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朝から、カレー

「きー君、おはようございます!!」




 昨日は結局、花音は夜遅くまで俺の家にいた。俺と一緒に遊んですごしていた花音は、昨日の宣言通りに、朝から俺の家にやってきた。



 しかもまだ学園に通学するまで時間があって、着ているのはパジャマである。パジャマのまま男の家に来るんじゃないと口にしたくなった。

 この前泊った時に見たピンクの花柄のパジャマだ。




「おはよう。まだパジャマなのか?」

「はい。食べてからお着換えして、学園での私に変身するのです!! てか、きー君もまだパジャマじゃないですか」

「俺も起きたばかりだからな」




 それにしてもまだ寝ぐせもついているし、眠たそうで、だらしない顔をしている花音は学園での聖母のようなんて言われている姿とは似ても似つかない。



「パンもってきましたよー。食べましょう」

「ああ」



 それから花音が持ってきてくれたパンをカレーにつけて食べた。



「うまっ」

「美味しいですよねー。カレーってすごく良いですよね。カレーパンとか、カレーうどんとか、色々ありますし。ご飯にも合うし、パンにも合うし」



 花音はにこにこと笑って、バクバクと食べている。



「ねーねー、きー君」

「なんだ?」

「これから明日以降も朝食べに来ていいですか?」

「朝も来るのか? 俺は別にいいけど、いいのか?」

「はい!! きー君さえよければ。私もきー君の顔を見てから一日始めた方が楽しい気持ちになりますもん」



 何だかすごい嬉しいことを花音が言ってきて、嬉しいやら恥ずかしいやらとそんな気持ちになった。


 でも俺も花音が朝から食べに来た方が、一日が引き締まるかもしれない。一人だと朝ごはんももういいやと食べなかったりするしな。花音と二人なら寝坊も、食べ忘れもなさそうだし。



「きー君、日替わりにしませんか。朝食!」

「日替わり?」

「はい。私の用意するのと、きー君の用意するので交互にするのです!! 私もきー君に美味しいもの食べさせたいから、お気に入りのパン屋さんのとか買いますよー」

「それも楽しそうだな。俺も自分がお気に入りのパンとか、花音に食べさせよう」

「ふふふ、楽しみにしてますよ!! 私は朝ごはん、パンもご飯も好きなんですよねー。スーパーとかパン屋さんのパンも美味しいですし。ご飯だと卵かけご飯とか、そういうのもいいですよね。あ、でも今回みたいに夕飯残っているならそれを食べるのもいいですからね。その時はそれを食べましょう!」

「そうだな」





 それにしても花音の持ってきたパンと、カレーって合う。俺も美味しくてどんどん食べてしまう。

 カレーは色々かけたり、つけたりしても絶対美味しいからな。大きな鍋で作ったからまだまだあるし、食べていたらカツでも乗せたくなってきた。





「なぁ、花音、あげれたらカツあげないか?」

「カツカレー!! なんてすばらしい!! 絶対美味しい奴です。私はちなみに焼いた卵を乗せたりとか、ゆで卵乗せたりとか、そういうのも好きです!!」

「ああ。美味しいよな。卵も帰りに買ってくる」

「カレーは色んな楽しみ方があっていいですよね。家で食べるのも美味しいですし、外でカレー屋さんで食べるのも美味しいですし」

「そうだな。カレー屋さんやレストランで食べるのも美味しいよな」

「はい!!」




 朝から花音とカレーの話をする。そうして食事を終えれば、皿を洗って、互いに学園に向かう準備をする。花音は一度準備に戻っていった。このままこちらの部屋には来ずに、学園に向かうのかと思っていた。




 が、



「きー君、おじゃましまーす」

「またきたのか?」



 制服にすっかり着替えた花音は、パジャマでこちらにやってきた時とは雰囲気が異なっていた。

 キリッとした表情で、完全装備といった感じだ。



「はい!! まだ少し時間あるからのんびりしようかなーって」

「……流石に制服で寝転がったりはしないようにな。皺になるから」



 へにゃりとう花音は、今にも放課後のようにくつろぎだしそうだったので思わずそう言う。



「それは我慢します。そのかわり放課後には、いつも通りごろごろしますよ!!」

「……そうか」

「はい!!」



 と、そんな会話をしてのんびりと過ごす。



 そうしていれば、通学する時間になって、俺たちは部屋を出るのだった。


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