第一話
彼は、6月10日ということもあり、ラノベを本屋に買いに行こうと歩いていた。すると、トラックが彼に向かっていた。
トラックの運転士はスマホを見ながら運転をしていたようで、言わばわき見運転をしてた。運転手はとっさにブレーキを踏んだが、すぐに止まるわけもなく、彼を轢いてしまった。彼は、即死状態だった。道路には花束が供えられていた。
★★★★★★★★★★★
「ここはどこだ?だれかいるんだろう?返事してくれ―」
「あれ?誰も居ない。」
「あ、ごめんごめん。さっき来た子だねぇ」
「ようこそ。神様だよぉおお。敬えよ。おい。だって神だよ?分かんないかな?神だよ?神だよ?」
「あ、そうですか。僕はトラックにぶつかって死んだような気がするのですが。」
「そうだよ。それが、どうしたの?」
彼はとてもイライラしている。彼の隣には赤いボタンのような物があり、そこには<絶対に押すな>と書いてあった。押すなと書いてあるとどうしても押したくなってしまう。だから、彼は押してしまった。すると、神は穴に落とされた。
「あれ、神様どっかに言ったな。なんか穴があるから地球に降臨したな。うざかったからいいか」
彼は何も無いのにうろうろしている。1時間ぐらいすると神は汗だくで戻ってきた。
「なにするつもりかなぁ。一回落ちるとめんどくさいだよ。分かる??」
「思ったのだけど、神様は汗かきのようだね」
「うるさい!俺だってここでは実体するものだから、汗ぐらいかいてもいいでしょ。けして汗かきじゃねぇし走ってきただけだし。」
「何か用があって呼んだのでしょ?」
「あぁ、そうだ。そうだとも。異世界に行って貰う」
「何それ?ラノベかよ。神様の頭もラノベになっているの?」
「はぁ?俺の頭がラノベのわけないし、てか、ラノベって何だよ」
「神様知らないの?神様みたいな人が出ている小説」
「へぇー。じゃあ、君は主人公ということになるねぇ」
「ほ……本当だ。なんか嫌だな。ハーレムとかになるんだよな。一途でいいんだけど」
「それは知らない。君には剣と魔法の……おっと、間違えた。剣と魔法の世界に行ってもらうから、せいぜい第二の人生でも送ってきな。」
「なんで、そのアプリ知ってんだよ。」
「この前の転生者に教えてもらったんだよ。いいだろ!!」
「ふーん」
「反応薄いな」
「神様のことなどどうでもいい。」
「あーそうか。そうだよな。」
「転生前に、前前前世の記録はいらないと思うから、けしておいたぞ」
「おい。前前前世の記憶っていつの話だ。曾じいちゃんぐらい?よくわからないけど、死ぬ前の記憶はほしいな。あとは、ハーレムにはなりたくない。ココ重要」
「あーそーか。しゃないでそのままにしておこう。チートにしてほしいと思うからしょうがないからチータにしてやったさ。スマートフォンとか欲しいとか思うかもしれないけどそんなもの無いからせいぜい頑張りな」
「わ……わかったよ。」
彼は、ウザったい神と別れ、異世界に飛ばされた。
★★★★★★★★★★★
彼は目を覚ましたようだ。
彼がいる世界は4つの国でできており、彼がいるのがアルダ国とメルダ国をつなぐ舗装された道だ。
この国は、とっても平和な国だ。戦争や反乱は50年近く起きてなく、飢えに苦しむ人もいないようで、農民などの平民は十分に暮らしていけるようだ。この国の決まりとしては奴隷禁止令が制定されており奴隷を見かけたら商人又は盗賊は牢屋行きとなる。平和だからだろうか、罪は軽く2年牢屋にいるだけで済むそうだ。盗賊は別に用意されている。二回目以降は罰金が金貨20枚必要だ。所持金が持ち合わせていない場合は公共事業に参加させられることとなっているが、とてもきつい仕事である。
さて、彼がいるところは馬車が通るときとても邪魔だ。さっさ退いた方がいいのだが―彼は……ボケーっとしている。
分からないでもないが、本当に邪魔だ。この近くの国はメルダ国が歩いて、太陽が上るのを10回見るぐらいの位置にある。そう……とにかく遠い。そして何もない。一本道だ。彼は動き始めたようだ。
メルダ国は、とても広いようだ。だだっ広いというだけではなく15の地域で構成されている言わば、帝国だ。昔は、今の3分の一にも満たさなかったほどの大きさだったが、戦争を繰り返し領土を奪ってきたようだ。ここ50年は落ち着きを示し、安定していると言われている。戦争しないのには理由があり、隣の国であるアルダ国は軍事力が凄まじいため戦争を行っても完敗していしまうのが落ちだろう。もう一つが、主力戦力の魔法師がいまいち育たないの一つの理由とも言える。
「ここはどこだろう。兎に角まっすぐ行ってみるか。ん?頓智があるな。」
―真っすぐだよ by神様―
