表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/88

文化祭の催しとスマホの写真

 体育祭の練習をしている段階だが、同じ学期に文化祭もあるので、先にそこでどんな催しをやるのかだけ話し合いをすることになっている。もちろん本格的な準備は体育祭が終わってからだけど。





「では、外でチョコバナナを売るということで」





 俺のクラスは外の屋台でチョコバナナを売ることになった。





 クラスでやることが決まった教室でスマホをいじる。



 ……この俺のスマホの中には、花音の写真や花音とのツーショットがある。こんなの他人に見られるわけにはいかない。教室で写真を見るのもやめておこう。でも花音が嬉しそうに撮った写真を消すのもなとそのまま俺のスマホに残っている。

 そういえば凛久さんに花音の写真を送ったら喜ばれたのだが、花音が俺とのツーショットも送ったらしく、「俺も花音と写真撮りたい!」とめちゃくちゃ連絡が来た。花音は可愛い、花音と写真を俺も撮りたいといった連絡が沢山届いて俺は驚いたものだ。凛久さんは返信もはやいし、暇なのだろうか?






 花音にそのことを言ったら、「お兄ちゃんはきー君のことを気に入ってるんですよ。気に入っているからなんだかんだ連絡するんです! でもきー君とお兄ちゃんの方が仲良しって嫌なので、私も沢山連絡しますね!」と言い出して、花音からもどんどん連絡が来ている。大体が他愛もない連絡ばかりである。

 ……何で花音は凛久さんに張り合っているのか謎である。






 花音にチョコバナナのお店を文化祭でやることを教えれば、すぐさま「じゃあ当日は買いに行きますね」と連絡が来た。花音のクラスは、劇をやるらしい。まだどんな劇をやるかとか、役も決まってないらしいが、クラスの雰囲気では主役級の役になりそうだということだった。






『主役を演じることになりそうなので、私は完璧にこなしますよ!』

『まだ決まってないだろ』

『でも私は可愛いからきっと主役級です。きー君も見に来てくださいね』





 花音の無邪気な連絡に『見に行く』と送れば、花音から嬉しそうな連絡が来た。





「喜一、体育祭も文化祭も楽しみだな」

「ああ。チョコバナナ、試食も出来るかな……」

「気になるのはそこかよ……。まぁ、普通に試食はあると思うぞ」





 甘いものが好きなので、チョコバナナの試食が楽しみになった。というか、文化祭も自由時間中は美味しいもの食べに行こうと決意する。クラスのチョコバナナも食べよう。



 ……ああ、でも花音の劇を見たいから休み時間の希望は後々出した方がいいだろう。花音の劇だと見たい人多いだろうからどうなるか分からないけど。

 それにしても文化祭っていいよな。美味しいものも盛りだくさんだし、俺の好きな甘味もいっぱい出されているだろうし。体育祭も楽しみだけど、文化祭の方が俺は楽しみだなと思った。



 今日は何をするかだけ話し合いをするだけだったので、細かい部分は後々決めていくことになるだろう。







 放課後はまた体育祭の練習に明け暮れている。

 体育祭の準備を一緒に行っていると、今まで話したことのなかったクラスメイトたちとも仲良くなることが出来た。



「優勝目指して頑張ろうな!」



 倉敷はクラスメイト全員にそういう激励の言葉をかけているらしい。うん、こうやって声をかけるからこそ倉敷は人気者なんだろう。

 黙々と体育祭の練習をしている俺を見て、「真面目にやって頑張ってるな」と気さくに声をかけてくる。





 少し前まで花音に誘いを断られたと落ち込んでいたが、今はすっかり元気を取り戻しているようだ。……倉敷は花音に好意を抱いているみたいだから、花音と仲良いのバレないようにしよう。あと花音の写真の存在もバレないようにしないと。

 俺は倉敷と会話を交わしながらそう考えるのであった。




 ――そして、まもなく体育祭が行われる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