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難攻不落のラビリンス ~メイドと一緒にダンジョン経営~  作者: 平行線R
第1章 ダンジョン経営開始しました
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9.8話 生活基盤の確保①

「あー」

 眠い。

「うー!」

 んー?

「あいいうー」

 ん?

「あいりすー」


 ガバッと体を起こすと、そこには三檎がいた。

「今、オマエが言ったのか?」

「あいりぅ……あい…………あいり………す?」

「おお!」

「あいりす!」

 三檎が俺の名前を覚えた!!

 というか喋れるようになった!


 えーと、今何時?17時…………?マジか。半日以上寝てたのかよ。

 まあ、しょうがないよな。何だかんだ、疲れてたからな。

 一緒に寝たはずだから、三檎も今起きたとこなのかな?

「三檎、今起きたのか?」

「うー」

 うん。わからん。とりあえず、肯定ってことにしとこ。

 っていうか、腹減ったな。飯にするか…………




「ごちそうさまでした」

「おいそーさーえいあ」

 今回は、水を生成していないのと、薪がまだ残っていたので、紙と火種、そしてジャガイモ2個の350RE。これで残りは1193RE。朝、というか夜中?よりも少しお得だった。けど、薪を使い切ってしまったので次はもう少し高くなるかもしれない。

 さて、今日も今日とてダンジョン作成、もとい鉱石採掘だ。さあ、第1階層へと急ごうじゃあないか。

「よし、行くぞ」

「おー!!」




「よっしゃ!鉄鉱石見っけぇ!」


「うー!うー!」

「なぬ!?そんなとこに!?」


「お、あった…………新鉱石だぁ!!」

「おー!」


「あ、鉄はっけ…………新鉱石だぁ!!」

「おー!」




 鉱石フィーバーだ!

 5時間くらい掘っていたら凄い量の鉱石が手に入った。

 また凄く疲れたけど、俺も三檎もホクホク顔だ。

 終わってからのお楽しみということで、手に入れた鉱石はまだ吸収させていない。

 ちなみに、手に入れた鉱石は…………


””””””””””””””””””””


鉱石ブロック:鉄(10RE/個)

243個


鉱石ブロック:銅(New)

97個


鉱石ブロック:石炭(New)

405個


””””””””””””””””””””


 計745ブロックだ。

 鉄は既にREがわかっているので、2430引く243で2187REの利益は確定している。これだけでもかなり美味しい。

 残りの2つにも期待しておこう。


 ということで、アイテム吸収をする。

 どうやら、銅鉱石は5RE/個、石炭鉱石は2RE/個のようだ。

 計算すると、銅鉱石は485RE引く97個で388REの利益、石炭鉱石は810RE引く405個で405REの利益、3つの鉱石の利益を合計すると、2980RE、元のREと合わせると4173REだ。


 うん。普通にすげえ。

 合計8時間の採掘で400REからここまで増えるのは、凄いことなんじゃないだろうか?

