6.5話 自覚、そしてダンジョン作成②
書き終わってなくてめっちゃ急いで書き上げました(笑)
ところで、今のタイトルが、『ダンジョン防衛!!~メイドと一緒にダンジョン経営~』なんですが、安直すぎるので、今週の終わりくらいにタイトルを『難攻不落のラビリンス ~メイドと一緒にダンジョン経営~』に人知れず変えようかなと思ってます。
いいですか?来週探すときはタイトルが変わってますからね?
余談ですが、リアルがこれから1ヶ月くらいが一番忙しい時期でして、結構つらいです。
なんで今書き始めたしw
さて、要点の確認も終わって、必須のアイテムも生成したことだし、そろそろ本格的にダンジョンを作るために動こうと思う。
あれから、何をしようかなーと考えながら、なんとなくアイテムの一覧を眺めてみたが、全体的にアイテムの消費REは馬鹿みたいに高いことが分かった。初回のREの割引がなければとてもじゃないがポンポン生成できるような物は無い。
ということで、次は割引の利くモンスター創造を試してみることにしよう。
さっそく手に入れたばかりのリアクターコントローラーを使って、リアクターメニューを開き、モンスター創造の項目をクリックする。
すると、アイテムの時と同じように、いくつかのタブの下にずらっと項目が出てきた。アイテムの時は目的のものをすぐに見つけてしまったので使わなかったが、検索機能もあるようだ。
とりあえず、適当にスクロールして眺めてみる。
ゾンビ、スケルトン……どっかで見たような名前が並んでいるな。こいつらはアンデッド系統か。アンデッドって言う割には普通に死んだけどな。
その他には……うん。なんか全体的に弱い……っていうか進化樹の一番最初のモンスターしかいないみたいだ。強いモンスターは進化させて作れってことなのかな…………っと、お?
適当に画面をスクロールして、下から上へと通り過ぎていく文字列を目で追っていたら、気になる一文が目に入った。
””””””””””
『メイド』
【系統】デミヒューマン
【ランク】B+++
【コスト】3000(30000)RE
<種族値>
【生命力】20
【スタミナ】20
【魔力】20
【攻撃力】5
【防御力】5
【視力】2
【速度】10
【本能】5
【知性】1
【SC】3
””””””””””
………………………え?ナニコレ?メイド?完全にネタだよな?
そもそもデミヒューマンって書いてあるけど、モンスターなのかこれ?
いやー、よくわからん物もあるもんだなー。
ほんと、なんでこんなのがモンスターの一覧にあるんだろうなー。
3000REかあ。ゾンビとかは割引無しでも1000REだったから、ずいぶん高いんだなー。
…………うん。
気づいたら、指がマウスを勝手に動かし、ボタンをクリックしてた。俺は悪くねえ。
だってさ、あんなのがあったら気になるじゃん?しかもさ、割引が無かったら30000REだぜ?1ヶ月分だぜ?この機会に創造しとかないと、後で生成しようとしたらバカみたいなREが必要になっちゃうんだぜ?
まあ、実際自分でもバカみたいだとは思ってる。
けどまあ、結局他のを創造するにしても前情報が無くて手探り状態だしさ、同じことだと思うんだよね。まあ、ゾンビやスケルトンは一回戦ってる訳だけど、殺されかけたわけだし、最初は、ねえ。
で、クリックして進んだ先の画面は、創造するモンスターの細かい設定の画面だった。
この画面では、モンスターの容姿を変更したり、REを追加して能力を上げたりすることができるようだ。
うん。ということで、俺はメイドさんの容姿を設定するためにしばらく集中しようと思う。
異論は認めない。
〇
「おし!完成っ!」
えーと、かかった時間は…………一時間ジャストか。中々早いんじゃないだろうか?アレ?遅いのかな?いつもキャラメイクに2、3時間かけてるから、感覚がマヒしてるな……
まあ、何はともあれ、完成だ。
あとは、能力を設定するだけ、簡単な仕事だ。
モンスターの能力は、具体的な体の強さ、身体能力である、生命力、スタミナ、魔力、攻撃力、防御力、視力、速度、の7つのステータスと、直接体の強さには関係しない、本能、知性、SC、の3つのステータスがある。
これらは、俺にも設定されているステータスで、基本的にはこの世界の生物は全てこのようなステータスを持っているらしい。
ということで、順に見ていこう。
生命力は、命の量。これが無くなると死ぬ。
スタミナは、体力。減ってくると息切れし、無くなると体を動かせなくなる。
魔力は、魔法を使うための魔力の量。無くなっても特に変化はないが、生きていくのに魔力が必要な生物が魔力を切らすと、悪影響が出る場合がある。
攻撃力は、単純な力。高いほど相手を殴ったときのダメージが大きい。
防御力は、体の強靭さ。高いほど受けるダメージが小さくなる。
視力は、目の良さ。この数字が1だと1メートル先、10だと10メートル先に置いてあるノートの文字がはっきり見える。
