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友人と後輩との放課後

 放課後、ゆうきと一緒に家へと向かう。

 その途中でカツを作るための材料を購入した。

 家に辿り着いたら……鍵を開ける前にもう鍵は開いていた。花音は既に俺の家にいるらしい。






「もう花音がいるな」

「……鍵渡しているのか?」

「あー……成り行きで」






 ゆうきの驚いた表情を見て、改めて花音が俺の家の鍵を持っているのっておかしいよなと思った。

 良く考えたら花音と仲良くなってそんなに経ってないのにな。そんなことを思いながら、中へと入る。





「おかえりなさい。きー君!! 永沢先輩!!」

「き―君? よっぽど仲良くなったんだな」

「そうですよ。私ときー君は仲良しなのです!!」





 何故か花音がドヤ顔を浮かべている。俺と仲が良いからと言って、そこまでドヤ顔することじゃないと思うけどな。




 とりあえず、早速カツをあげることにする。花音とゆうきと一緒にである。揚げ物って面倒だから一人だとあまりやらないけど、人がいると揚げ物もする気になるんだよな。


 ちゃんと油を固めるものも買ってきたし。新聞紙とかで吸わせるとかだと面倒だからな。



 お肉に下味をつけて、卵と薄力粉などで下準備をしておく。油は花音が熱してくれているので、適切な温度になっているか確認してから投入した。なんかジュッと揚がる音っていい音だよな。

 三人分のカツを焼いてから、取り出す。追いそうだ。このカツだけでも美味しそうなのに、カレーに投入するとか、絶対美味しいはずだ。カレーもカツを揚げている間に温めておいた。ご飯も炊いているので準備万端だ。

 アツアツのご飯の上にカレーをかけて、あげたてのカツを乗せる。本当に美味しそうだ。





「美味しそうだな」

「だな」

「滅茶苦茶美味しそうですね!!」





 三人でカレーを前にそんな声を出す。





「このカレー二人で作ったのか?」

「そうですよ。この前の体育祭の振替日で作ったんです」





 花音は満面の笑みを浮かべて、ゆうきに答えている。その後は三人でカレーを食べた。やはりカツカレーはとても美味しい。カツがあるとカレーだけよりもっと美味しく感じる。

 花音もゆうきも美味しかったみたいで、笑みを溢していて良かったと思った。









「花音、これ、ゆうきがくれたんだ」




 そういえば花音にゆうきを家に呼ぶことは告げていたが、何で呼ぶかは伝えていなかった。

 カレーを食べた後に写真のことを思い出して、花音に渡す。






「これ、何ですか?」



 と言いながら花音は封筒の中身を見る。中身を確認して、目を輝かせて顔をあげた。





「わー、これ体育祭の時の写真ですか。私のだけじゃなくてきー君のもありますね!! 嬉しいです。永沢先輩ありがとうございます!!」

「天道さんが喜んでくれて嬉しいよ」

「きー君の写真っていいですね!! 私のはともかくきー君の体育祭の写真は手に入らないと思っていたので嬉しいです」

「……花音、この花音の写真は凛久さんにも送るけどいいか?」

「あ、はい。それは大丈夫です!! お兄ちゃんは私の写真を欲しがるでしょうしね。きー君はこの中の写真、どれがいりますか? 私はきー君の写真欲しいです!」





 花音はそんなことを言いながら問いかけてくるが、俺の体育祭の写真は別に俺はいらないかな。花音の写真も全部凛久さんにあげるつもりだった。



「いや、俺は別にいいよ。凛久さんと花音にやる」

「えー、なんですか、それ! 折角だから自分の写真も取っときましょうよ。私の写真ももらってくださいよ!!」





 正直に言ったら、花音にそんな文句を言われた。



「自分の写真があったらご両親とかにも見せれますし。あった方がきっと良いです!!」





 と、勢いよく言う花音におされて、俺も自分と花音の写真を所持することになった。ゆうきは俺と花音の会話を聞いて楽しそうに笑っていた。





「天道さんと喜一、本当に仲良くなったなぁ」

「ふふふ、うらやましいですか?」

「そうだな。たまにはこうして今日みたいに混ぜてもらえると嬉しいかな」

「いいですよ。永沢先輩ならいつでも!!」





 花音とゆうきも会って二回目だけど、仲良くなっているなと思った。

 それから俺と花音とゆうきでのんびり過ごす。花音はなぜかゆうきに俺の話を沢山していた。凛久さんがやってきた時の話も楽しそうにしている。





「そうだ。きー君、お兄ちゃん、今週も来るっていってましたよ!!」

「そうなのか。了解」

「天道さんの兄はシスコンなんだよな……。よく喜一の家に天道さんがいるの許してくれたな」





 先ほど凛久さんがどういう性格なのか、花音に詳しく聞いたらしくゆうきがそんなことを言う。





「そうですね。お兄ちゃんはシスコンですけど、きー君のことは認めてくれました。それにお兄ちゃんと私の好みって似ているので、お兄ちゃんも何だかんだきー君のこと気に入っていますから!! でもきー君とはお兄ちゃんより私の方が仲良しです」





 謎に凛久さんに対抗意識を持っているらしくまたそんなことを言っていた。ゆうきはそのことを知って心から楽しそうに笑っていた。まぁ、面白いよな。






 ゆうきはそれからしばらくして、「明日も学校だしそろそろ帰る」と言って帰宅していくのだった。

 そして花音は当たり前のようにゆうきが帰ったあとも残るのだった。

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