 石炭はちょっと期待はずれだったけど、それでも1食分は手に入っている。

 採掘と同時進行でダンジョンも作れているし、2日目にして結構順調な感じかもしれない。

「うあ」

「ああ。そうだな。今日は食事にして、もうねよう。」

 正確には、1食目も2食目も『今日』なんだが、体感時間が長かったせいで何日もこうしているように感じてしまった。


 起きるのが遅かったけど、ずっと動いていて疲れたし、三檎も一緒に動いていたので疲れているはずだ。

 食事には400REを使って、残り3773RE。

 寝る時間的に、ようやく元の生活リズムに戻れそうな気がする。

「じゃ、三檎、おやすみ」

「うー!おあすい!あいりす!」

 まだまだ元気そうな三檎を隣に、俺の意識は眠りに吸い込まれていった。




〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇




「ふわぁぁ…………おはよ」

「あいりす!おはよ!」

 ふう、背中が痛いぜ。

 寝る前に色々やってから寝るんだった…………

「あいりす?」

「ああ、ちょっとまってて」

 リアクターコントローラーを起動し、アイテム生成の項目を見る。

 2000REか…………12時を過ぎて所持REが4773REになっているとは言え、流石にこれは…………いや、必要なことだしな。


 俺が2000REで生成したもの、それはズバリ、簡易トイレだ。

 驚くべきことに、昨日、一昨日と一度もトイレに行っていない。

 昨日までは運動して汗をかいていたから我慢できてたが、今日起きたら急に尿意が襲ってきた。

 とりあえず、リアクタールームの横を急いで掘って、ちょうど良い大きさの小部屋を作る。

 そして、そこに簡易トイレを設置する。

 丸見えだし、水洗では無いので結局後で処理しなくてはいけないのだが、まあ、気分の問題だ。いちおう、ただ穴を掘って手作りするよりも、後の処理がしやすいというメリットもある。

「じゃあ、三檎、ちょっとそっち行っててくれるか?」

「あうー」

 三檎は俺と離れるのが嫌なのか、少し渋ったが、こればかりは譲れない。何としてでも向こうに行って貰わなければ。

「頼むよ」

「うー」

 渋々了解したのか、リアクターのある部屋まで退散してくれたようだ。

 さて、じゃあ俺は我慢してたおしっこを…………女の体ってどうやっておしっこするんだ…………?




 失敗した…………

 そうか。紙が必要なのか。そうなのか。

 どうしろと?この状況でどうしろと?もうおしっこしちゃったよ?紙ないよ?

 クッ、何たる不覚!このままここにずっと座っている訳にはいかない。けど、このままパンツを履いたらパンツが濡れてしまう!

 ハッ!確か、昨日の夕飯を作るときに着火のために使った紙が少し残っているはず!しかし、この状況であっちに行くことは出来ない…………

 恥を忍んで三檎に取ってきてもらう…………?いや、そもそも紙と言って通じるのか…………?

 いや、悩んでいてもしょうがないな。ここは、三檎を呼ぶしかなさそうだ。

 よし。

「さんごー!ヘルプミー!」

「うあー?」

「こっち来てー!」

「あー!」

 あ、来た。見えないよな?これ以上服の裾を引っ張れないんだが、見えてないよな?

「あう?」

「昨日の、夜に使った紙、わかるか?アレをとって来てほしいんだ。

「あい?」

「そう!紙、四角くて白いやつ!」

「あう」

 三檎とのやり取りが、ちゃんと通じているのかどうか不安だが、トコトコ歩いて向こうに戻っていったので、通じたのだと信じたい。

「あう!」

 しばらくすると、三檎が戻ってきた。数枚の紙を持って。

「でかした!ありがとう三檎!」

 早速三檎から紙を受け取り…………三檎がまだいる。あーけど、この状況で帰ってって言いづらいな…………。よし、見えにくいように、手だけで、裾は引っ張ったまま…………よし、拭けた、かな?

「あう?」

「ああ。もういいよ。ありがとう」

 よし、無事生還。パンツは濡れなかったし、三檎にも恥ずかしいところは見られな…………見られなかったよな?

「うー」

「ん?なんだ、三檎もおしっこか?」

「あうー」

 俺がズボンを履き終え、水で手を洗っていると、三檎がもじもじとしていた。

 どうしよう。俺は幼女にトイレの使い方を教えたことなんてないぞ?

「うー」

「あー、わかった。とりあえず、さっき俺が座ってたのに座って、そこでおしっこをしてくれ。…………見ててやるから」

「あう!」

 俺は変態ではない。これは保護者としての義務だ。俺は悪く…………あれ?俺は三檎の保護者なのか?




「あう!」

「うん。スッキリしたな」

 これでとりあえずの危機は脱した感じだな。

 2000REは痛いが、必要経費みたいなもんだろう。

 出し惜しみをしていると、その分、後で酷い目にあいそうだ。


 よし、じゃあ、また採掘に出かけるか。リアクタールームにトイレを作って取れた土や石はもうリアクターに吸収させているので、残りは2773REだな。

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