のところに行く」




 チョコバナナをもそもそと食べながら俺は歩く。それにしてもクラスで出したチョコバナナ、大きさも食べ歩き出来るし、美味しいし、俺は嬉しい気持ちになる。やっぱり花音にもおすすめしておこう。

 料理部の屋台に行くのはもちろん、美味しい物を食べたいのと甘味類があるだろうかと期待しているからである。



 ゆうきもひとまずお腹がすいているみたいで料理部に行くのを賛成してくれた。チョコバナナを食べた後に昼食を食べることになるが、まぁ、甘いものは別腹なので問題はない。




 丁度そうしているうちに、花音の劇の一回目の公演が終わったらしく、ぞろぞろと体育館から出てくる生徒たちを見かけた。




「花音ちゃんが凄い可愛かった」

「天道さん、演技まで上手いとか、完璧すぎる」

「やばいよね。花音ちゃん。それに相手の王子役の八王子君もかっこよくて……。花音ちゃんとお似合い!!」

「天道さんは本当に勉強も出来るし、運動神経もいいし、優しいし、演技もうまいし、凄いですよね」

「それに劇全体のクオリティも高くて、楽しかった」



 などと口々に感想を口にする生徒たち。半数以上の生徒たちが花音の事を賛美していて、やっぱり花音は凄いのだなと改めて思った。




 こんな風に見る人の心を引き付けるような劇を行えたっていうのなら、きっとまた花音の人気は高まるだろう。それに今回は外部のお客さんも入れているので、その外部の人たちの中でもきっと花音は噂になるだろうなと思う。それだけ花音は可愛い見た目をしているし。

 なんて思いながら一階の空き教室に到着する。料理部は此処をかしきってお店のようにしているのだ。うちの料理部の料理はおいしいと噂なのもあって、そこそこ人が集まっていた。



 中に入って、学習机の上にテーブルクロスが敷かれていて、雰囲気が出ている。席についてスパゲティとチョコレートケーキを頼む。ゆうきには「さっきチョコバナナ食べたけど、ケーキ食べるのか?」と言われたが、美味しそうなので食べたいのだ。

 昼食を食べて満足した後は、軽音部のライブを見に行った。これはゆうきが気になると言ったためだ。俺も折角の文化祭なので、色々見て回るつもりだったので問題はない。



 ライブは結構盛り上がった。流行りの曲やアニメの曲などを歌っていて、楽しいライブだったのだ。俺が知っている曲も結構あったしな。あとはお化け屋敷にもいったりして、ぶらぶらして俺は文化祭を楽しんだ。

 そうしているうちにあっと言う間にクラスに戻らなければならない時間になったので、クラスに戻った。



 そうすれば倉敷が「花音ちゃんの劇が凄かったんだ」などと力説していた。俺をファン仲間と認識している倉敷はペラペラと花音の話をする。よっぽどすごかったんだなと思いながら俺も明日の花音の劇の本番を見るのが楽しみになった。

 ふと、スマホを見れば花音から昼過ぎぐらいに連絡が来ていた。

『私頑張りましたよ! きー君は楽しんでますか?』

 それだけ書かれた文章。全然気づいたなかったので、今更ながら返事を返しておいた。



 その後は特に問題もなく、文化祭は過ぎて行った。

 









 一日目の文化祭が終わり、俺はさっさと帰宅して花音のための夕飯を準備した。



「ただいまー」




 そんな風に花音が帰ってきた時には、すっかり花音が食事を取れる状態に整えておいた。




 花音は楽しそうに、今日の文化祭の話を沢山していた。花音は今日はクラスの女子生徒たちと一緒に文化祭を見て回ったらしい。

男子生徒からは一緒に見て回りませんかと誘われたらしいが、断ったんだとか。ちなみに断った男子生徒の中には倉敷もいたらしい。




俺が美味しかったものについて語れば、「まだ食べてない奴もあります! 明日食べます」と声をあげていた。

そして「明日お兄ちゃんとデートですよね! 私、頑張りますから、ちゃーんと、見ててくださいね?」などと口にしていた。



 相変わらず俺と凛久さんが文化祭を見て回るのをなぜかデートと言い張っている花音なのであった。




 ……というか、明日、凛久さんと文化祭を見て回るのもどうなるかな。凛久さんと文化祭を見て回るのは楽しいだろうけど、何か変な事が起こらなきゃいいなと俺は考えるのであった。 








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