速度は、体を動かす速度。移動の速度や、攻撃の速度がこれで決定される。参考までに、普通の一般人が10、チーターが15、ゴキブリが30くらいだ。
モンスター創造の際は、ここまでの能力を1上げるためには1000REが必要になる―――ちなみに今は割引があるので100REだ。そして、これらの能力は合計して100しか上げることが出来ない―――例えば、攻撃力を80上げて、防御力を20上げたらもう他の能力を上げることは出来ないということだ。
そして、次は体の強さに関係しない能力。こっちはこれまでの能力とは別枠で、100以内に納める必要は無い。
まず、本能は、その生物の持つ本能の強さ。即ち、どれだけ本能を抑え込めるか、また、どれだけ我を忘れられるか、ということを表す数値になる。強すぎるとわがままで自制が利かなくなるが、低すぎると感情を爆発させられなくて火事場の馬鹿力を出すことが出来なくなる。
これは他の能力と違って範囲が決まっていて、0~9までしか変えることが出来ない。その範囲内で、初期値から変更した数値分REが消費される。1ポイント変えると1000RE、2ポイント変えると3000RE、3ポイント変えると6000RE、4ポイント変えると10000RE消費される。
次に、知性は、その生物の学習能力だ。これは、高くなればなるほど頭脳労働が得意になる。
これも範囲が決まっていて、範囲や計算式は本能と同じだ。
最後に、SCは、スキルを持つことのできる容量。SkillCapacityの略で、直訳するとスキル容量というそのまんまな日本語になる。これについては、後でスキルの項目を見るときにもう一度確認しようと思う。
必要なREは、1ポイント上げるのと5000、2ポイント上げると25000、3ポイント上げると125000、4ポイント上げると625000………というようになっている。
ということで、能力を設定する。
””””””””””
『メイド』
【系統】デミヒューマン
【レベル】1
【ランク】B+++
【コスト】3000→9000(30000→90000)RE
<基礎能力>
【生命力】20→40(2000RE)
【スタミナ】20
【魔力】20→25(500RE)
【攻撃力】5→9(400RE)
【防御力】5→15(1000RE)
【視力】2
【速度】10
【本能】5→3(300RE)
【知性】1→3(300RE)
【SC】3→4(500RE)
””””””””””
…………うん。我ながら、馬鹿だとは思う。けど、欲しい要素全部詰め込んだら、こうなっちゃった。
9000RE消費ってことは、つまりは所持REが0になるってことだけど…………まあ、なるようになるっしょ。
たぶんそろそろ12時を回るだろうし。
そういうわけで、これがメイドさんのステータスだ!
いちおう蘇生できるらしいが、REをバカ食いするので死なれたら困る。なので、生命力は高めに設定した。同じ理由で防御力も高めに設定してある。
その他は、我がまま過ぎると困るので、本能を5から3に変更、そして、あんまりバカすぎると困るので、知性を1から3に変更した。
そんで残りは、まあ、なんとなくで割り振っておいた。
身体能力が39しか上げられなかったのがとても残念だが、無いものねだりをしてもしょうがない。永遠に放置し続ければREも溜まるだろうが、このまま放置し続ければいずれ瘴気が溜まってしまうし、かといってモンスター無しでダンジョンを外と繋げればすぐに攻め入られて終わりだろうしな。今創造するのはほぼ決定事項って訳だ。
よし、じゃあ、諸々の設定も終えたし、そろそろ創造をしてしまうことにするか。
よし、モンスター創造!!
俺がリアクターコントローラーを操作し、モンスターの創造を完了すると、突如、部屋の一角が眩く光り始めた。
「うおっ!?眩し!!」
その光は俺の目を容赦なく痛めつけ、俺はたまらず目を背ける。
光が止むまでは30秒くらいだっただろうか。
光が止み、俺が目を開けると、そこには先ほどまでいなかった生物が座り込んで居た。
そして、その生物は、こちらを見ると、立ち上がった。
背丈は120センチくらい、今の俺と同じ赤い髪に、エメラルド色の綺麗な瞳、そして、見た目は女の子。
この子が、今俺が創造したメイドなんだろう。モンスターのカテゴリーに入っていたが、ぱっと見見た目は人間の子供と大して変わらない。
見た目が幼女なのは、メイドの容姿を設定するときに、デフォルトが幼女だったからだ。流石に容姿設定で体のサイズまで変えることは出来なかったので、今のこの姿に落ち着いたという訳だ。
いちおう、とあるゲームで仲間にしていたメイドさんをモデルにしたので、この姿も俺には見覚えがある。まあ、流石にゲームでもハダカまでは見たことが無かったが。
そう。創造されたメイドさんは、服を身に着けていなかったのだ。