彼は真っすぐ行くことになった。先ほどの神が作った頓智だったので彼は怒り狂ってバキバキに折ってしまった。
夜になろうとしていた。彼には何もない。食べ物も―飲み物も―寝る場所も―お金も―アイテムボックスを覗いてるようだが落ち込んでいた。まさしく何もなさそうだ。彼は森の中で木の実を探すことにしたようだが、木の実はない。ごぉぉぉぉぉと音がしたようだ。
「なんだあれ?もしかしてラノベでよく見た、ゴブリンとかいうやつじゃねぇ?瞬殺で殺してやろう」と思ったが、何故かゴブリンは彼を見ただけで慌てて逃げてしまった。
「おい。待ってよ。逃げないで俺は健全な人だよ。R−18のゲーム一回もやったことないから。おーーーーい」
そして、彼は野宿をすることにした。食べ物はなんとかしのいだらしいが、メルダ国に着かないと飢え死することは避けたかった。
夜が明けると、大イベント発生。ゴーレムが道を塞いでいるようだ。ゴーレムは道を譲ろうとはしないが少し怯えているようにも見えたが、彼と戦う気はありそうだ。
「よし。俺と戦うがいい。ドン。シャキーン。バタッ。あれ、ゴーレムってこんなに弱いのか。」
足でけり上げ、刀のような刃物で一振りしただけ、ゴーレムは倒れた。彼を見ただけで体力が10%ぐらい低下するようだ。
彼は、ゴーレムを倒し、先へと進んだ。すると、またイベント発生した。馬車と盗賊がいるように見えた。
「ということは、ラノベなどでよく見る王女が乗っていて、襲われている場面じゃん。すぐに助けにいきまーーす。」
彼は、猛ダッシュで助けに行くと思ったら、前をよく見ていなかったのか、小石に脚を引っ掛けてしまい、転倒した。意外とドジな様子。
「いたっ。誰だよ、こんなところに石を置いていくやつは。―それより、助けに行かないと」
★★★★★★★★
ボロボロな馬車には、いかにも悪そうな男が二人・可愛い女の子が一人乗っていた。遠くから見ても貴族の子であることは誰が見ても分かる。
「どこに行くつもりなのよ?」
「ハハッ!どこに連れて行ってか?それは奴隷市場に売りに行くに決まっているだろ」
「なんですって?」
「これは高価で売れるぞ。一生暮しては行けないけれど」
貴族の子を奴隷として売ると金貨100枚以上と言われているため、たまに盗賊で子供を連れ去ろうとする。しかし、伯爵以上の子供ではないと金にもならないと言われている。
「誰か、助けて……」
彼女の囁きが聞こえたように、彼は現れた。
「お嬢様、今助けに参りました。もう安心してください。」
「あんた、大丈夫なの。けがしてるじゃないの?」
彼は、先ほど慌てた時に膝を少し擦りむいたようだった。
「ええ。これは大丈夫です。お嬢様。盗賊を蹴散らしてきますので少々お待ちを」
「お願いしますわ」
「おいおいおい。勇者気取りかよ。いい気分だな、あっさりと死ぬなよ。笑いも出なくなってしまうからな」
「いつまでそんな冗談を言ってられるかな?」
「はぁ?みんな勇者気取りを殺してしまえ!!」
「はいはい。かかってきなさい!」
彼は、盗賊に向かって剣で対抗した。チートな能力のおかげなのか、いとも簡単に盗賊を蹴散らすことになった。
「盗賊って、こんなにも弱いのか。」
「参りました。どうか牢屋だけは……」
盗賊は、涙目で訴えかけていた。さっきまでの挑発的な態度はどこに行ったのだろうか。
「そんなのはしるか。俺が決めることではない。」
彼は、盗賊を縄で括り付けメルダ国まで輸送することにした。燃やせばいいのにな。
「お嬢様終わりました。」
「ありがとうございます。一時はどうにかなるところでした。」
「いえいえ。」
「では、私の馬車を一緒に乗りま―乗せたいところですが、王族以外は乗せてはいけないとお父様が言ってたのでごめんなさい。私が戻りましたら、代わりの使者を送りますので少々お待ちを」
まさか、こんな所で待たされるとは思いもよらなかった。しかも、その馬車のボロボロなところを見ても貴族のものには見えなかった。
「はい。大丈夫ですよ。お嬢様」
「なんかお嬢様というは堅苦しいのですわ。なので、ローラン・アリアと申しますわ。メルダ国の第一王女だわ。よろしく。君は?」
「俺は、……あれ?名前知らない。」
彼は、転生したときにステータスを表示しなかったために名前も能力も何もわかっていなかった。
「そうなのですね。ステータスと唱えるとわかりますわ。」
「ステータス」
イルズ 年齢 17歳 男
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「俺は、イルズという。」
「イルズね。覚えたわ。私は戻るわ。」
