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体育祭のあと

 体育祭が終わった後、クラスのうち何人かはお疲れ様でしたということで集まると言っていた。しかし、俺は疲れていたし、花音がどうせ家に来るだろうと思ったので帰宅することにした。




 結局その集まりには、クラスのうちの三分の一ほどが参加するようで、あとは各々の予定があったりするということで帰っていった。

 まぁ、集まりに行くクラスメイトも汗をかいた後だから一度家に帰ってから集まる者ばかりみたいだが。




 俺は当たり前のように花音がくるかもしれないと思考していたが、スーパーに辿り着いてお惣菜やおにぎりなどを買いながらもしかしたら花音もクラスの集まりに向かうかもしれないと思い至った。その集まりで食べてくるかもしれない。


 そして夜遅くまでいるのならばうちにはもう来ないかもしれない。まぁ、それならば、明日の朝ごはんにでもすればいいだろう。

 そう考えて結局花音の分も購入しておいた。




 色々購入して会計を終えて、スマホを見ると凛久さんから連絡が届いていた。






『花音はどうだった? 俺の可愛い妹は大活躍だろ』

『そうですね。とても活躍していました』

『写真は??』

『ないですよ』





 そう答えたら滅茶苦茶嘆いている風な連絡が来た。そうはいっても俺個人で花音の写真は体育祭で撮っていない。一応写真部がとった写真が手に入ったら送るとは言っておいた。そしたら『絶対に手に入ったら送れよ』と帰ってきた。花音からは連絡はない。








 家に戻って鍵を開けて家の中へ入ろうとすると、隣の部屋の扉があいた。





「きー君、おかえりなさい!! 遅かったですね。このまま私も上がらせてもらいますよー」



 そして顔を出した花音は俺に無邪気な笑みを浮かべる。





「……何でかえって来たの分かったんだ?」

「家に帰ってすぐにきー君家、ピンポンしたらいなかったから耳を澄ませていたのです。隣だからなんとなく帰ってきたのはわかりますし」





 花音はそう言いながら俺が持っていた荷物を一つ持って、俺の家の中へ勝手知ったる顔で入っていく。



「きー君、お惣菜買ってきてくれたんですね!! 美味しそうです!! というか、きー君、先にお風呂入りますか? いつもお世話になってますし、お風呂掃除でもしましょうか!」





 花音は体育祭の後だというのに、とても元気だった。満面の笑みで俺に向かって言う。





「あー、シャワーでいいから大丈夫だ」

「そうですか! じゃあきー君がお風呂に入っている間に、洗い物とか、色々しちゃいますね、いいですか?」

「ああ。助かる」

「この位はやりますよ! いつもきー君にはお世話になってますからね」





 満面の笑みの花音に促され、シャワーを浴びた。






 風呂から上がると流し台などが綺麗に片付いていた。花音はソファに座ってテレビを見ていたが、俺に気づくと「きー君、お風呂終わったんですね」と笑った。



 夕飯を食べるには少し早いので、一時間ほどのんびり過ごす。俺はスマホでゲームをして、花音はテレビを見ながら楽しそうにしていた。夕飯の時間帯になると、自然と花音が立ち上がってお皿を準備し始めた。俺も立ち上がったが「この位いいですよー。いつも家にお邪魔してますから」と遊んでいていいと言われたので引き続きゲームをした。







「きー君、準備完了ですよ!! といっても並べたりしただけですけど」

「ありがとう」





 その後、花音と一緒に夕食を取った。買ってきたお惣菜のうちのコロッケがとくに気に入ったらしく、「うまかねー」と嬉しそうに笑っていた。

 食事を取り終えると、久しぶりに体を動かしたというのもあり、俺はすっかり眠気に襲われていた。



「きー君、眠いなら寝たらどうですか?」

「……ああ」




 花音の言葉に答えながらも俺はうつらうつらしてしまう。



「……帰る時に、起こせよ」


 それだけ口にして、ソファに横になる。



「おやすみなさい、きー君」



 そんな花音の優しい声を聞きながら、俺は眠りにつくのだった。


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