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眠りにつく

 トランプを終えて俺たちは布団に寝転がっている。左から、凛久さん、花音、俺と並んで寝転がっている。





「眠る前に沢山、お話しましょうね。きー君!! ついでにお兄ちゃんも」

「花音、俺はついでなのか!?」

「だってきー君とお泊りはレアだけど、お兄ちゃんとはいつでも一緒に出れるじゃんか」






 花音はそう言いながらにこにこしている。

 お泊りするってことでそんなに満面の笑みを浮かべられることに嫌な気はしない。







「ねーねー、きー君、私に聞きたいこととかありますか? あるならどんどん聞いてくださいね。私は何でも答えちゃいますよ」

「え。急に言われても……」

「えー。きー君、私に興味ないんですか? 悲しいー。私はきー君のこと沢山知りたいって思ってるのにー」

「なんだ、喜一、花音に興味がないっていうのか? こんなに花音は可愛いのに」






 なんだか二人して、俺を信じられないものを見るようにじーっと見つめてくる。本当に似た者兄妹だと思う。

 とはいえ、花音のことで気になることねぇ……。いや、やっぱり急には思いつかないぞ。

 しかし何か聞いて欲しいってキラキラした目で花音は見ているし、凛久さんは俺に対して聞かないのかって目で威圧してるし。

 花音に聞きたいこと……思いつかないので無難な質問になってしまう。







「えっと、じゃあ好きな食べ物は?」

「むー、なんとも無難な質問ですね。甘いものは大好きですよ!! あと刺身とか、お肉も好きですし!!」

「えーっと、じゃあ趣味は?」

「趣味はゲームとか漫画ですね。あと好みの声をしている声優さんのアニメ見たりとか、声聞いたりですね!! きー君と出会ってからはきー君の声が好み過ぎて、きー君の声を聞くのも嬉しいのですよ!!」

「お、おう、そうか」






 寝転がっている花音はこちらを向いて言う。至近距離で見つめられるとちょっと恥ずかしい。






「花音よ、喜一の声が聞きたいのは分かったが、声を聞きたいだけならば別に電話とかでもよくないか? 喜一の部屋に毎日押し掛けるのは喜一も大変だろうし」

「え。やだよ。きー君の声を電話で堪能するのも良いと思うけど。きー君と話すのも遊ぶのも楽しいし。何より会話を交わすなら、生で顔を見て話す方が楽しいじゃんか!! まぁ、もちろん、きー君が迷惑だっていうのならば来ないけどさ。きー君、私が来ても大丈夫だよね??」

「ああ、まぁ、特に用事もないし、花音がと話すのは楽しいから問題はない。あと別に電話されるのも問題はない」

「ならどんどん来ちゃいますね!! ふふ、あと電話もどんどんしますからね!!」



 あ、此処は少しぐらい来るのこまるっていうべきだっただろうか。凛久さんがなんとも言えない表情をしているのが見えた。凛久さんからしたら花音が俺の部屋にずっといるの心配だろうし。





「っていうか、お兄ちゃん、きー君の声、凄くよくなか? 私めっちゃ、きー君の声の低音凄い好きなんやけど」

「まぁ、悪くはなかけど……」

「でしょでしょ。きー君の声はとっても素晴らしか!! きー君、きー君、子守歌とか歌えたりします?」





 期待したような目で花音が俺の方を見る。子守歌……? いや、流石にそういうのは歌えない。

 と、思っていれば凛久さんがスマホを取り出して何か調べだした。そして調べ終わったのかその画面をこちらに見せてくる。

 そこには子守歌の動画が載っていた。歌えってか?






「……よし、喜一よ、これを覚えて花音のために歌うんだ」

「え」

「歌ってほしいです!! きー君の声で子守歌とか、絶対いいもん。きー君の子守歌で眠れるとか、絶対幸せな眠りにつけるはず!!」






 なんかキラキラした目で花音がこちらを見ている。というか、子守歌を歌ってほしいってことはそろそろ眠くなっているのだろうか。

 そういう目で見られると、断る気にはならないので動画を見て覚える。

 その後、その子守歌を二人に見守られながら歌った。って恥ずかしいな。それを歌っているうちに気づけば、花音はうとうととしているし。眠るまでエンドレスで子守歌を歌うべきなのだろうか……。という気分になったので歌ったらそのうち花音は寝た。





「よし、喜一。俺たちも寝るか」

「はい」



 そして花音が眠ったのを確認して俺と凛久さんも眠りにつくのだった。

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