「ちょっと待った。アリアは一人で戻るのか?」
「そうよ。」
「護衛達は居ないのか?一人で来たわけではないだろう?」
「街の中を歩いていたら、連れ去らわれたの。だから、護衛もだれもいないのよ。国中大騒ぎだわ。
このまま居なくなってもいいけど見つかるからそうはしないわ。」
「アルス君、さっきは乗って行けないと言ったけど、乗っていいわ。一緒に行きましょ。どうせ一本道ですから」
結局乗せてもらえることになったようだ。イルズも飢え死を回避できたようだ。
「思ったのですが、ずっーと一本道ですか?」
「そうよ。ただし、メルダとアルダをつなぐ道が一本道なのよ。ほかは一本道にはなっていない。協定を結べばそのようになるけど、中々したいという国は少ないわ。」
「なるほど。」
「じゃあ、戻るわ。乗りなさい」
「ありがたく。乗らさせていただく。」
「うん。」
★
「意外と遠かったよ。」
「そうね。3時間はかかってしまったわ。」
「アリア様ご無事でしたか?我々とても心配しておりました。」
「ああ、大丈夫だわ。」
「はて。その隣居る男は何者?」
「安心してくれ。怪しいやつではない。あたしを助けてくれたものよ。」
「それはそれは。王女様を守っていただきありがたく思う。それでは、馬車から降りてくれないか?」
「え?―もしかして、ラノベで読んだ展開と違う?このまま、王様のところまで行くのでは?―な……何でですか?」
「たとえ、王女様を救った人であっても、入国にはこの水晶玉と荷物の検査をしなければならない」
でました。これはよくみる水晶玉というものだ。イルズも喜んで水晶玉を見ていたようだ。
「なるほど。じゃあ触れますね。あと、何も持ってないです。お金も」
「確かに怪しいやつではないな。ギルドカードも持ってないのか?」
「はい。もってないです。」
「そうか。本当はギルドカードを持ってない者は銀貨5枚支払うことになっているが、助けたお礼に今回は免除にしよう」
「あ……ありがとうございます。」
「おう。ギルドカードは作るのにはお金はかからないから、すぐにでも作るんだぞ」
「はい。」
「では、ようこそ!メルダ国へ!広いから迷わないようにな。ギルドは右に行って・左に行って・右に行くとある。あまり、北の奥の方へは行くなよ。スラム街があるから、君ぐらいだとけちょんけちょんにされてしまうからな」
「はい。ありがとうございます。行ってきます」
イルズは、アリスがいることなど忘れたようで、ギルドまで歩いてしまった。ここで王城に行く感じではあるが、少し訳が違うようだ。
「はいよ。」
「行ってしまいましたね。私は城に戻りますわね。あ、忘れていましたわ。盗賊が捕まっているから
牢屋に入れておいて」
「了解しました。」
「―少ししたら、城にでも呼びますかね。ギルドに私から行って差し上げてもいいですわ―お勤めありがとう。」
「ハッ!(敬礼)」
★
「ここがギルドかぁ。ラノベ通りのでかさだな。」
「すいません。」
「やぁ、冒険者ギルドへようこそ!見たことない顔だから、ギルドに介入しに来たのだろう?」
「はい。ギルドに加入して、ギルドカードが欲しいです。」
「おう。ありがとな。ギルドの説明に移させてもらう、今いる場所は冒険者ギルドだ。少し歩いた場所に商会ギルドも存在する。商会ギルドについては向こうで聞いてくれ。冒険者ギルドは、ランク制度ある。DからSSまであるが、SSに行けるのはごくわずかだ。各ランクでギルドカードの質が変わるため、低ランクの人が劣等感を味わうことになってしまうな。それは仕方がない。それより、依頼は豊富にあるから、適当なやつを選んでくれ。Bランク以上はうるせぇ貴族様から指定依頼を受けるかもしれないから気を付けな。拒否権はこちらにも冒険者にもない。受けるか……この国から逃げるしかない。まあ、受けろ。あとの詳しいことは分からないとき教えるとしよう。Dランクから始めてもらうからな。まずは、薬草採取からだ。誰もが公爵家の息子であっても、薬草採取は一回は受けてもらうことになっているから、頑張ってきな。……それとこれ、ギルドカードな。無くしたら金貨30枚頂く!」
「ありがとうございます。―金貨30枚はぼったくりでしょ。そんなの聞いたことが無い。―依頼受けて来くる。」
「おうよ。せいぜい死ぬなよ。」
「わかってます。」
彼は、依頼を受けに行くとさ。
続く。
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最後まで、お読みいただきありがとうございます。
ステータスは非公開となります。想像してください。
1週間に一回更新します。五千字多い時一万字ですかね。
それでは。