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文化祭の準備④

 文化祭が行われる日は、着実に近づいてきている。チョコバナナを売るための屋台もいい感じに仕上がっていて、接客をするようのクラスでお揃いのエプロンも配られている。



 緑色のエプロンを俺も着て、接客をするのだ。どうにか花音の劇の時間は自由時間にする事が出来た。というか、うちのクラスは花音のファンが多い。皆、花音の劇を見に行く予定が結構あるらしく、俺が見に行きたいと言えば、受け入れてくれた。




 というか、倉敷には「なんだ、上林も花音ちゃんのファンか。可愛いよなー」などと言われた。

 倉敷は花音のことを文化祭で誘いたいようだ。





「花音ちゃん、どうしたら一緒に文化祭回ってくれるかな。というか、花音ちゃんは何が好きなんだろう?」


 そんな風に倉敷が俺を花音ファン仲間だと認識したからか、そんな風に問いかけられた。

 俺は花音の好きなものとかを知っているが、下手に口を滑らせないようにと気を付けながら倉敷の話を聞いた。






「花音ちゃんともっと仲良くなりたいんだが、花音ちゃんはいつも用事があるとかで誘いに乗ってくれないんだよなぁ。花音ちゃんの用事ってなんだろうな。きっとピアノとか習い事でも習ってるんだろうか。はっ、まさか、彼氏がいるとか……」

「いないと思うぞ」

「そうだよな。そんな噂聞かないからな! それにしても上林は花音ちゃんのことを詳しいのか? 隠れ、花音ちゃんファンなのか?」

「そうだな」





 花音の事を大切な隣人と思っているのは事実なので、一先ずそう答えておく。

 というか、ピアノか。確かに花音には似合いそうだけど、実際に花音は引けるんだろうか? 見た目的には大和撫子系の見た目だし、日本舞踊とかも似合いそうな気がする。あと浴衣とか、着物とか。

 そんな気持ちになった。





 その後も倉敷はずっと俺に花音の話をしていた。花音が俺の家に来ていることを知ったらどう思うだろうか……。悟られた時が怖いなとそんな風に俺は感じてしまう。




 倉敷としばらく話した後、「おしゃべりばかりではなく、準備もしようね」と明知に注意をされ、俺と倉敷は会話をやめて、文化祭に向けてもうひと頑張りするのであった。





 さて、そんな風に過ごしながら文化祭への準備は進んでいくのだった。




 ちなみにその日、家に戻ればどこからか情報を仕入れたのか、



「きー君は私のファンなんですね? ふふ、うれしーな!! 私もきー君の声の大ファンですから!!」



 などと言われた。





 ……本当に何処から俺が倉敷と話した情報とか手に入れたんだか、などと思っていたら花音の事が大好きな倉敷は花音の気を引こうと花音に色々と話しかけているようで……その中でそういう話があったようだ。





「ああ。そうだな。俺も花音のファンだな」

「やったー。互いにファン同士! 良いことです!! それにしてもきー君、倉敷先輩と仲良しになってますね」

「そうだな。花音の話題しかしてないけどな」

「きー君の友達ならもう少し喋ってもいいかなって思いますけど、倉敷先輩って私にラブですからねー。そういう気ないのに思わせぶりにするのはアレですしね!」

「倉敷は良い奴だと思うけれど……花音はそういう気ないのか?」

「そうですね! 倉敷先輩にそういう気はありませんよ!!」





 何だかはっきりと花音がそう言っていて、倉敷の失恋が確定しているようで……、何とも言えない気持ちになった。





「花音は恋愛とかには興味ないのか?」

「ふふ、きー君、私の恋愛事情に興味津々なのですか?」

「いや、ちょっと気になっただけだ」

「女の子の恋心は秘密なのですよ。それよりきー君はそういうのに興味はないんですか?」

「あー……俺はちょっとそういうのはな……」

「そうなんですねー」





 俺と花音はそんな会話を交わした後、いつも通りのんびりと過ごすのであった。




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